ものづくり補助金平成26年度情報通信業東京都

低価格・高機能バスロケーションシステムによる地方交通インフラ強化

アーティサン株式会社

成果初期費用が業界標準の3分の1から4分の1と抑えられ導入のハードルが非常に低くなった。

この事例のポイント

  • 運行本数の少ない地方の路線バスでは、渋滞などの遅延が原因で利用者離れが進む地域も少なくない。
  • クラウド上のサーバーにシステムを配置し、利用者がインターネットでバス予報サイトにアクセスして任意のバス停への到着予定を確認できるバスロケーションシステム『バス予報』を開発した。
  • 初期費用が業界標準の3分の1から4分の1と抑えられ導入のハードルが非常に低くなった。初期費用を業界標準の3分の1から4分の1に抑え、地方のバス事業者にも導入しやすくした。

事業者のプロフィール

事業者名アーティサン株式会社
所在地東京都 調布市
業種情報サービス業
技術分野デザイン,情報処理
従業員数26人
資本金2,200万円
設立2014年

事業の背景

当社は平成26年に設立し、マイクロソフト製品を中心にシステムの要件定義支援、設計、構築、開発及びコンサルティングを行っている。顧客は主にマイクロソフト製品を採用する企業や官公庁である。既存のバスロケーションシステムは旧態依然の技術で価格も非常に高く、特に地方のバス事業者からは手が届かない状況が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑運行本数の少ない地方の路線バスでは、渋滞などの遅延が原因で利用者離れが進む地域も少なくない。
  • 販路・情報発信バス事業者はITから疎遠で、データの電子化が進んでおらず、紙ベースのデータを取り込む必要があった。
  • コスト・採算既存のバスロケーションシステムは車載器やバス無線との連動が必要で投資負担が非常に大きく、地方のバス事業者には手が届かない。

やったこと

クラウド上のサーバーにシステムを配置し、利用者がインターネットでバス予報サイトにアクセスして任意のバス停への到着予定を確認できるバスロケーションシステム『バス予報』を開発した。位置情報はトラックの動態管理システムで多く採用される位置情報機器を拡張し、GPSで取得する仕組みとした。通信回線はdocomoの3G/LTE回線を採用し、山間部や沿岸部でも通信できるようにした。東京での実証実験では、到着予測と実際の到着時刻の誤差が±15秒という精度を実現した。初期費用は業界標準の3分の1から4分の1に抑えた。

その他位置情報送信デバイス(GPS搭載位置情報機器)
ソフトバスロケーションシステム『バス予報』

新しい製品・サービス:バスロケーションシステム『バス予報』

事業の効果

  • 初期費用が業界標準の3分の1から4分の1と抑えられ導入のハードルが非常に低くなった。
  • 到着予測と実際の到着時刻の誤差が±15秒という高い精度の実現に成功した。
  • 処理速度 1倍→20倍

初期費用を業界標準の3分の1から4分の1に抑え、地方のバス事業者にも導入しやすくした。到着予測の誤差を±15秒まで高め、利用者が正確な到着時刻を確認できるようにした。実証実験の度に改良を重ね、速度は最初の実証実験の際と比べて20倍以上改善された。宮崎交通、十和田観光電鉄、岩手県交通で導入が進み、今後はバス2,000台の導入を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    バスロケ開発は前職の打診が起点とあり過去の取組との関連はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    業界標準の3分の1から4分の1の初期費用や、既存サービスは高価との比較が書かれており、競争優位の方向性は読み取れます。

  • 課題の認識と解決3

    赤字率95%の地方バス事業者の課題と、低価格で導入できる解決策の方向性は示されているが、事業計画の数値は薄いです。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、導入事業者数や3年以内に2,000台導入という目標のみです。

  • 事業を進める体制3

    マイクロソフト系技術のエンジニアを複数抱えることが強みとして書かれているが、人員数や体制の具体は薄いです。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    初期費用が業界標準の3分の1から4、到着予測誤差±15秒、高齢者向けの見やすさなど、価値と選ばれる理由が具体的に書かれています。

  • 事業化までの道筋3

    実証実験を重ね精度を改善し、宮崎交通から十和田観光電鉄、岩手県交通へ展開した流れは書かれているが、スケジュールは薄いです。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    類似サービスは多いが旧態依然の仕組みとの対比があり、高付加価値化の方向は読み取れるが、数値の裏付けは薄いです。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    地方の交通渋滞、利用者離れ、路線廃止による地域の過疎化が課題として示され、地域交通インフラの強化という公的意義が読み取れます。

  • 費用対効果3

    初期費用の低減や補助金軽減の可能性は述べられているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていません。

  • イノベーションへの貢献4

    GPSや3G/LTE回線、クラウド、IoTを活用し、位置情報機器の応用で地方交通のデジタル化に貢献する点が具体的に書かれています。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    地方交通の課題解決という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていません。

  • 地域経済への波及4

    宮崎、十和田、岩手の地方バス事業者へ導入が広がり、地域交通の利便性向上を牽引していることが具体的に書かれています。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後、国際東北グループに本格展開を予定している。また、バス停に設置するサイネージを開発中で、幼稚園や自動車教習所等の送迎バス事業者からの引き合いも増えており、3年以内にバス2,000台の導入を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。