ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

次世代自動車向け試作部品の納期短縮に向けた試作開発

有限会社川島精機

成果最終寸法精度 0.05ミリ→0.028ミリ

この事例のポイント

  • アルミニウム合金は強度が低く薄肉化すると剛性が下がって変形し、加工精度が低下していた。
  • アルミニウム合金製のクラッチカバーを対象に、一次加工の旋盤加工と二次加工のマシニング加工にそれぞれ適した設備を導入した。
  • 最終寸法精度 0.05ミリ→0.028ミリ。最終寸法精度が目標値をクリアし、高精度化を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社川島精機
所在地群馬県 邑楽町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金500万円
設立1989年

事業の背景

当社は従来、世界1位の自動車部品メーカーのボッシュと取引し、主力のディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの部品を製造してきた。しかしボッシュグループが日本工場を相次いで閉鎖し、取引工場も生産能力が縮小された。次世代自動車の国際競争は激しく、試作部品にも高精度化と納期短縮への強いニーズがある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度アルミニウム合金は強度が低く薄肉化すると剛性が下がって変形し、加工精度が低下していた。
  • 納期・工程加工中のワークの変形を防ぐため負荷の高い高能率加工が難しく、加工時間が長くなっていた。
  • 品質・精度ワークを加工工程ごとに再設置すると位置決め誤差が蓄積していた。

やったこと

アルミニウム合金製のクラッチカバーを対象に、一次加工の旋盤加工と二次加工のマシニング加工にそれぞれ適した設備を導入した。高回転仕様のマシニングセンタと、加工品の取り付け圧力を高精度に管理できるNC旋盤を新たに導入した。加工時のクラッチカバーの固定力と加工品質の関係を加工実験で調査し、マシニング工程では加工精度を維持しつつ高速で加工できる条件を確認した。旋盤工程の方案を検討し、加工中のクラッチカバーを固定する治具や、再設置時の位置決めについても検討した。工作機のタッチセンサを用いた自動化や取り替え時の治具についても検討を行った。

加工機高回転仕様のマシニングセンタ
加工機高精度管理できるNC旋盤
検査測定タッチセンサ

新しい製品・サービス:高精度クラッチカバー

事業の効果

  • 最終寸法精度 0.05ミリ→0.028ミリ
  • 運送等の加工以外の要因を考慮しても、概算で1〜2日の短縮が期待できる。
  • 4年目には全数の5,000台受注、売り上げ2,500万円を目標とする。

最終寸法精度が目標値をクリアし、高精度化を達成した。一次・二次加工ともに加工時間の目標値を達成した。段取り替えの時間短縮は目標に届かなかった。一次加工から検査までの一貫請負により、ワンストップ生産で全数受注を目指す。旋盤加工も請け負うことで受注範囲が広がる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ボッシュとの取引やディーゼル噴射ポンプ部品の加工ノウハウ蓄積が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    次世代自動車の市場拡大やワンストップ化、平均単価3,000円での価格優位性など、外部環境と自社の強みが具体的に記されている。

  • 課題の認識と解決4

    精度0.05ミリから0.028ミリへの向上、50個あたり1〜2日の短縮、年間約5,000台受注と売上2,500万円の目標が具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    最終寸法精度0.028ミリ、加工時間の目標達成、4年目に5,000台受注・売上2,500万円と数値目標が明示されている。ただし賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人の小規模事業者であることは読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ワンストップ生産、低コスト、高精度化を武器とし、顧客は自動車部品メーカーと明記され、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    旋盤加工の請負拡大や4年目の全数受注など段階的な方針は示されるが、遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は記されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    次世代自動車向けクラッチカバーの高精度・薄肉化加工で、他社は価格面で対応困難とあり、高水準の付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    次世代自動車分野の市場拡大や国際競争力への言及はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    加工精度と時間の目標達成、加工コストを増やさず品質向上と記載されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC旋盤やマシニングセンタ導入による高精度加工は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    次世代自動車分野の成長に言及があるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見られない。

  • 地域経済への波及2

    群馬県邑楽郡の立地は書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

次世代自動車の市場は新興国を中心に拡大が予想される。4年目には年間5,000台の全数受注と売上2,500万円を目標とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。