ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

植物由来生分解性プラスチック・マイクロインサート射出成形技術の開発

三和ニードルベアリング株式会社

この事例のポイント

  • 金属加工事業は海外へのシフトが著しい。
  • 廃棄を考慮し、トウモロコシを原料とする植物由来生分解性のポリ乳酸を採用し、強度や耐熱性の異なる3種類を選定した。
  • 金属とバイオプラスチックを組み合わせた、これまでにないマイクロインサート成形技術を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名三和ニードルベアリング株式会社
所在地茨城県 つくば市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数176人
資本金1億円

事業の背景

戦後より精密金属加工を手がけ、真円度1ミクロンクラスの精密マイクロシャフトや精密リードスクリューを開発・製造・販売してきた。エレクトロニクス部門や医療分野で高いシェアを持ち、精密マイクロシャフト分野では国内トップの生産量を誇る。一方で金属加工事業は海外へのシフトが著しく、主要取引先の自動車・エレクトロニクス産業では軽量化と環境配慮が重要になっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑金属加工事業は海外へのシフトが著しい。
  • 新製品・新技術主要取引先の自動車産業やエレクトロニクス産業では部品の軽量化が進んでいる。
  • 新製品・新技術取引先から環境配慮型の製品開発も求められるようになっている。
  • 新製品・新技術樹脂は社内で扱ったことがなく、既存の事業者も多いため、独自性が必要だった。

やったこと

廃棄を考慮し、トウモロコシを原料とする植物由来生分解性のポリ乳酸を採用し、強度や耐熱性の異なる3種類を選定した。この素材に対応するため全電動式射出成形機を導入し、バイオプラスチック製のインサート射出成形システムを開発して金型を作成した。試作品として逆立つコマを選び、バイオプラスチック製の本体に金属製マイクロシャフトを入れ込んだ。マイクロシャフトの長さ、太さ、重さ、重心の位置を細かく調整する試行を重ねて目標の製品を完成させ、同じ精度の製品を大量に作る体制にも移行できる見通しを得た。

新しい製品・サービス:植物由来生分解性プラスチック(ポリ乳酸)に金属製マイクロシャフトをインサートした、バイオプラスチック・金属複合部品

事業の効果

金属とバイオプラスチックを組み合わせた、これまでにないマイクロインサート成形技術を確立した。自動車産業で進む素材の軽量化に対して大きくアピールできる技術である。開発した射出システムは他の樹脂にも転用でき、汎用性が高い。地球環境への配慮が高まるにつれ、バイオプラスチックへの需要が増えると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    精密金属加工で戦後から培った技術を基に、樹脂分野へ新規進出する経緯が書かれている。経営戦略上の位置付けは具体的には示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    金属加工の海外シフトや自動車・エレクトロニクス産業の軽量化需要を背景に、真円度1ミクロンの技術を強みとして挙げている。競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    金属部品の軽量化と環境配慮型製品の必要性という課題認識は示されているが、付加価値向上や成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    新事業開発室が開発に当たり、金属加工のノウハウを生かしたと書かれている。人材や事務処理体制の詳細は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ポリ乳酸の環境配慮性や注目度の高まり、自動車産業への軽量化アピールが書かれ、顧客ニーズへの言及がある。ターゲットの具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作品でマイクロシャフトの長さや太さ、重さ、位置を試行を重ねて調整し、大量生産へ移行可能と述べている。中長期のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属とバイオプラスチックを複合する成形技術は全く新しいと明記され、ポリ乳酸の素材選定や全電動射出成形機の導入も具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    環境配慮型素材への需要増や自動車産業の軽量化に寄与するとの記述があり、社会的意義がうかがえる。雇用や波及効果の数値はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    金属と生分解性樹脂を複合した新しい成形システムを開発し、他の樹脂にも転用できるとしている。サプライチェーンへの貢献は具体的ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    金属加工の海外シフトを受けて新分野へ進出し、環境対応素材の需要増を見込むとしており、構造転換への言及がある。

  • 地域経済への波及2

    つくば市に本社を置く企業の取組だが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出についての記述は見当たらない。

今後の展望

地球環境への配慮がさらに高まるにつれ、金属と同じく地球に還る素材であるバイオプラスチックへの需要が増えることを期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。