ものづくり補助金平成26年度不動産業、物品賃貸業栃木県

「クールジャパン和装振興」に基づく高デザイン低価格着物の製造・販売、並びに「日光ブランド戦略」による観光産業の振興の取組み

日本文化伝承株式会社

成果製造コストを約30%削減できた。

この事例のポイント

  • 海外既製品の量販用の着物・浴衣分野は、大手海外縫製メーカーが中国から撤退し始めているため入手が困難になっている。
  • 最新鋭の3Dデザインシステムを導入し、柄合わせ・配色作成・型紙作成などの高度な機能で付加価値の高い着物デザインを自社製作できるようにした。
  • 製造コストを約30%削減できた。3Dデザインと型紙作成の自動化で、型紙製作や仮縫い、試作の工程が減り、製造コストは約30%削減、工程数も削減された。

事業者のプロフィール

事業者名日本文化伝承株式会社
所在地栃木県 日光市
業種物品賃貸業
従業員数6人
資本金300万円
設立2008年

事業の背景

海外既製品の量販用の着物・浴衣分野は、大手海外縫製メーカーが中国から撤退し始めているため入手が困難な状況である。当社はオリジナル商品OEMを大ロットでしか受け付けない業界の中で、小ロットでデジタル捺染ができる体制を求めていた。経済産業省の「クールジャパン和装振興」戦略では高デザインによる低価格着物の開発が求められ、日光市では「日光ブランド戦略」による観光産業の振興が取り組まれていた。インバウンドでは2020年のオリンピックに向けて需要増加が見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外既製品の量販用の着物・浴衣分野は、大手海外縫製メーカーが中国から撤退し始めているため入手が困難になっている。
  • コスト・採算従来は型を1つ1つ作るためコストがかかり、色合わせなどのマッチングの確認時間も長期戦となっていた。
  • コスト・採算日本製の外注は高額である。
  • 生産能力オリジナル商品OEMは大ロットでしか受け付けてもらえない。
  • 品質・精度2次元ソフトでは完成した着物の形が分かりにくく、顧客に出来上がりのデザインを伝えにくかった。

やったこと

最新鋭の3Dデザインシステムを導入し、柄合わせ・配色作成・型紙作成などの高度な機能で付加価値の高い着物デザインを自社製作できるようにした。あわせてデジタル捺染機(プリントシステム)を導入し、写真編集ソフトを使って専属デザイナーが画像加工や色調整を行う体制とした。新工程の染料インクでのデジタル捺染(ダイレクト)では製版工程が不要で、プリント以降の処理は従来と同様である。プリントと後加工は外注し、オリジナル商品を製作している。

ソフト3Dデザインシステム
加工機デジタル捺染機(プリントシステム)

新しい製品・サービス:高デザイン・低価格の着物(デジタル捺染による小ロットのオリジナル着物)

事業の効果

  • 製造コストを約30%削減できた。
  • 工程時間 3回→1回
  • 試作回数 3回→1回
  • 確認の布の送付作業 3回→1回

3Dデザインと型紙作成の自動化で、型紙製作や仮縫い、試作の工程が減り、製造コストは約30%削減、工程数も削減された。デジタル捺染で、伝統的な絹の着物に見間違えるほどの品質向上と風合いの向上が図られ、染料コストも低くなった。遠方のデザイナーともカラーチャートで色を共有でき、実際の生地のやり取りが不要になった。物流・ランニングコストも削減された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存のアンティーク着物販売やレンタル事業との関連は読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外縫製メーカーの撤退で入手困難になった状況や大ロット限定の問題が書かれ、外部環境と課題は読み取れるが強み分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    従来の型作り工程や試作3回が問題として示され、デジタル捺染で試作が1回に減るなど課題解決の方向は具体的に読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造コスト約30%削減、工程短縮の数字が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員6名と書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高デザイン低価格着物、外国人観光客向けなどターゲットと提供価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として観光見本市出展や大学連携などが書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    デジタル捺染による小ロット対応や高品質化は書かれるが、分野の普及度や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    観光産業振興や地域経済活性化への貢献が書かれるが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    製造コスト約30%削減、型紙製作の削減、試作3回から1回への短縮など投入に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dシステムとデジタル捺染の活用は書かれるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は具体的に書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外既製品依存からの転換や国内製造の高付加価値化がわずかにうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    日光の観光振興と地域経済活性化に取り組むと明記され、地域特性を活かした事業であることが具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

クールジャパン政策と日光の振興策に基づき、主に観光客向け着物レンタルの店舗や、写真館・呉服業者への販売を強化する。インバウンド誘客では国際観光見本市への出展や、プロモーションへの参加を増やす。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。