ものづくり補助金平成26年度製造業福島県

大物免震エキスパンションジョイントの省力曲げ加工システムの構築

和田装備株式会社

成果作業スタッフ数 5名→2名

この事例のポイント

  • 免震エキスパンションジョイントの曲げ加工リードタイムが長く、受注拡大に対応しきれなかった。
  • 本事業では、高性能ベンディングマシン「ハイブリッドドライブベンダー」を導入した。
  • 作業スタッフ数 5名→2名。重量材・大型板の曲げリードタイムを77%短縮し、角度出しのスピードアップという成果目標をクリアした。

事業者のプロフィール

事業者名和田装備株式会社
所在地福島県 須賀川市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境
従業員数64人
資本金3,000万円
設立1971年

事業の背景

創業期は住宅用アルミサッシの販売・施工が中心であったが、建築金物や鋼製建具の製造・組立へと事業を広げてきた。東日本大震災を経て免震構造へのニーズが高まり、免震エキスパンションジョイントは戦略製品に成長した。現在の市場規模は100億円と推計され、今後も伸びると予想されている。大型タイプを手掛けられる同業社は全国で5社ほどである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力免震エキスパンションジョイントの曲げ加工リードタイムが長く、受注拡大に対応しきれなかった。
  • 人手・技能曲げ加工には作業スタッフ5名を要しており、省力化が求められていた。
  • コスト・採算省力型の曲げ加工システムを構築してコスト削減と納期短縮を図る必要があった。

やったこと

本事業では、高性能ベンディングマシン「ハイブリッドドライブベンダー」を導入した。データ入力により曲げ順序・加圧力・角度の設定を自動化し、角度センサーが曲げ精度を自動補正するため、高精度で均一な加工が可能になった。ステップベンド工法を採用し、複数の金型をテーブル上で次々に移動させながら曲げ作業を進められるようにした。下部テーブルに追従装置を備え、曲げスピードに合わせて作業を支える仕組みとした。事務所で作成した展開図利用のプログラムをネットワーク転送し、現場で簡便に呼び出せるようにした。導入にあたっては、基本構想策定、導入レイアウトの検討、システムの導入・立ち上げ、使用者教育と試運転、成果検証の段階を踏んだ。

加工機ハイブリッドドライブベンダー

事業の効果

  • 作業スタッフ数 5名→2名

重量材・大型板の曲げリードタイムを77%短縮し、角度出しのスピードアップという成果目標をクリアした。少人数で安全に作業でき、作業者の負担も軽減された。データ作成時間の短縮と稼働率向上、金型の取り付け・交換の手間解消が実現した。生産効率の大幅な改善と開発費用の削減効果が見込まれ、拡販でも強みを打ち出せるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成26年に免震EXP.Jが須賀川市工業製品に認定され、戦略製品に成長したと書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    首都圏・東北の市場動向、大型製造は全国で数社ほどという立ち位置、可動試験装置の自社開発など強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    曲げリードタイムが長いという課題を認識し、73%短縮という目標と、生産性向上を価格競争力につなげる方針が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    曲げリードタイム73%短縮、作業スタッフ5名から2名、重量材・大型板のリードタイム77%短縮など数値目標と成果が明記されている。

  • 事業を進める体制3

    段階的な事業進行や使用者教育と試運転が示されているが、人材・事務処理体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ゼネコンや設計事務所へ高ランク製品をアピールし、公共施設・病院・マンションなど顧客ターゲットが明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    基本構想から成果検証までの段階とステップベンド工法など遂行方法が示され、スケジュールも妥当と読める。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    免震EXP.Jは市場規模100億円と推計され、大型タイプを手掛ける同業は全国で5社ほどと高付加価値・高品位化を志向している。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    免震構造は公共施設・病院などの安全確保に関わると書かれ、建物の安全性向上への寄与はうかがえるが、波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果3

    コスト削減と納期短縮、リードタイム73%短縮などの効果は書かれているが、補助金投入額との費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ネットワーク転送によるプログラムデータ共有や追従装置など新しい仕組みはあるが、地域・サプライチェーンへの貢献としては具体性が薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    免震構造の需要拡大が見込めると書かれるが、日本経済の構造転換に資するという記述は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    須賀川市工業製品の認定や東北地域の需要が書かれ、地域の特性を活かした事業であることはうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

首都圏や東北の市場動向を注視しながら、東京営業所を拠点にゼネコン・設計事務所へ高ランク製品を提案し、安定的な受注を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。