ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業群馬県

欧州向け住宅用コージェネレーション・ガスエンジンの試作開発

株式会社石川エナジーリサーチ

成果発電効率 26%→30%

この事例のポイント

  • 家庭用ガスエンジンコージェネは最も高品質なものでも発電効率が26%台にとどまり、商用電源の効率レベルに遠く及ばない。
  • 燃焼室まわりに低熱伝導素材を採用して準断熱化を行い、熱損失を低減した。
  • 発電効率 26%→30%。発電効率30%を達成し、商用電源に並ぶ効率を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社石川エナジーリサーチ
所在地群馬県 群馬県太田市
業種技術サービス業
技術分野機械制御
従業員数20人
資本金5,500万円
設立2010年

事業の背景

原発問題を契機に、CO2削減や省エネルギーを目指した分散型熱電併給システムへの期待が世界的に高まっている。欧州では2020年に26万台、2030年に100万台のガスエンジンコージェネユニットの設置が予測されている。当社は、ガスエンジン技術と吸収式冷凍技術を固有技術とし、1kW級のガスエンジンコージェネシステムの開発を大手メーカーから受託した実績がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度家庭用ガスエンジンコージェネは最も高品質なものでも発電効率が26%台にとどまり、商用電源の効率レベルに遠く及ばない。
  • 品質・精度普及のためには高耐久化と低振動騒音化が必要である。
  • コスト・採算普及の重要ポイントである低コスト化が必要である。
  • 人手・技能燃焼効率などの技術的課題の計算を手計算で行っており、時間がかかっていた。

やったこと

燃焼室まわりに低熱伝導素材を採用して準断熱化を行い、熱損失を低減した。高連桿比・低摩擦損失機構を採用し、当社独自の準断熱・高圧縮高膨張比エンジン構造を実現した。クロスフロー式を採用して吸排気構造を最適化し、指圧解析と燃焼シミュレーションで燃焼室形状を最適化した。バランサーシャフトの組み込みにより振動加速度を大幅に低減し、一次マウントを介して高防振多段マウント方式でエンジンフレームに搭載した。ピストンとコンロッドには高疲労強度を持つ異種素材を採用し、動弁系は自動バルブ隙間調整機構でメンテナンスフリーを実現した。低コスト化のため、エンジン構造のシンプル化による加工工数の削減、既存部品の積極利用、発電電圧調整によるパワーコンディショナー回路の簡略化を行った。効率等の技術計算の課題に対しては、メーカーと共同で動力測定装置を専用に製作し導入した。

検査測定動力測定装置

新しい製品・サービス:住宅用コージェネレーション・ガスエンジン

事業の効果

  • 発電効率 26%→30%
  • 騒音レベル 46dB→42dB
  • 振動レベル 0.6G→0.1G
  • 製造原価 24万円→19万円

発電効率30%を達成し、商用電源に並ぶ効率を実現した。騒音レベルは42dB、振動レベルは0.1Gとなり、それぞれ大幅な改善に成功した。製造原価は24万円から19万円に下がったが、目標の17万円には2万円届かず、今後さらなるコストダウンが必要となる。これらの成果により、欧州向け製品の販売と販路拡大につなげる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    ガスエンジン技術・吸収式冷凍技術を固有技術とし、小型高効率ガスエンジンの開発実績があると書かれているが、経営戦略上の位置付けは述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    欧州では2020年26万台、30年100万台のガスエンジンCGU設置台数予測があり、独自構造で発電効率30%を実現したと、市場と自社強みの関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    現状の家庭用ガスエンジンは発電効率26%台と課題が示され、準断熱・高圧縮高膨張比などで30%を実現したと、課題への対応が具体的である。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造原価を現状推定24万円から目標17万円に、2020年年間1,000台、21年3,000台の販売見込みと数値目標がある。ただし付加価値額や賃上げの目標ではない。

  • 事業を進める体制2

    開発委託元EnCon GmbHやメーカーとの共同開発が書かれるが、社内の人材体制や事務処理能力についての記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    住宅用コージェネの発電効率、騒音・振動の改善値(42dB、0.1G)、仕切り価格33万円など、製品の価値と顧客像が数値で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ドイツ市場から初期販売し、フィールドテスト後に本生産、その後国内やアジアへ拡大する段階的な方針が書かれているが、課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    2020年に欧州で26万台、30年に100万台と普及が見込まれる一方、現状の家庭用は発電効率26%台と、高水準の効率化を図る製品として描かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    CO2削減や省エネを目指す分散型熱電併給の世界的な期待や、ドイツ政府の助成金制度が書かれ、国が補助する背景はうかがえるが雇用創出などは薄い。

  • 費用対効果3

    製造原価を24万円から17万円へ下げる目標や販売台数見込みはあるが、補助金額に対する付加価値増や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    分散型熱電併給やガスエンジンの技術革新はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記述は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    省エネや低炭素の分散型熱電併給システムという成長分野への進出が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ドイツ市場からスタートし、国内やアジア市場へ事業を拡大する。仕切り価格33万円を予定し、2020年に年間1,000台、2021年に年間3,000台の販売を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。