ものづくり補助金平成26年度製造業東京都

国際規格を満たすワイヤーハーネスの端子加工

三有工業株式会社

成果稼働率を導入前に比べ約20%向上することが可能となった

この事例のポイント

  • ワイヤーハーネスは品質要求が年々高まっており、切断長のばらつきを改善する必要があった。
  • ワイヤーハーネス用の新型端子打機として、日本端子株式会社のコネクタ端子打機『全自動切断圧着機(両端圧着)』を導入した。
  • 稼働率を導入前に比べ約20%向上することが可能となった。全自動切断圧着機の導入により、切断長のばらつきが改善し、長さ・寸法・圧着の精度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名三有工業株式会社
所在地東京都 板橋区
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
従業員数60人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

昭和52年に板橋区で自動車用パーキングスイッチの組立業として創業し、昭和60年にワイヤーハーネス加工を新規事業として開始した。現在はこの2種の加工をメイン事業としており、ワイヤーハーネスは主に自動車業界と家電業界、大手メーカーの工業用ロボットに搭載されている。従業員60人ながら大手自動車メーカーのTier2になっている。一時は労働賃金の安い中国等に加工業務が移っていたが、設備投資で加工能力を高め、業務を呼び戻した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ワイヤーハーネスは品質要求が年々高まっており、切断長のばらつきを改善する必要があった。
  • コスト・採算海外との価格競争力を保つ必要があった。
  • 生産能力高品質・短納期を実現するために加工能力を高める必要があった。

やったこと

ワイヤーハーネス用の新型端子打機として、日本端子株式会社のコネクタ端子打機『全自動切断圧着機(両端圧着)』を導入した。部材供給から端子挿入、検査までを自動で行える。従来の機械より長さ・寸法・圧着の精度が向上し、加工スピードも約25%向上した。また、加工機に電線を安定供給するために後方部の送り装置を独自に改良した。

加工機全自動切断圧着機(両端圧着)
加工機後方部の送り装置(独自改良)

新しい製品・サービス:ワイヤーハーネス用新型端子打機(全自動切断圧着機(両端圧着))

事業の効果

  • 稼働率を導入前に比べ約20%向上することが可能となった
  • 加工スピードも約25%向上した

全自動切断圧着機の導入により、切断長のばらつきが改善し、長さ・寸法・圧着の精度が向上した。加工スピードは約25%向上し、送り装置の改良と合わせて稼働率は導入前に比べ約20%向上することが可能となった。これにより国内で加工するメリットである短納期・高品質を実現できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和52年創業の自動車用部品組立から、昭和60年のワイヤーハーネス加工への展開など事業の延長線上にあることはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大手自動車メーカーのTier2であり品質信頼は厚いとあるが、市場動向と自社の強み弱みを踏まえた競争優位の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    価格競争の厳しさや個体差への対応が課題として挙げられ、設備導入で加工速度を向上させたとあるが、課題解決の計画内容の具体性は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工スピードが約25%向上、稼働率が導入前に比べ約20%向上することが可能になったと数字で示されているが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    設備を動かせるスタッフが増えてきていると述べられているのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期・高品質を強みとして打ち出し、自動車や産業用ロボット向けの需要があるとあるが、顧客ターゲットの整理は限定的である。

  • 事業化までの道筋2

    今後は受注量を増やしていく予定とあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ワイヤーハーネス加工で、同分野の中で高速化・高精度化による品質向上を図る点はうかがえるが、高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内で加工業務を呼び戻したことや、雇用・人材の活用への言及はあるが、波及効果の大きさを示す記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    約25%の加工速度向上と約20%の稼働率向上という効果が数字で示されており、費用対効果の一端は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    新型端子打機の導入や送り装置の独自改良は述べられているが、先端的なデジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    業務を中国等から国内へ呼び戻したとあるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出とは明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    埼玉県岩槻工場を操業し国内で加工を行っていることは読み取れるが、地域特性を活かした雇用創出の具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国際基準を満たす製品作りの実績から、自動車産業や産業用ロボット等からの安定した需要がある。今回の設備には余力が残っており、設備を動かせるスタッフも増えてきたため、今後は受注量を増やす予定である。国内加工の強みである短納期・高品質を追求し、アピールしていく。

事業者の声

いまは、1つのところにしがみついている時代ではないと思います。また、設備はいいものを入れないと、古い設備ではどんどん不良が出るようになり、客先からの信頼も維持できません。また、子育て中の女性等にも活躍してもらわなければならないので、よい設備を入れて効率化を進めることが、今後ますます必要になると思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。