ものづくり補助金平成26年度建設業福島県

福島県産造作材の生産計画

有限会社わたなべ

成果集成材の加工可能な長さ 2,500ミリ→4,000ミリ

この事例のポイント

  • 内部造作には県産材が適する素材が見当たらず、輸入材に頼らざるを得なかった。
  • 油圧ハンドシリンダーとコンセプトモルダーを導入し、県産の八溝杉の良い部分を柾目に重ねて貼り合わせる幅の広い集成材を製作できる環境を整えた。
  • 集成材の加工可能な長さ 2,500ミリ→4,000ミリ。県産材を自社で加工できるようになり、輸入材に比べて仕入れコストの低減と安定が見込めるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社わたなべ
所在地福島県 浅川町
業種総合工事業
技術分野デザイン,材料製造プロセス,製造環境,立体造形
従業員数10人
資本金300万円
設立1988年

事業の背景

明治35年創業の家具指物店を起源とし、1988年に法人化した。公共施設、商業施設、一般住宅などの木工事・建具工事・内装工事を手がけ、約80%が木工事のオーダーである。内部造作には輸入材が使われることが多く、アメリカやロシア産の材料や中国で造った紅松集成材を用いるケースがほとんどだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力内部造作には県産材が適する素材が見当たらず、輸入材に頼らざるを得なかった。
  • コスト・採算輸入材は為替相場に左右され、仕入れコストが不安定だった。
  • 納期・工程輸入材は発注から納品まで日数がかかり、待ち時間が大きかった。
  • 人手・技能従来は4分割していた加工工程を担う現場スタッフの負担が大きかった。

やったこと

油圧ハンドシリンダーとコンセプトモルダーを導入し、県産の八溝杉の良い部分を柾目に重ねて貼り合わせる幅の広い集成材を製作できる環境を整えた。油圧ハンドシリンダーでは集成材の加工可能な長さが2500ミリから4000ミリまでとなり、長さ4メートルまでは長さ方向のジョイントを無くせる。コンセプトモルダーは6軸モルダーで、四面加工と成型面取加工を1工程で行えるようにした。サッシ額縁を10本試作製作し、一般住宅から公共施設の仕様まで対応できることを確認した。

加工機油圧ハンドシリンダー
加工機コンセプトモルダー(6軸モルダー)

新しい製品・サービス:八溝杉を使った巾はぎ材による“わたなべオリジナル仕様”の造作材

事業の効果

  • 集成材の加工可能な長さ 2,500ミリ→4,000ミリ
  • 納期(地元材を自社加工) 7日→2日
  • 加工工程数(成型面取加工) 4工程→1工程

県産材を自社で加工できるようになり、輸入材に比べて仕入れコストの低減と安定が見込めるようになった。加工できる集成材の長さが大きく広がり、一般住宅から公共施設まで内部造作の多くに対応できるようになった。地元材の自社加工により納期が短縮し、加工工程も1工程にまとまって現場の負担が軽くなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業1902年の家具指物店から木工事を続け、県産材の内部造作材を作る計画は過去の木工事の延長として読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    輸入材は納期約1週間に対し地元材の自社加工は2日、工事の約80%が木工事オーダーといった強みと外部環境が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    輸入材の為替リスクや納期の長さが課題として挙げられ、加工の効率化で解決する方向は示されるが、売上や付加価値の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げを示す目標値は見当たらず、納期短縮や仕入れコストの低減が中心に書かれている。

  • 事業を進める体制4

    従業員10人の会社で、木工事・建具・内装の経験があり、油圧ハンドシリンダーとコンセプトモルダーの導入と試作の実績が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    最大4000ミリまでの集成材製作、サッシ額縁10本の試作、公共施設や一般住宅への対応など、顧客と用途が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    将来は加工・販売元となり造作材を供給する仕組みを立ち上げる計画があるが、時期や段階の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    八溝杉の巾はぎ材は国産材の造作用として新しい用途だが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    県産材の地産地消による林業活性化や地域経済への貢献、国産材の価値観を広める狙いが具体的に書かれている。

  • 費用対効果3

    輸入材の納期1週間から2日への短縮など効果は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    地産地消の仕組みや他社への供給は述べられているが、先端的なデジタル技術の活用は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及5

    福島県の八溝杉を使い、県産材で内部造作材を作り地域の林業と経済を支える事業として、地域特性を活かす内容が明確に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自社物件への使用に加え、将来的には当社が加工・販売元となってさまざまな造作材を供給する仕組みを立ち上げる計画である。八溝杉の巾はぎ材の全国展開も考えられ、地産地消の認知度を高めることを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。