ものづくり補助金平成26年度製造業群馬県

火入れ工程の新システム確立による高品質醤油の開発

株式会社岡直三郎商店

成果従来の自然放冷で火入れした醤油Cに比べ、新法A、Bの方が測色、アルコール分、官能検査の結果が優れていることが分かった。

この事例のポイント

  • 手動コントロールする火入れでは殺菌温度が不安定で、予定の火入れ温度を上回ってしまう。
  • 冷却機能付きプレートヒーターを新たに火入れ器として導入し、火入れ温度85℃で10分保持後60℃まで速やかに冷却して自然放冷する新法A、火入れ温度85℃で30分保持後60℃まで速や…
  • 従来の自然放冷で火入れした醤油Cに比べ、新法A、Bの方が測色、アルコール分、官能検査の結果が優れていることが分かった。冷却機能付きプレートヒーターによる火入れで、醤油の品質が向上し、新法A、Bは従来法より測色、アルコール分、官能検査の結…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社岡直三郎商店
所在地群馬県 みどり市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数31人
資本金1,000万円
設立1787年

事業の背景

醤油は1973年の出荷量をピークに長期減少傾向にあったが、近年は消費回復の兆しが見られる。和食の世界無形文化遺産登録などを背景に、高品質な食品へのニーズも高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手動コントロールする火入れでは殺菌温度が不安定で、予定の火入れ温度を上回ってしまう。
  • 生産能力冷却機能がないため冷却に2日間も要し、生産の効率が悪い。
  • 品質・精度蓋なしタンクのため香りの散逸や味の変化が進み、高品質の追求に限界がある。

やったこと

冷却機能付きプレートヒーターを新たに火入れ器として導入し、火入れ温度85℃で10分保持後60℃まで速やかに冷却して自然放冷する新法A、火入れ温度85℃で30分保持後60℃まで速やかに冷却して自然放冷する新法B、火入れ温度85℃で30分保持後に自然放冷で常温まで冷却する従来法Cの丸大豆醤油を試作した。試作した醤油2種類、従来法の醤油、生醤油の計4種類について、群馬産業技術センターと共同で測色、アルコール分、うま味成分の指標となるホルモール窒素、微生物検査、官能検査などの品質評価を行った。

加工機冷却機能付きプレートヒーター

新しい製品・サービス:高品質な醤油(一番しぼり有機濃口醤油、二段仕込み、本醸造ヒシクなど)

事業の効果

  • 従来の自然放冷で火入れした醤油Cに比べ、新法A、Bの方が測色、アルコール分、官能検査の結果が優れていることが分かった。
  • 新火入れ方式による商品の売上 580万円→730万円

冷却機能付きプレートヒーターによる火入れで、醤油の品質が向上し、新法A、Bは従来法より測色、アルコール分、官能検査の結果が優れていた。冷却機能付きプレートヒーターでの火入れにより微生物的安全性も担保できることが分かった。今回の試作では火入れ時間がより短いAがより高品質な醤油を製造できると判断された。高級感のある商品を高級志向やインバウンド需要を背景に地下ショップやデパート等で拡販し、新火入れ方式による商品の売上増加を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1787年の醤油製造で火入れ工程の高品質化に取り組む流れは読めるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    消費回復や高品質志向を背景に、高感度な外国人観光客向けの大手デパート拡販など市場動向と自社製品を結びつけている。

  • 課題の認識と解決5

    手動火入れの殺菌温度不安定、冷却に2日間などの課題を示し、冷却機能付きプレートヒーター導入で解決する計画が具体的。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    2018年3月期580万円、21年3月期に730万円の売上目標を数字で示している。

  • 事業を進める体制2

    従業員31人との記載はあるが、補助事業を遂行する担当体制や人材については触れられていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質醤油の価値を示し、外国人宿泊客向けの地下ショップ販売や日本生協連との取引予定など顧客ターゲットが明確。

  • 事業化までの道筋3

    試作評価、製品ごとの火入れ条件確立、販路拡大と段階的な計画は示されるが、スケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来比で高品質化した醤油の開発を示し、一番しぼり有機濃口醤油など高級品で高価格化を図る点が読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    和食の世界無形文化遺産登録や消費回復の兆しに触れるが、国が補助する積極的理由(波及効果や雇用創出)は明示されていない。

  • 費用対効果4

    新法Aは従来法より測色・アルコール分・官能検査で優れ、売上目標も数字で示すなど費用対効果を読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    冷却機能付きプレートヒーターの導入はあるが、デジタル技術やビジネスモデルの革新、地域への貢献の記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    群馬県みどり市の地場企業で醤油を製造する点は読めるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は醤油の種類を変えて検討し、製造する醤油製品全体の品質向上に取り組む。日本生活協同組合連合会との取引も予定しており、高品質をPRして拡販につなげる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。