ものづくり補助金平成26年度農業、林業兵庫県

安心・安全な農産物加工品の革新的な付加価値向上と商圏拡大事業

株式会社ツトムファーム

この事例のポイント

  • 規格外農産物が多く生産量の一部に及ぶが、低価格でしか販売できず、有効活用が課題となっている。
  • 減圧平衡発熱乾燥機を導入し、規格外品を一次加工して保存できるようにした。
  • 減圧平衡発熱乾燥法の導入により、規格外農産物を保存し農繁忙期以外に加工できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ツトムファーム
所在地兵庫県 篠山市
業種農業
従業員数8人
資本金100万円
設立1995年

事業の背景

丹波篠山で米、果物、野菜などを生産販売している農業者で、50数年にわたり農産物生産を続けてきた。特産品は米・黒大豆・白大豆・山の芋などで、近年は切り干し大根やほしいもなどの加工品にも力を入れている。農薬・減農薬栽培により規格外農産物が生じ、カット野菜や漬物などの加工品に取り組んでいたが、収穫期の人手不足で加工が追いつかない状況だった。食の安心・安全への消費者意識が高まる中、消費者や食品加工業者への情報発信も重要性を増していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力規格外農産物が多く生産量の一部に及ぶが、低価格でしか販売できず、有効活用が課題となっている。
  • 人手・技能収穫期は非常に多忙で農業地域で人手を集めることも困難なため、加工品製造まで手が回らない。
  • コスト・採算未加工のまま廃棄ロスが生じており、加工品の生産性向上と廃棄ロスの最少化が必要だった。
  • その他消費者の食の安心・安全への意識が高まる中、情報発信が不可欠だが、積極的な情報発信なしには商品のブランド化や商圏拡大ができないと考えていた。

やったこと

減圧平衡発熱乾燥機を導入し、規格外品を一次加工して保存できるようにした。減圧して低温で水分を蒸発させる方式で、野菜などの細胞壁が潰れにくく、ビタミン等の有効成分の熱変性を防いで風味や栄養価を保持できる。乾燥後の雑菌対策としてオゾン発生装置も導入した。農産物の種類ごとに温度・含有水分量・加工時間を調節し、用途別の乾燥農産物を試作した結果、「ほしいも」は最適乾燥条件を見極め量産化のめどがたった。販売促進のため加工品パッケージに2次元バーコードを付け、スマートフォンで読み取ると自社ホームページに誘導され、原料野菜の栽培記録や農園・生産者の写真、調理レシピなどが見られるようにした。

新しい製品・サービス:ほしいも(減圧平衡発熱乾燥法による用途別乾燥農産物)

事業の効果

減圧平衡発熱乾燥法の導入により、規格外農産物を保存し農繁忙期以外に加工できるようになった。最適な乾燥条件を見極めた「ほしいも」は量産化のめどがたった。風味や栄養価を保持した加工品の生産が可能になった。2次元バーコードによる情報発信で、栽培記録や生産者の情報を消費者・食品加工業者に伝え、ブランド化と商圏拡大につなげようとしている。「ほしいも」は平成28年度ひょうごの農とくらし研究活動コンクールで兵庫県食生活改善協会理事長賞を受賞した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    規格外農産物をカット野菜や漬物などの加工品に以前から取り組み、ほしいもにも注力する方針が示され、過去の取組との一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自社栽培の紅はるかや篠山の自然、安心安全へのこだわりが強みとして書かれるが、市場動向との関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙期に加工まで手が回らず廃棄ロスが出る課題を認識し、減圧平衡発熱乾燥法の導入で対処する計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工品の生産性向上を掲げるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、定性的な目標にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人の規模と加工場の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理の体制についての説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安心安全を前面に出し、2次元バーコードで栽培記録や生産者写真を消費者や加工業者へ伝える点で選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    最適乾燥条件を見極めほしいもで量産化のめどが立ったと書かれ、今後の情報発信計画も示されるが、スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ほしいもが兵庫県の研究活動コンクールで受賞したと書かれるが、高価格化や一般的な普及度との比較は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    規格外農産物の有効活用や農業地域の人手不足への対応が背景に書かれるが、波及効果や雇用創出への具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果2

    廃棄ロスの最少化や量産化のめどに触れるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    減圧平衡発熱乾燥法と2次元バーコードによる情報発信を組み合わせ、加工品の生産とトレーサビリティを結びつける取組が書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    規格外農産物の一次加工による保存性向上は書かれるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出とは明確に結びつけられていない。

  • 地域経済への波及3

    丹波篠山の自然や地元の農産物を活かし、地域の特産品として加工品を展開する方針が書かれている。

今後の展望

今後は、より一層加工品の生産・販売に注力し、積極的な情報発信によって商品のブランド化、商圏拡大につなげる。

  • 目標:従業員数: 8人(平成69年6月現在)

事業者の声

「安心・安全なものづくり」とあわせて、“手間を惜しまないものづくり”を心がけています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

鹿児島県農業、林業平成26年度

ボロをバイオマス燃料に

牛舎から出た糞尿で汚れた敷料を「生ボロ」として回収し、燃焼排熱を利用して生ボロを乾燥させた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。