ものづくり補助金平成24年度京都府

高温・過酷な環境下で使用する特殊センサーと炉内監視装置の差作開発

京都EIC株式会社

成果定在波レーダーにより、ガラス生地面のレベルを±0.01mmの誤差で検出できる

この事例のポイント

  • ガラス生産において歩留まりを高めるため、ガラス生地面のレベル制御技術の向上が課題となっている。
  • レベル制御を向上させる溶融ガラスレベル監視装置(特殊センサー)と、炉内を高精度に監視するカメラシステム(炉内監視装置)の改良に取り組んだ。
  • 定在波レーダーにより、ガラス生地面のレベルを±0.01mmの誤差で検出できる。試作機は協力会社やユーザーでの繰り返し評価試験により、計画どおりの性能、冷却水・冷却空気の使用量削減、ソフトウェアの動…

事業者のプロフィール

事業者名京都EIC株式会社
所在地京都府 久御山町
業種電気機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数32人
資本金3,000万円
設立2001年

事業の背景

当社は2001年に京都府久御山町で計装・制御システムの専業エンジニアリングメーカーとして事業を開始した。京滋阪神地区にはガラスメーカーが点在し、その取引を深耕してガラス生産財の知識や技術を蓄積してきた。ガラス炉は一度稼働すると10年以上ノンストップで稼働し、部分更新や大きな改善工事もまずないため、ガラス生産財の市場は大手メーカーの参入が少ないニッチな市場となっている。主力製品はガラス生産プラントを統合管理制御するシステム(Glass Brain)で、東南アジアを中心に海外展開のきっかけとなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ガラス生産において歩留まりを高めるため、ガラス生地面のレベル制御技術の向上が課題となっている。
  • 新製品・新技術顧客の細かい要求仕様を満たす、高温過酷な環境で長期間安定して高精度に測定できる特殊センサーを開発する必要があった。
  • 新製品・新技術従来品の炉内監視装置を、より設置しやすく、よりメンテナンス効率の高いものに改良する必要があった。

やったこと

レベル制御を向上させる溶融ガラスレベル監視装置(特殊センサー)と、炉内を高精度に監視するカメラシステム(炉内監視装置)の改良に取り組んだ。特殊センサーでは、接触式や放射線式ではなく非接触で連続式、高精度に測定できる定在波レーダーを採用し、稼働機構をなくしてメンテナンスフリーとし、センサー部のみを冷却する簡素な構造とした。炉内監視装置は、高画質なカメラ精度、長期使用への耐久性、冷却水と空気の使用量削減、メンテナンスと操作の容易性を仕様として設定した。レーダーの位置決めに苦慮し試行錯誤を重ねたが、ガラスメーカーの協力を得て約6カ月間毎週の評価試験を行い、ヒアリングに基づく改良を繰り返して精度を高めた。

検査測定溶融ガラスレベル監視装置(特殊センサー)
検査測定炉内監視装置(改良型ITVカメラシステム)

新しい製品・サービス:レーダー式ガラスレベル計測制御装置「Glass Swift」および炉内監視用ITVシステム「Phoenix Eye Ace」

事業の効果

  • 定在波レーダーにより、ガラス生地面のレベルを±0.01mmの誤差で検出できる

試作機は協力会社やユーザーでの繰り返し評価試験により、計画どおりの性能、冷却水・冷却空気の使用量削減、ソフトウェアの動作、電気的性能、メンテナンス性と着脱の容易さを確認した。炉内監視用ITVシステムは補助事業終了後すぐに販売実績を得た。レベル監視装置は2017年から販売を開始し、計装展への出展で多数の問い合わせを得て、毎月数件の引き合いがある。今期は10セットの販売を見込み、中国を中心とする海外市場への拡販も計画している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    ガラス炉統合管理制御システムの国内納入シェアが5割超、2001年創業以来のガラス計装取引蓄積が書かれ、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ガラス生産財はニッチ市場で大手参入が少ないこと、顧客ニーズを捉える優位性があると明記されており、強みとの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ガラス生地面のレベル制御が歩留まり課題と明記され、レーダー式センサーで高精度監視を実現する解決策が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    レベル監視装置は今期10セット販売見込みと記載があるが、高付加価値・賃上げの目標値は書かれておらず具体性が薄い。

  • 事業を進める体制4

    大手ガラスメーカーOBを専任開発者に迎え、設計・ソフト・営業等によるプロジェクトチームを組成したと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ニーズを現場で調査し、非接触・高精度・保守性向上の仕様を設定、ガラスメーカーからの問い合わせも多数とある。

  • 事業化までの道筋4

    開発工程をスケジュール化し役割分担、ユーザー評価を約6カ月毎週実施して改良を重ねたと、方法と期間が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    非接触の定在波レーダーをガラス炉レベル計測に初めて応用したとあり、国内初の試みと同分野で高水準の差別化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    CO2排出量削減や省エネに寄与と記載があるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    冷却水・空気の使用量削減は触れられているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    定在波レーダーの非接触測定やデータ活用は示されるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    海外市場拡大や他業種への拡販計画はあるが、日本経済の構造転換に資する分野進出という観点は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

レベル監視装置は今期10セットの販売を見込み、電波法の問題の解決を図ってグローバルに拡販する計画である。炉内監視装置はガラス製造以外の燃焼炉にも用途があり、仕様改良とデザイン性の見直しを行い他業種にも拡販する計画である。

  • 目標:レベル監視装置の販売開始時期 2,015年→2,017年
  • 目標:昨年度には2セットの受注に成功し、納入した

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。