ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

高精度・複雑形状へフォーカスした医療機器部品生産技術確立のための要素開発

有限会社大橋精密

この事例のポイント

  • 試作から量産への移行に伴い、技術革新が求められていた。
  • 最新高性能CNC自動旋盤を導入した。
  • 高精度・複雑形状加工を量産ベースで実現し、医療機器部品に求められる高品質な加工を安定して行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大橋精密
所在地福島県 鏡石町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1987年

事業の背景

医療機器関連、自動車関連、弱電設備関連の部品試作加工を多く手掛けている。医療機器分野は高齢化による医療費の伸びが見込まれ、市場は拡大する見通しである。平成25年の医療機器市場規模は2兆6,958億円で、分野別では治療機器が53%、診断機器が26%を占めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術試作から量産への移行に伴い、技術革新が求められていた。
  • 品質・精度医療機器部品の試作段階では概ね顧客要求を満たしていたが、量産数が増えると精度が悪化するおそれがあった。
  • 品質・精度量産を意識して顧客要求を達成するには、加工時の狙い寸法を顧客要求より厳しい公差で管理する必要があり、既存技術で満たせない部分をさらに革新する必要があった。

やったこと

最新高性能CNC自動旋盤を導入した。従来モデルより稼働軸を増やし、複合化と高性能化を大幅に向上させた。小径複雑形状の部品加工にも自動旋盤で対応し、加工バリエーションを拡大した。アイドルタイムの削減と回転速度の向上により、生産性を高めサイクルタイムを短縮できるようにした。導入にあたっては、設備稼働のための操作内容と操作技術を習得して、加工担当要員の不足を補った。導入した設備で製品サンプルを製造し、当初立てた目標の確認を行った。

加工機最新高性能CNC自動旋盤

事業の効果

高精度・複雑形状加工を量産ベースで実現し、医療機器部品に求められる高品質な加工を安定して行えるようになった。顧客要求の仕様を量産ベースで達成できるため、量産案件の引き合いに対して受注が可能となった。当社の高精度・複雑加工の技術基準が向上し、従来の顧客からもより付加価値の高い試作案件を受注できるようになった。アイドルタイムの削減や回転速度の向上により生産性が高まり、サイクルタイムも短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    試作加工を多く手掛けてきた実績と、高精度・複雑形状加工への注力が書かれており、過去取組との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療機器・自動車・弱電関連の部品試作を手掛ける強みと、医療機器市場が2兆6,958億円とする市場認識が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    試作から量産時に精度が悪化する課題を認識し、最新CNC自動旋盤導入と量産ベースでの高精度化という対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化の目標値や数値は書かれておらず、量産で顧客要求を満たすという定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    新規設備の操作内容・操作技術を習得して加工担当要員の不足を補ったと書かれており、体制面の記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客要求の高精度・複雑形状加工を量産で実現し、量産案件の引き合いに応えられる点が選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から量産、医療機器部品への進出、他材料展開へと段階的な展開が書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療機器部品分野で治療機器53%、診断機器26%を占める市場の成長性を示し、高精度・複雑形状加工で同分野の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療費の伸びや市場拡大は触れられているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加幅などの数値がなく、費用対効果はうかがえる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    最新CNC自動旋盤による高精度化の取組は書かれているが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は明確でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器分野という成長市場への進出が書かれており、構造転換への寄与がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    福島県鏡石町に立地する事業者という地域情報はあるが、地域特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療機器分野は今後も市場の拡大が見込まれ、治療機器か診断機器のどちらかの医療機器部品製造に進出する予定である。金属部品の高精度化は業種によらず付加価値向上と他社に対する優位性につながるため、他材料への展開やリードタイム削減へ水平展開し、さらなる生産技術改善を進めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。