ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

高級腕時計向け微細装飾部品の量産体制の確立

長尾工業株式会社

成果加工する丸棒の直径を変更したことにより、切削による廃棄部分の削減率目標を上回った。

この事例のポイント

  • NC自動旋盤を使う工程では加工時間が長く、1個あたりの加工時間を短縮する必要があった。
  • 小型CNC自動旋盤を導入し、主軸の回転速度は18000回転まで対応できる設備を用いた。
  • 加工する丸棒の直径を変更したことにより、切削による廃棄部分の削減率目標を上回った。量産へのメドが立ち、連続運転にも進めるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名長尾工業株式会社
所在地福島県 郡山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数80人
資本金3,000万円
設立1965年

事業の背景

当社は極小ネジや同軸リング、高周波コネクタなど多種多様な微細加工部品を供給しており、創業から半世紀の時点で顧客は420社に上る。大手時計メーカーから高級腕時計の文字盤を飾るパーツの生産依頼が寄せられていた。国内の腕時計市場は出荷数量・出荷金額ともに堅調で、ハイスペック化・高価格化の流れも微細装飾部品にとってプラス要因となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力NC自動旋盤を使う工程では加工時間が長く、1個あたりの加工時間を短縮する必要があった。
  • コスト・採算部品の仕上げ過程で廃棄しなければならない金属が多く、材料の廃棄を減らす必要があった。
  • 人手・技能新しいマシンによる量産体制に適した図面作成とプログラム作成を進める必要があった。

やったこと

小型CNC自動旋盤を導入し、主軸の回転速度は18000回転まで対応できる設備を用いた。花のモチーフの装飾部品「桜」と「菊」を試作し、スケッチから図面を起こしてプログラムを作成し加工した。CNC小型旋盤特有のプログラムを機械メーカーの協力を得てカスタマイズし、刃物サイズや機械構造の違いに応じてプログラムを調整した。機械構造の違いから加工トルク(剛性)が不足すると判断し加工条件を下げ、社内検査も実施して量産へのメドを立てた。

加工機小型CNC自動旋盤

新しい製品・サービス:高級腕時計の文字盤を飾る微細装飾部品(桜・菊などの花のモチーフ)

事業の効果

  • 加工する丸棒の直径を変更したことにより、切削による廃棄部分の削減率目標を上回った。

量産へのメドが立ち、連続運転にも進めるようになった。1個あたりの目標加工時間は未達成だが、量産のメドとなるところまで改善した。加工する丸棒の直径変更により切削による廃棄部分の削減率目標を上回った。微細装飾部品は付加価値が高く、通常の装飾部品単価の倍以上の価格を見込め、量産化によるコスト削減と収益性向上が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のNC自動旋盤での装飾部品加工や多品種対応の実績が書かれ、高級時計向け部品への展開が示される。過去の取組との一貫性は読み取れるが具体性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高級腕時計の文字盤部品で、取引先が求めるレベルのサプライヤーは国内外で限られ当社は抜きん出た存在との評価と、ハイスペック化・高価格化の市場動向が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    NC自動旋盤での切削時間の長さと廃棄材料の多さという課題を明示し、小型CNC自動旋盤導入で切削時間短縮と廃棄削減を目指す計画が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    切削時間短縮と廃棄削減の目標は示されるが、1個あたりの目標加工タイムは未達成で、付加価値や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    新しいCNC自動旋盤を使いこなす人材育成や、プログラム・機械を操作する人材育成に努める方針が書かれている。体制の詳細な数字はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    腕時計の微細装飾部品という製品、時計メーカーへの採用・発注の見込み、通常単価の倍以上の価格見込みなど、価値とターゲットが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作、プログラム調整、冶具選択、社内検査、量産シフトの段階が示されるが、スケジュールは「1年目は人材育成」程度で具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    花々のモチーフを金属加工した文字盤部品で、取引先が求めるレベルのサプライヤーは限られると書かれ、高水準の高付加価値品を狙う内容が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    腕時計市場の出荷数量・金額の堅調さは書かれるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的な理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    量産化によるコスト削減、収益性向上、業績への貢献の好循環が期待されると書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    福島県郡山市の企業で、ハイエンド時計部品という高付加価値分野に取り組むことはうかがえるが、地域の特性や雇用効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

1年目は人材育成を行い現場の態勢を固めた上で、新規の受注獲得を本格化させる計画。時計メーカー各社への営業展開と結び付き、受注数の拡大が予想される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。