ものづくり補助金平成26年度製造業千葉県

蛍光顕微鏡やラマン分光用の多波長レーザ光源の試作開発

スペクトラ・クエスト・ラボ株式会社

成果可視域で24色の光を1システムで出力可能

この事例のポイント

  • 蛍光顕微鏡などのバイオイメージングには多数の波長のレーザ光源が必要だが、既存のレーザを多数用いる現状では搭載数の増加だけでは足りなくなりつつある。
  • 当社の近赤外半導体波長可変レーザを光源に、光の波長を半分に変換する波長変換技術を組み合わせた。
  • 可視域で24色の光を1システムで出力可能。可視域で24色の光を1システムで出力でき、一般環境でも安定出力が得られ、波長同期掃引も実証された。

事業者のプロフィール

事業者名スペクトラ・クエスト・ラボ株式会社
所在地千葉県 千葉市
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数3人
資本金900万円
設立2013年

事業の背景

当社は近赤外域900nm~1100nmで波長を自由に変えられる半導体波長可変レーザ技術を持ち、主に分光研究市場向けに製造・販売を行っている。バイオイメージングは生命科学や医療・診断への応用が期待される急拡大市場である。国内では精密光計測に必要な光源の9割以上を海外からの輸入に頼っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力蛍光顕微鏡などのバイオイメージングには多数の波長のレーザ光源が必要だが、既存のレーザを多数用いる現状では搭載数の増加だけでは足りなくなりつつある。
  • コスト・採算顕微鏡や分光システムのメーカーは、機器に搭載できる小型で安価な多波長レーザ光源を求めている。
  • 新製品・新技術全波長域の掃引には波長可変光源2台、光増幅器、波長変換デバイスが必要で、これを1台の光源と1台のデバイスで賄える仕組みが必要だった。

やったこと

当社の近赤外半導体波長可変レーザを光源に、光の波長を半分に変換する波長変換技術を組み合わせた。周期の異なるPPMgSLT素子を24素子積層した多波長変換デバイスを開発し、910nm~1090nmの波長域をカバーした。各素子は0.6mm間隔で積層され、素子ステージは温度可変範囲25℃~135℃で温度調整を行う。波長可変レーザの制御に加え素子位置や温度の同調制御を行う専用制御ボックスと制御ソフトウェアを開発し、全体を1つのデバイスとしてパッケージ化した。

その他多波長レーザ光源(可視多波長レーザ)
ソフト制御ボックス・制御ソフトウェア

新しい製品・サービス:可視域で24色の光を1システムで出力できる多波長レーザ光源。455nm~545nmの全波長を出力できる世界発の可視波長可変光源である。

事業の効果

  • 可視域で24色の光を1システムで出力可能
  • 455nm~545nmの全ての波長を出力可能

可視域で24色の光を1システムで出力でき、一般環境でも安定出力が得られ、波長同期掃引も実証された。クリーンブース等の特殊環境を必要とせず簡便に運用できる。展示会でのデモ動作や研究者からの評価を通じて販路開拓の見込みも得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    設立は平成25年で過去の取組は示されるが、事業の継続性や経営戦略上の位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体波長可変レーザ技術という自社の強みを、分光研究市場や蛍光顕微鏡市場の需要と結び付けて説明している。

  • 課題の認識と解決3

    現行は2台の光源と光増幅器を要するという課題を示し、1台化の追加開発で解決する方向が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    24色・455〜545nmの性能は書かれるが、付加価値額や賃上げにかかる目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    社長と担当者の名前と役割、従業員3名の体制は示されるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顕微鏡・分光の研究者へのアプローチや、展示会での研究者の驚嘆の声など、ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として追加開発や顕微鏡メーカーへのアピールが示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金900万円、売上高2,668万円は書かれるが、資金調達の見込みや財務状況の詳細は読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    可視域で24色を1システムで出力する世界発の光源であり、高水準の性能を持つ点が事例に明記されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    日本は精密光計測用光源の9割以上を輸入に頼っているという数字を挙げ、国内の波及効果を説明している。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    波長変換技術による小型・安価な光源はイノベーションに関わるが、デジタル技術やサプライチェーンへの言及は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    分光計測市場の急拡大と光源の国産化という構造課題に触れており、産業構造の転換との関連がうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

精密分光計測を必要とする研究者へのアプローチを進め、理化学研究所内での展示や学会発表を通じて直接アピールの機会を増やす。その後、オリンパスやニコンなどの顕微鏡メーカーへのアピール・連携を行い、現行の蛍光顕微鏡市場への挑戦を目指す。

事業者の声

まだまだ技術的な発展が求められており、特に光源への改善要求は年々増加しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。