ものづくり補助金平成26年度製造業栃木県

ロボット産業用ダイカスト製品における内部欠陥削減の為の技術開発

有限会社丸山ダイカスト

成果10ショット鋳造で60個加工した結果、1個に鋳巣穴のある製品ができ、不良率は1.6%となる。

この事例のポイント

  • ロボット産業用アルミダイカスト製品の製造過程で、射出の初動で空気を巻き込み、鋳巣が発生して製品不良率の原因になっていた。
  • 従来の速度切り替え位置は1カ所だったが、最新の電動ダイカストマシン「Ds-125EX」(東洋機械金属㈱製)を導入し、5カ所で切り替え可能にして射出スタートから高速切り替え位置まで…
  • 10ショット鋳造で60個加工した結果、1個に鋳巣穴のある製品ができ、不良率は1.6%となる。段階的な射出速度設定により空気の巻き込みが減り、低速域でスムーズな射出が行われるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社丸山ダイカスト
所在地栃木県 足利市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金300万円
設立1972年

事業の背景

ダイカスト業界では鋳巣の低減が長年の課題である。現在のマシンではプランジャーが低速でスタートし、任意の1カ所で高速に切り替えて金型への充填を完了するため、低速時の段階的な設定ができず、初動で空気を巻き込んでいた。産業ロボットは2000年代以降、新興国の急速な発展による需要が増えており、今後も上昇傾向が予測される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ロボット産業用アルミダイカスト製品の製造過程で、射出の初動で空気を巻き込み、鋳巣が発生して製品不良率の原因になっていた。
  • 生産能力従来機では低速時の段階的な設定ができず、速度を下げすぎると湯の凝固が始まり金型内で充填不足が生じていた。

やったこと

従来の速度切り替え位置は1カ所だったが、最新の電動ダイカストマシン「Ds-125EX」(東洋機械金属㈱製)を導入し、5カ所で切り替え可能にして射出スタートから高速切り替え位置までを段階的に設定した。テストピースは内部巣を確認しやすい写真2の形状とした。射出速度は100〜200m/sの間で段階的に設定することが適正と判断し、多段式の射出条件で10ショット鋳造して切削し内部巣を確認した。圧力は22MPaを適正圧力と判断し、モニター機能で圧力のバラつきを可視化して安定した条件を設定した。

加工機Ds-125EX(東洋機械金属㈱製ダイカストマシン)

事業の効果

  • 10ショット鋳造で60個加工した結果、1個に鋳巣穴のある製品ができ、不良率は1.6%となる。
  • 120個中、鋳巣穴不良は0。
  • 速度切り替え位置 1カ所→5カ所
  • 鋳造工程の内部鋳巣欠陥の不良率を1%以内にとどめる。
  • 最終年度に月産2万個以上の受注を見込む。
  • 最終年度に160万円以上の受注金額を見込む。

段階的な射出速度設定により空気の巻き込みが減り、低速域でスムーズな射出が行われるようになった。適正圧力を見極めて圧力の安定も確認でき、鋳巣発生を大幅に抑えられた。内部鋳巣の不良率は1%以内にとどめ、低コスト・高サイクルで付加価値の高い製造を目指す。製品の鋳巣率の低さと低コストをアピールし、自動車部品に加え新規分野での受注拡大を図る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    ダイカスト業界の長年の鋳巣低減という課題と鋳造事業の関連はうかがえるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは書かれていません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車部品と新規分野の受注拡大、産業ロボット向け空圧部品の受注を目指すとあるが、自社の強みとの関係は具体的に述べられていません。

  • 課題の認識と解決4

    鋳巣発生の原因を空気巻き込みと特定し、射出速度の段階設定と圧力2 2MPaで鋳巣発生をほぼ100%抑えたと、課題と解決策が具体的です。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    不良率1.6%から鋳巣不良0へ、最終年度月産2万個以上・受注金額1億6000万円以上など数字つきの目標が示されています。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    製品鋳巣率の低さと低コストをアピールして新規受注を狙うと、選ばれる理由が示されています。ターゲットはロボット産業向けに限定されています。

  • 事業化までの道筋3

    試作の条件出しから量産確認まで段階が記載されているが、事業終了後のスケジュールや中長期の課題検証は具体性が薄いです。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    産業ロボット向けダイカストで高付加価値・低コスト化を図るとあるが、同分野での高水準の位置付けを示す記述は限定的です。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    産業ロボット市場の拡大と新興国需要増加に触れていますが、波及効果や雇用創出への言及は書かれていません。

  • 費用対効果3

    鋳巣率を1%以内に抑え低コスト化を目指すとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていません。

  • イノベーションへの貢献2

    新型電動ダイカストマシンの導入は示されていますが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は記載されていません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    産業ロボット市場の成長が見込まれる分野への進出とうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はありません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

産業ロボット向け空圧部品はS社向けの部品を受注することで、最終年度に月産2万個以上の受注、160万円以上の受注金額を見込む。製品の鋳巣率の低さをアピールし、主力の自動車部品はもとより新規分野での受注拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。