ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

顧客が3次元形状を自由に指定できる3D 食品成形機の試作開発

株式会社大道産業

成果食材を68℃で30分加熱、1gの誤差

この事例のポイント

  • 従来の成形機は食材が型に張り付きやすく、型から食材を取り外すことが大きな課題である。
  • 高温加熱・急速冷却に対応できる割り型の材質として、ISO規格で食品への安全性が確認されている樹脂材料を使用できるよう、既存設備に仕様の追加を行った。
  • 食材を68℃で30分加熱、1gの誤差。精密な食品用ベーンポンプ機構や精密なスクリュー部品などの金属切削部品を自社内で製作できるようになり、自社製品の高度化と…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大道産業
所在地群馬県 前橋市
業種生産用機械器具製造業
技術分野デザイン,精密加工,立体造形
従業員数24人
資本金2,000万円
設立1964年

事業の背景

当社は食品加工機械の製造・販売を主業務とし、新規製品開発に取り組んでいる。製菓製パン・包餡用成形機の市場規模は200億円程度、ハンバーグやコロッケなどの加工食肉製品の成形機市場は50億円程度と推測される。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来の成形機は食材が型に張り付きやすく、型から食材を取り外すことが大きな課題である。
  • 新製品・新技術自然冷却で硬化できる材料は限られるため、成形形状が2次元的で画一的にならざるを得ない。
  • 生産能力割り型の材質には、高温加熱・急速冷却に耐えつつ食品に触れても安全性が保証されることが求められる。
  • 品質・精度精密な定量充填を可能にする送り出し機構を、自社で製作する必要がある。

やったこと

高温加熱・急速冷却に対応できる割り型の材質として、ISO規格で食品への安全性が確認されている樹脂材料を使用できるよう、既存設備に仕様の追加を行った。これにより連続170℃の環境でも溶出せず、食品の安全性を担保できた。精密な定量充填に必要な送り出し機構部品を製作するため横型複合加工旋盤を導入し、食品用ベーンポンプ機構と羽根による精密充填機を試作して成功した。当社所有のStratasys社製Fortus 400mcの3Dプリンタで立体形状の割り型を作成し、オーダーメイドの形状を立体成形できる3D食品成形機を試作した。実際に製作したキャラクター型でソーセージを試作し、食材を68℃で30分加熱したところ、誤差は1gであった。

加工機横型複合加工旋盤
加工機Stratasys社製 Fortus 400mc(3Dプリンタ)
その他食品用ベーンポンプ機構・羽根による精密充填機

新しい製品・サービス:顧客が3次元形状を自由に指定できる3D食品成形機。割り型、抜き型、押出成形を1台で行えるよう、オプションの変更で対応する。

事業の効果

  • 食材を68℃で30分加熱、1gの誤差

精密な食品用ベーンポンプ機構や精密なスクリュー部品などの金属切削部品を自社内で製作できるようになり、自社製品の高度化と新製品開発の幅が大きく広がった。顧客に多様な食品型を提供できるため、顧客商品へのさらなる付加価値提案が可能になった。製品の安全性も樹脂材料の採用により確保された。将来的には年間1〜3億円の売上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の定量充填技術を進化させて3D食品成形機を試作したと書かれており、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多様な食文化への貢献や顧客ニーズの高さは書かれるが、競合比較や自社の強み・弱みの分析は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    従来の成形機の課題(型への張り付き、2次元的な形状)は認識されているが、事業計画としての解決の実効性は具体性が薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    将来的に年間1〜3億円の売上達成を目標として具体的な数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社内に精密部品加工能力があることはうかがえるが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    市場規模200億円・50億円と数字を挙げ、顧客ニーズや多品種少量生産への好適性を具体的に示している。

  • 事業化までの道筋4

    展示会による市場調査、直接営業、販売代理店方式への移行という段階的な進め方と、材質の安全性確認が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    3D食品成形機はニッチで普及度が低いと明記され、立体成形は実用化が少ない分野とされている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    食文化の多様性や食の高付加価値化への貢献がうかがえるが、雇用や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果3

    定量充填の精度向上や売上目標は書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dプリンタを用いた割り型製作や、1台で割り型・抜き型・押出成形を行う新しい成形機が具体的に記載されている。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    食品加工分野の高付加価値化への貢献はうかがえるが、成長分野への構造転換という文脈は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

展示会などで市場調査を行い、見込み客に直接営業する。市場に認知された後は販売ルート網を構築し販売代理店方式に切り替える。アプリケーションの充実も今後の課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。