ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

革新的な飼料用米パウダー加工と独自の配合技術提案による地場の農畜産ビジネスの活性化

株式会社勅使川原精麦所

成果粉砕加工能力 10t/日→40t/日

この事例のポイント

  • 飼料用米は主食用米の代わりに生産を求められているが、米生産者は需要や販路が分からず踏み切れずにいる。
  • もみ殻を含む飼料用米を微粉砕するため、ロール粉砕機を中心とした飼料用米パウダー加工専用ラインを新設した。
  • 粉砕加工能力 10t/日→40t/日。飼料用米パウダー加工専用ラインの稼働により、粉砕加工能力が10t/日から40t/日へ向上し、生産量は4倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社勅使川原精麦所
所在地栃木県 佐野市
業種食料品製造業
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1946年

事業の背景

当社は創業85年以上の県内唯一の精麦工場で、栃木県が生産量トップの二条大麦の加工・販売や、外国産大麦・トウモロコシ・おからサイレージの飼料加工を行っている。対象畜種は肉用牛が主で、多くの畜産会社は当社から大麦やトウモロコシを購入して自家配合してきた。近年は後継者難や人手不足から配合飼料メーカーの製品に移る畜産会社が少なくない。国は主食用米から飼料用米などへの転換を生産者に求めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力飼料用米は主食用米の代わりに生産を求められているが、米生産者は需要や販路が分からず踏み切れずにいる。
  • コスト・採算畜産会社では飼料用トウモロコシの価格高騰などにより飼料コストの増大が悩みになっている。
  • 販路・情報発信配合飼料メーカーの製品へ乗り換える畜産会社が増え、自社の配合飼料の販路が縮小している。
  • 品質・精度米は固くトウモロコシに比べて粉砕が難しく、通常の粉砕では家畜の吸収効率が悪いため微粉砕が必要だった。

やったこと

もみ殻を含む飼料用米を微粉砕するため、ロール粉砕機を中心とした飼料用米パウダー加工専用ラインを新設した。既存の大麦粉砕用加工ラインと比べて粒度を上げることで、肉用牛以外の乳用牛・豚・鶏などへの販路拡大を目指した。新設ラインにより高品質かつ低価格の飼料を提供し、米生産者と畜産会社の双方の課題解決に取り組んだ。

加工機ロール粉砕機(ME3125、明治機械)
加工機粗選機(VR-31、浅野鉄工所)
加工機石抜機(丸七製作所)

新しい製品・サービス:飼料用米パウダー加工専用ライン

事業の効果

  • 粉砕加工能力 10t/日→40t/日

飼料用米パウダー加工専用ラインの稼働により、粉砕加工能力が10t/日から40t/日へ向上し、生産量は4倍になった。当社の配合調整ノウハウを活かし、畜産会社ごとにトウモロコシの40〜50%代替を基準とした配合比率を提案できるようになった。米生産者の生産支援と買取により、県南地域の約40〜50軒の農家によるネットワークを確立した。一方で2018年の減反政策廃止後は飼料用米の調達が頭打ちとなり、現在は年間3,000〜4,000tを仕入れながら農家エリアの拡大に努めている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業85年以上の精麦工場で大麦・飼料加工を手がけ、飼料用米パウダー加工へ展開した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    都道府県別で栃木県が二条大麦生産量トップという地域強みと、配合ノウハウを活かし畜産会社別に代替比率を提案できる点が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    飼料用米の微粉砕が必要という課題に対し、専用ラインで処理能力が10t/日から40t/日へ4倍になったと具体的な数字がある。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量が10t/日から40t/日へ4倍になった数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    農家ネットワークや代表者による事業説明はあるが、補助事業の遂行体制(人材・事務能力)は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    肉用牛以外の乳用牛・豚・鶏への販路拡大、低価格で競争力を高める点など、ターゲットと選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として発酵飼料や豆腐・おからの飼料開発が示されるが、スケジュールや課題解決方法の記載は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    飼料用米の微粉砕加工は代替飼料として注目される分野と書かれているが、高付加価値化・高価格化の水準は具体的でない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    国が飼料用米など他用途生産を要請する中、米農家や畜産会社の課題解決と地元県南の約40〜50軒の農家との連携が書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加率は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイナリーの絞りかすや食品残渣を活用した発酵飼料の開発が書かれるが、デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    飼料用米など他用途生産への変更という政策方向に沿う旨がうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    県南地域の米農家約40〜50軒との生産者ネットワークを構築し、地元佐野市を中心に地域の農業と畜産をつなぐ点が具体的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

微粉砕加工技術を強みに、ワイナリーのブドウの絞りかすと飼料用米パウダーを合わせた発酵飼料を開発し、肉用牛で脂の乗りや肉質の向上が見られた。現在は廃棄された豆腐やおからを利用した飼料を開発中である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。