ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

薄板打ち抜き用高精密プレス金型の製造技術の確立

株式会社イトウ精工

成果加工時間 100%→75%

この事例のポイント

  • 板厚0.05mm以下の薄板打ち抜きは難易度が非常に高く、現在は熟練技術者による治具研削加工でサブミクロン単位の金型加工をしている。
  • 板厚0.05mm以下の金型製作を、治具研削加工からワイヤ放電加工と磨き加工の組み合わせに切り替えた。
  • 加工時間 100%→75%。新加工技術により金型製作の加工時間全体が25%削減され、加工精度は20%向上し、金型製作に関わるコストは15%削減され…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イトウ精工
所在地千葉県 白井市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数6人
資本金2,400万円
設立1983年

事業の背景

株式会社イトウ精工は千葉県白井市にあり、精密プレス金型の設計・製作を得意とし、特にワイヤー放電加工を用いている。カメラ等の精密機器で使われる金属箔ワッシャー(厚さ0.02〜0.5mm)をプレス加工する金型を製作している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度板厚0.05mm以下の薄板打ち抜きは難易度が非常に高く、現在は熟練技術者による治具研削加工でサブミクロン単位の金型加工をしている。
  • 人手・技能治具研削加工は技術者の経験値に依る部分が多く、人的ばらつきが生じやすい。
  • コスト・採算加工時間が長くなりコストも高くなっている。

やったこと

板厚0.05mm以下の金型製作を、治具研削加工からワイヤ放電加工と磨き加工の組み合わせに切り替えた。高精密ワイヤ放電加工機を導入し、汎用工作機械による加工からNC工作機械での加工へ移行して、数値制御により加工データを管理した。熟練技術者の手作業だったみがき工程には、みがき加工機を自社開発して機械磨きに切り替え、作業効率を20%向上させる計画とした。試作金型で板厚0.03mmのワッシャーを打ち抜き、従来工法の製品と比較検証した。

加工機高精密ワイヤ放電加工機
加工機NC工作機械
加工機みがき加工機

新しい製品・サービス:薄板打ち抜き用高精密プレス金型(新加工技術による製作)

事業の効果

  • 加工時間 100%→75%
  • 加工精度 100%→120%
  • 金型製作コスト 100%→85%
  • バリ高さ 0.005mm→0.003mm

新加工技術により金型製作の加工時間全体が25%削減され、加工精度は20%向上し、金型製作に関わるコストは15%削減された。バリ高さも最大0.005mmから0.003mmに抑えられるようになった。加工時間の短縮と精度の安定化により、金型製造効率化が図られたと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    金型製作の効率化という目的が明示され、熟練技術者による治具研削から加工方法を切り替える経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    カメラレンズ焦点調整用ワッシャーの金型受注拡大や販路拡大を見込むと書かれているが、市場動向と自社の強み・弱みの分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    既存の治具研削加工の課題を示し、加工時間を25%削減、加工精度を20%向上、コストを15%削減という数値で改善効果を具体化している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間25%削減、加工精度20%向上、コスト15%削減の数値目標があり、実績として示されている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員6名で熟練技術者が関わるとわずかにうかがえるが、補助事業を遂行する体制や人材確保の計画は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    0.05mm以下の薄板打ち抜き金型という製品の特長と、カメラ用ワッシャー金型の受注実績(1品種4台)が示され、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    ワイヤ放電加工とみがき加工機の開発という方法は示されているが、スケジュールや量産評価の進め方は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    0.05mm以下の極薄板打ち抜き金型という高難度分野で、従来より高い加工精度を実現する点が示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    極薄板打ち抜き金型の新分野への展開が見込まれるとあるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    補助事業による加工時間25%削減、加工精度20%向上、コスト15%削減など、投資効果を数値で示している。

  • イノベーションへの貢献3

    ワイヤ放電加工とみがき加工機の自社開発によるデジタル化は示されるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    千葉県白井市の企業であることはわかるが、地域特性を活かした付加価値や雇用・成長への貢献は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業化後、1品種の金型4台を受注し製作・販売した。製作した金型の量産での評価はまだだが、今後は営業活動を活発に行い、カメラレンズ焦点調整用ワッシャーの打ち抜き金型の受注拡大と、極薄板打ち抜き金型の新分野への販路拡大を目指す。

事業者の声

高精密ワイヤ放電加工機を導入して、さらにみがき加工機を製造工程に組み入れたことで、より高精度な金型を製造することができるようになった。高い品質、短納期、低コスト化等をユーザーから求められる中、早期に事業化を推進し、多くの受注に繋げたいと考える。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。