ものづくり補助金平成26年度農業、林業茨城県

茨城特産の糖度の高い干し芋の安定かつニーズに応じた供給体制の確立

成果生産量 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 天候に左右される加工工程があり、天日干しでは雨が続くと乾燥できず、安定した供給が難しかった。
  • 天日干しでは丸干しに12日、平干しに5〜7日かかっていたため、低温除湿乾燥機を導入した。
  • 生産量 1倍→2倍。低温除湿乾燥機の導入により、天候に左右されず安定して生産できる体制が整い、生産量は約2倍になった。

事業者のプロフィール

所在地茨城県 鉾田市
業種農業
従業員数20人
設立2007年

事業の背景

おみ農園は、干し芋とミニトマトを主に生産している。先代から農業を始め、メロン栽培とアスパラガス生産を経て、現在は干し芋、サツマイモ、ミニトマトの栽培が主となっている。茨城県は干し芋を全国の9割生産しており、鉾田市はその有数の産地である。2014年にはテレビ番組で紹介されて注文が前年の約2倍となり、受注に生産が追いつかない事態になった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力天候に左右される加工工程があり、天日干しでは雨が続くと乾燥できず、安定した供給が難しかった。
  • 人手・技能糖度や品質を保ちながら安定的に供給できる体制が十分ではなかった。
  • 集客・繁閑人気を得て完売が続いており、注文に生産が追いつかない状況だった。

やったこと

天日干しでは丸干しに12日、平干しに5〜7日かかっていたため、低温除湿乾燥機を導入した。表面を軽く乾かしてから天日に干す工程に移行し、3日間ほどで十分に乾燥させられるようになった。あわせて蒸し庫を導入し、個包装に対応する真空包装器も導入した。生芋の状態から40日間熟成させ、糖度計で12度以上を確認する工程は従来どおり維持した。

加工機低温除湿乾燥機
加工機蒸し庫
加工機真空包装器

事業の効果

  • 生産量 1倍→2倍
  • 乾燥日数(丸干し) 12日→3日

低温除湿乾燥機の導入により、天候に左右されず安定して生産できる体制が整い、生産量は約2倍になった。乾燥時間が短くなり、個包装にも対応したことで顧客の満足度も向上した。味と品質を落とさずに増産できた点も成果である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2007年に30アールの畑で干し芋生産に着手し、現在は約7ヘクタールに拡大。手作り干し芋を軸にした事業の継続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    2014年に注文が前年の約2倍に増え、テレビ紹介で受注が生産を上回った状況が具体的に書かれ、市場での人気と強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    天候で天日干しが進まない課題に対し、低温除湿乾燥機で乾燥を3日程度に短縮し、生産量を約2倍にしたと数字で書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量約2倍や10ヘクタールへの拡大構想は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の判断材料が薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員20名や製菓衛生士の資格を持つスタッフが管理すると書かれているが、補助事業を遂行する体制の詳細は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加・手作り・自家栽培の紅はるかで濃厚な甘みという製品価値、子どものおやつとしての需要、ふるさと納税返礼品への選出が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    ネット販売への注力やさらなる農地拡大は述べられているが、事業化の中長期スケジュールや課題解決方法の具体的な記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    干し芋は茨城県が全国の9割を生産する分野だが、無添加・手作りで高品質化を図る点はうかがえるものの、高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    鉾田市のサツマイモ産地としての位置づけや地域への出荷は書かれるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    乾燥日数の短縮や生産量約2倍という効果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数字は記載がなく費用対効果は判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    低温除湿乾燥機の導入による工程改善は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの革新性はうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鉾田市・茨城県の特産品として地域の産地を活かす事業であることは読み取れるが、雇用や地域成長への数字的な効果は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

注文が増加しているインターネット販売に力を入れていく。サツマイモの作付けは現在約7ヘクタールだが、ニーズに応えるため10ヘクタールまで広げたい考え。

事業者の声

食べておいしかったからまた買おう、と選んでもらえるおいしい干し芋作りを目指しています。無添加で安心安全、丁寧に手作りした干し芋は品質も良く、原料となる良質でおいしいサツマイモを育てることを大切に、これからも満足してもらえる干し芋作りと安定供給に取り組んでいきます

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。