ものづくり補助金平成26年度製造業東京都

NC機械による箔押し技術を使った訪日外国人需要獲得のための試作・開発

小林製本株式会社

成果ホットスタンプでは活字を拾う・打つ・戻す作業に2人の技術者を要していた。導入機では、パソコンソフトが使えれば箔押しの経験が浅い人でもきれいに仕上げられ作業時間を短縮できた。

この事例のポイント

  • 箔押しは活字を1文字ずつ手で拾って打つ手作業のため作業効率が低く、一定以上の受注量には機械の台数を増やす必要があった。
  • 海外製のコンピュータ彫刻機GRAVOGRAPH IS400を3台、画像処理ソフト(グラボスタイル7)を一式、画像処理用コンピュータを1台導入した。
  • ホットスタンプでは活字を拾う・打つ・戻す作業に2人の技術者を要していた。導入機では、パソコンソフトが使えれば箔押しの経験が浅い人でもきれいに仕上げられ作業時間を短縮できた。コンピュータ彫刻機の導入により、活字を拾う必要がなくなり作業時間が短縮され、経験の浅い人でも箔押しができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名小林製本株式会社
所在地東京都 東京都中央区
業種印刷・同関連業
従業員数33人
資本金1,000万円
設立1957年

事業の背景

当社は昭和32年創業で、官公庁への報告書や学会発表論文などの少部数製本と箔押し、建築関係の竣工図や航空測量図面などの大判図面製本を得意としている。建設関連業界では電子納品の増加や建設需要の減少により、箔押しや上製本の需要が減少し、道具を作る会社の減少などから廃業する企業も多く、残った企業に業務が集中して業務量は以前より増えていた。また、今後増加が見込まれる外国人旅行客向けの高級サービスのために、これまでにない商品の提供が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力箔押しは活字を1文字ずつ手で拾って打つ手作業のため作業効率が低く、一定以上の受注量には機械の台数を増やす必要があった。
  • 新製品・新技術機械が常に稼働しているため、新たな取組みや技術の開発に挑戦したくても機械を使えないという課題があった。
  • 新製品・新技術活字がない文字は箔押しができず、任意の図なども不可能であり、表現の限界があった。
  • 人手・技能ホットスタンプは活字を拾う・打つ・戻す作業に2人の技術者を要し、並べて打てるようになるまで最低半年の習得期間が必要だった。

やったこと

海外製のコンピュータ彫刻機GRAVOGRAPH IS400を3台、画像処理ソフト(グラボスタイル7)を一式、画像処理用コンピュータを1台導入した。機械により活字を拾う必要がなくなり、任意の図形の出力や外国語フォントへの対応、複数色の箔を重ねることが可能になった。導入した機械で外国語フォントや桐箱への箔押しなど、これまでにない新しい箔押しの試作を行った。画像処理ソフトでパソコン上にレイアウトを組み校正を出せるようにした。

加工機GRAVOGRAPH IS400
ソフトグラボスタイル7(画像処理ソフト)
その他画像処理用コンピュータ

新しい製品・サービス:外国語フォント(中国語・ハングル・アラビア文字など)や多色の箔押しを用いたメニュー本文・表紙、桐箱への箔押し、高級和紙に箔押しした多言語説明付きのお品書きや伝統工芸品の箱書き・名入れ。

事業の効果

  • ホットスタンプでは活字を拾う・打つ・戻す作業に2人の技術者を要していた。導入機では、パソコンソフトが使えれば箔押しの経験が浅い人でもきれいに仕上げられ作業時間を短縮できた。
  • ホットスタンプでは並べて打てるようになるまで最低半年の習得期間が必要だったが、導入機ではパソコンソフトで作業でき習得が容易になった。

コンピュータ彫刻機の導入により、活字を拾う必要がなくなり作業時間が短縮され、経験の浅い人でも箔押しができるようになった。画像処理ソフトでパソコン上でレイアウトと校正を出せるため、イメージの摺り合わせや校正ミスの防止、データ保存ができ、再版の効率が飛躍的に向上した。試作開発の余裕と新規案件を受注する生産余力が生まれ、中国語・ハングル・アラビア文字の外国語仕様の箔押し試作・開発が可能になり、サンプルを示した商談ができるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    上製本・箔押しの既存事業を継続し、従来の箔押し限界を克服する新設備導入と外国人向け高級品需要への展開が説明され、一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    外国人旅行客向け高級サービス需要の伸びや、多言語・伝統工芸への対応を強みとして示し、競争優位の方向性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の箔押しは時間がかかり受注量に機械台数で対応する課題を認識し、3台導入で高付加価値の試作・商談へつなげる計画が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれておらず、受注拡大を目指すという方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    技術者の習得期間や2人体制の作業、画像処理ソフトの導入は書かれるが、人員計画や事務体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    外国語フォントや多色箔、高級和紙のお品書き・箱書きという顧客ターゲットと提供価値が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    補助事業後は新規顧客のターゲティングや商品開発で差別化を図ると述べるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    箔押しは需要減少の分野だが、多言語・多色・任意図形への対応で高級品市場の高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    外国人観光客の増加や伝統工芸・和食文化の海外人気に触れるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮や再版効率の飛躍的向上が書かれるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理ソフトとNC機械による先端的な箔押し技術の活用は読み取れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は具体性が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    インバウンド向け高級品市場の伸びに対応する方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    東京の中央区で伝統工芸や高級旅館向けに提案する点はうかがえるが、地域経済を牽引する効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も伝統的な箔押し技術を大切に守りながら新しい表現に挑戦し、製本以外への活用や新規顧客のターゲティング、商品・サービス開発による差別化を図っていく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。