ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

NC制御型研削機の導入

株式会社富田刃物

この事例のポイント

  • 主力製品の刃部を研削する旧型油圧研削機の整備・調整には熟練の知識と経験が必要で、それができる熟練工は数人しかいなかった。
  • 昭和中期製の旧型油圧研削機を、独自部品でカスタマイズして使っていた研削機からNC制御の研削機に切り替えた。
  • NC制御型研削機の導入により、生産時間と生産コストを大幅に削減し、生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社富田刃物
所在地新潟県 燕市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
設立1959年

事業の背景

1959年に燕市で刃物製造・販売業として創業し、看板商品は土を掘れる園芸用ナイフの「レジャーナイフ」である。2004年にニューヨーク・タイムズに掲載されてから海外で人気が高まり、現在の売上は海外が約30%を占める。国内市場は縮小傾向で反応も鈍く、インターネットや輸送の発展で海外との直接貿易が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能主力製品の刃部を研削する旧型油圧研削機の整備・調整には熟練の知識と経験が必要で、それができる熟練工は数人しかいなかった。
  • 生産能力独自の部品を付け替えて3次元研削していたため、一工程で加工できない状況だった。
  • 人手・技能熟練工の減少や離職など、人的リスクがあった。

やったこと

昭和中期製の旧型油圧研削機を、独自部品でカスタマイズして使っていた研削機からNC制御の研削機に切り替えた。これまで独自部品を付け替えて3次元研削していた工程を、一工程で加工できるようにした。導入によって生産時間と生産コストを大幅に下げ、生産効率を高めた。また、デジタル化により熟練工の生産ノウハウを若手職人に引き継げるようにした。

加工機NC制御型研削機

事業の効果

NC制御型研削機の導入により、生産時間と生産コストを大幅に削減し、生産効率が向上した。これにより、2016年に締結した大手米国商社との北米独占販売契約による大量の注文に対応できた。熟練工が引退する時期にもデジタル化で生産ノウハウを若手職人へ引き継げた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1959年創業の刃物製造で看板商品はレジャーナイフ、2004年の海外露出など取組の流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外売上比率約30%、米国商社との北米独占販売契約、国内市場縮小を踏まえ海外シェア拡大を目指す旨が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    旧型研削機の整備を熟練工に頼る課題と、NC化で一工程加工にする方針は読めるが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産時間・コストを大幅に下げたとあるが、具体的な数値や付加価値・賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練工の高齢引退に対しデジタル化で若手へノウハウを引き継いだとあり、人材面の対応は読み取れるが体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    独自性の高い商品、外国人に合うサイズへの大型化、インチ表示追加など顧客ニーズへの対応と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は海外シェアを伸ばしたいとの方向性はあるが、中長期の遂行方法やスケジュール、課題解決策は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    土を掘れるスコップ状刀身のレジャーナイフで海外の高い支持を得ており、グッドデザイン賞等の受賞も示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外需要に対応して生産を増やしたとあるが、雇用創出や川上・川下への波及効果までは書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産時間とコストを大幅に下げたとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    NC制御研削機によるデジタル化で生産ノウハウを継承したと書かれるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は述べられていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    燕三条のものづくりの町で創業し、海外商社との直接貿易で地域の刃物製造を支えている点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外市場でのシェアを伸ばし、海外の売上をより伸ばしていきたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。