ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

福島の伝統文化を生かした和文具商品の生産性向上とITによる販路拡大

株式会社第一印刷

成果標準処理能力は、1時間あたりA4サイズ1,000冊。

この事例のポイント

  • 表紙の糊付けくるみ工程が手作業で、手間と時間がかかっていた。
  • 表紙を背の部分で折り曲げ、裏面の台紙に糊付けする方式の便箋巻き機を導入した。
  • 標準処理能力は、1時間あたりA4サイズ1,000冊。便箋巻き機の導入により、手作業のスジ入れ・糊付けが不要となり、作業時間を大幅に減らせることが試作・検証で確かめられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社第一印刷
所在地福島県 福島市
業種印刷・同関連業
従業員数42人
資本金1,200万円
設立1951年

事業の背景

株式会社第一印刷は官公庁や学校、団体、民間企業などを主な顧客として、印刷業務とホームページ制作を行ってきた。IT・デジタル化の影響で受注環境が変わる中、企画・提案型営業への転換を図っていた。福島の伝統を生かしたオリジナル文具も製造・販売しているが、商品開発や在庫管理にはデータ分析も必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力表紙の糊付けくるみ工程が手作業で、手間と時間がかかっていた。
  • 生産能力手作業では大量ロットの注文へスピーディーに対応しにくかった。
  • 人手・技能販売管理の基幹業務データが一元管理されておらず、営業戦略を立てにくかった。

やったこと

表紙を背の部分で折り曲げ、裏面の台紙に糊付けする方式の便箋巻き機を導入した。糊付けした中面と表紙を自動で貼り合わせるため、手作業で行っていたスジ入れ作業と糊付け作業が不要になった。試作・検証の結果、旧来の方法と比べて作業時間を大幅に減らせることがわかった。標準処理能力はA4サイズで1時間あたり1,000冊である。また、新たな販売管理システムを導入し、売上・仕入れ・在庫管理を一元的に連動させ、商品コードをマスタ管理することで、データに基づく営業戦略を立てられる体制を整えた。

加工機便箋巻き機
ソフト販売管理システム

事業の効果

  • 標準処理能力は、1時間あたりA4サイズ1,000冊。

便箋巻き機の導入により、手作業のスジ入れ・糊付けが不要となり、作業時間を大幅に減らせることが試作・検証で確かめられた。事前準備や調整に慣れるほど効率は上がると考えられている。販売管理システムの導入により、売上・仕入れ・在庫の業務が一元的に連動し、1名での管理が可能になった。さらに売れ筋や前年度対比などの分析に基づき、商品特性に合わせた営業戦略を立てやすくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    印刷業務から企画・提案型営業へ転換し、オリジナル商品開発を進めてきたという一貫性が読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    会津木綿やこけしなど地域資源を使った商品と、印刷ノウハウ・香り印刷技術の強みが示されるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の表紙糊付けくるみ工程を課題とし、便箋巻き機導入で作業時間を大幅に減らせることが示され、課題と解決策の対応が明確。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の削減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標数値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が乏しい。

  • 事業を進める体制3

    販売管理システム導入で1名での管理体制が可能になると記載され、体制面の見通しはうかがえるが人材確保の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    20代から60代の女性がコアなファン層、訪日客にも好評など顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    販売管理システムの導入、販路開拓(高速道路SA・都内百貨店など)の取組内容は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    会津木綿やこけしをモチーフにした和文具という独自性はうかがえるが、高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    福島の伝統や復興支援への貢献、地域の魅力発信が述べられているが、雇用創出などの数値的効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    便箋巻き機の導入で作業時間が大幅に減ることは示されるが、投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    販売管理システムによるデータ分析で営業戦略を立てる取組はうかがえるが、先端技術の活用や地域サプライチェーンへの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    福島の伝統や地域資源を活かした商品を開発し、県内のSAや道の駅での売上増を図る地域性が具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内需要・インバウンド需要に応える和文具を通じて、福島県の魅力を伝えていく。地元や都内の販売チャネルとの提携や新規開拓を進め、販路を広げて受注の拡大を目指す。

事業者の声

データ分析も重要になってきます。また、データの蓄積が出来てきたので、これらを元にさらに販路を広げる戦略を立てて、受注の拡大を目指すと共に、注文のあった商品の生産性も高めていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。