ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

難加工材を用いた高付加価値新型超長尺小ネジの開発と生産体制の構築

株式会社コヤウチファスナー

成果ネジ径に対する長さの比率 31.6倍→50倍

この事例のポイント

  • 現在当社が生産している長尺小ネジは線径の31.6倍が限界で、建材をしっかり固定するには短い。
  • 新たに機械を導入するとともに治具を独自開発し、引張り強度や耐食性に優れた難加工材(SUSXM7SN、SUS316)を用いて、十字穴付きナベ頭小ネジM3 150を試作した。
  • ネジ径に対する長さの比率 31.6倍→50倍。ネジ外径の50倍の長さを持つ超長尺小ネジの試作開発に成功し、難加工材を使った高強度で耐食性の高い製品を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社コヤウチファスナー
所在地群馬県 太田市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

オリンピック景気に沸く建設業界や新幹線などのモーター関連で、長尺小ネジの大量注文を受けている。建設用途の長尺小ネジはALC材の設置に使われ、高い耐火性、防火性、強度が求められる。新幹線用途の長尺小ネジは主にモーターカバーに使われ、国内だけでなく多くの海外需要が見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現在当社が生産している長尺小ネジは線径の31.6倍が限界で、建材をしっかり固定するには短い。
  • 品質・精度原材料を引き込むときにたわみが発生し、原材料の加工時にはたわみや反りが発生している。
  • 生産能力折れた原材料により金型が壊れ、生産効率が悪化してしまう。

やったこと

新たに機械を導入するとともに治具を独自開発し、引張り強度や耐食性に優れた難加工材(SUSXM7SN、SUS316)を用いて、十字穴付きナベ頭小ネジM3 150を試作した。ネジ径に対する長さの比率50倍を目標に、尺用の長い金型を収納できるダイブロックと引き抜き装置を有する新型機械設備を導入した。引き込み直線のたわみを修正し、独自の材料ストッパーを新規開発した。材料台ではなく新たに原材料の送り込み装置を活用したため、引き込み時のトルクが安定した。その結果、量産に向けて1,000本を試作開発し不良率0%を達成し、工場のサイクルタイムである45本以上/分のスピードを実現して、量産体制を構築した。

金型ダイブロック(金型保持具)
加工機引き抜き装置
加工機原材料の送り込み装置
その他独自開発した材料ストッパー
その他独自開発した治具

新しい製品・サービス:難加工材を用いた超長尺小ネジ(ネジ外径の50倍の長さを持つ、M3 150)

事業の効果

  • ネジ径に対する長さの比率 31.6倍→50倍

ネジ外径の50倍の長さを持つ超長尺小ネジの試作開発に成功し、難加工材を使った高強度で耐食性の高い製品を実現した。量産体制を確立し、45本以上/分のスピードと不良率0%を達成した。超長尺小ネジの分野で唯一無二の存在となり、東京五輪に向けて高い支持を獲得できると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のネジ事業の延長として長尺小ネジを位置づけ、ALC材や新幹線用途の需要に対応する取組と読めるが、経営戦略上の明確な位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    当社しか量産できない超長尺小ネジで、通常ステンレスより引張強度と耐食性に優れる特色を持つと具体的に記載されている。

  • 課題の認識と解決3

    折れ・たわみ・金型破損という課題を挙げ、送り込み装置で対処したと書かれるが、高付加価値化による成長の数値目標までは示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    既存事業は5%ずつ売上増、事業化1年後に月30万本の受注見込み、25%ずつ上向くと数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    開発と量産体制を構築したと書かれるが、人材や事務処理能力など遂行体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ALC材や新幹線モーターカバーの需要、防災・保全予防から求められる折れない・錆びない・固定が容易なネジという顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    課題と解決方法は示されるが、事業化までのスケジュールは1年後の受注見込み程度にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    長さ比率50倍の超長尺小ネジは当社しか量産できず、同分野で唯一無二の存在になると明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    東京五輪景気や新幹線、建築の防災対策への言及はあるが、雇用創出や波及効果の記述はわずかである。

  • 費用対効果3

    1,000本の試作で不良率0%、45本以上/分の量産スピードを達成したとあるが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    新型機械設備と独自治具の導入は書かれるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ネジ製造という既存分野の高付加価値化が中心で、日本経済の構造転換に資する記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    群馬県太田市の工場や地域での事業展開はうかがえるが、地域特性を活かした雇用・成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存事業は2020年の東京オリンピック景気の影響で順調な経済環境が続くとみて、年5%ずつ売り上げが上がると予測している。新規事業は事業化1年後に月30万本ロットの受注を見込み、その後はロットが25%ずつ上向くと予測している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。