ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

当社オリジナル製品「雨どい吊金具」の量産設備導入計画

有限会社 広島金具製作所

成果工程数 11工程→2工程

この事例のポイント

  • 折版屋根への雨どい吊金具は施工時間が半減する強みがあるが、工程の中に手作業が残っておりコストが高く、量産に向かない。
  • 材料をコイル化し、自動送り装置とNC制御のフロントゲージを導入して手作業から自動化へ転換した。
  • 工程数 11工程→2工程。今まで曲げ、穴あけで全11工程あったものが金型による自動化により2工程に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 広島金具製作所
所在地広島県 福山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

建築板金向けの建築金具の規格品は、大手メーカーによる大量生産や海外生産で薄利多売となっており、厳しい価格競争が続いている。当社は大手メーカーが不得意とする別注建築金具の製作を得意としており、当社オリジナル製品も多数持っている。今後縮小が予想される建築板金業界の中で、別注建築金具の製作ノウハウを生かして生き残る戦略をとっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力折版屋根への雨どい吊金具は施工時間が半減する強みがあるが、工程の中に手作業が残っておりコストが高く、量産に向かない。
  • コスト・採算建築板金向けの規格品は大手メーカーの大量生産や海外生産で薄利多売となり、厳しい価格競争が続いている。
  • 人手・技能手作業の部分を自動化しなければ、当社オリジナル吊金具を量産できない。

やったこと

材料をコイル化し、自動送り装置とNC制御のフロントゲージを導入して手作業から自動化へ転換した。導入設備は現有のプレス機、シャーリングを活用できるものとした。ボルトつぶし・切断・プログレ1/2・ベンド1/2の金型を開発・導入し、数種類の金型で自動送りと非常停止ができるか、フロントゲージが数値通りに材料を送れるかを検証した。レベラーフィーダーを導入し、シャーリングで短巾材の切断速度を向上させ、歪み取りを不要にして省力化を図った。一連の設備の評価を行い、目標通りの性能が見込まれたため生産転用を行う予定である。

加工機レベラーフィーダー
加工機NC制御フロントゲージ
加工機自動送り装置
金型金型(ボルトつぶし・切断・プログレ1/2・ベンド1/2)

新しい製品・サービス:当社オリジナル製品「雨どい吊金具」(オリジナル製品「吊りピタ君」)

事業の効果

  • 工程数 11工程→2工程
  • 時間当たり生産高 1倍→4倍

今まで曲げ、穴あけで全11工程あったものが金型による自動化により2工程に短縮された。コイル材の導入で量産化が進み、時間当たり生産高は4倍に拡大した。自動化により手作業をしていた人員を他の作業へ転換でき、工場全体の生産性も向上した。同一工程内でカド取りと社印の刻印も行えるようになり、商品の美観が良くなってブランディングにも一部貢献した。製造工程によるロスも低下し、全体として生産性が大きく向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    別注建築金具の製作ノウハウを生かし、オリジナル雨どい吊金具を主力製品とする方針が書かれているが、過去の取組との一貫性は詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手メーカーが不得手な別注建築金具を得意とし、従来品の半分の施工時間という強みがあると、市場と自社の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業工程が高コストで量産に向かないという課題を示し、自動化で量産化しコスト低減する計画が明確に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    11工程が2工程に短縮、時間当たり生産高が4倍に拡大と数値で成果が示されているが、目標値として事前に設定された数字は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    プレス機やシャーリングを活用する体制やフロントゲージ評価の記述はあるが、人材や事務処理能力に関する記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    従来品の半分の施工時間、美観向上、短納期化など製品の価値と強みが具体的に示されており、現場の職人の悩み解決が意図されている。

  • 事業化までの道筋4

    金型の開発、コイル材の導入、NC制御フロントゲージの導入、評価と生産転用という段階的な進め方が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    建築板金の規格品は薄利多売で、別注の吊金具を量産化しブラッシュアップしていく方針が書かれ、高付加価値化の方向性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    建築板金業界の縮小予想や地域中心の取引先に触れているが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果4

    11工程が2工程に短縮され時間当たり生産高が4倍、工場全体の生産性も向上したと数字で成果が示されており、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    中国地方の取引先を中心に広島県福山市で事業を営むと書かれているが、地域経済を牽引する効果までは読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在の取引先は中国地方中心のため、全国の問屋などへ積極的に営業を展開中。現場で使われる方にもDMを送り、反響が出ている。利用客からの新しい要望を受けてバリエーションを展開し、ブラッシュアップしていく予定。使い慣れた商品を選びがちな職人に定番品として使ってもらえるよう、地道な広報活動を続ける。

事業者の声

「人手不足にジャストミート」を合言葉に建設現場の人手不足を解消するべく取り付けが楽になるオリジナル金具を開発、製造しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。