ものづくり補助金平成26年度製造業富山県

複雑な3次元加工を高精度かつ迅速に家具、雑貨の提案力強化で新規開拓へ

株式会社安田創作

この事例のポイント

  • 複雑化・多様化するオーダー家具の要望に、コスト・納期・技術面で応えきれず、やむを得ず受注を断念することがあった。
  • 5軸制御CNCマシニングセンターを導入した。
  • 5軸加工機の導入により、複雑な3次元加工を高精度かつ迅速に行える体制が整い、アール加工なども短時間で可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社安田創作
所在地富山県 立山町
業種家具・装備品製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

大都市圏を中心にオフィスビルの建設が高水準で推移しており、県内でも富山市中心部で再開発事業が進められている。そのためオフィス向け造作家具の需要は今後も高まるとみられる。一方、家庭向け家具では婚礼用の需要が減り、消費者の低価格志向が顕著である。その中でデザインや機能性、素材など自分好みの家具をオーダーする客層も少なくない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑化・多様化するオーダー家具の要望に、コスト・納期・技術面で応えきれず、やむを得ず受注を断念することがあった。
  • 品質・精度需要を着実に取り込むには、より高精度な加工技術を得る必要があった。

やったこと

5軸制御CNCマシニングセンターを導入した。X・Y・Z軸に加え回転する2軸を有し、3次元の球面加工など複雑な形状の製品を迅速かつ正確に生産できる体制を整えた。これにより、アール加工の形状や高精度加工が以前より短時間で可能になり、完成イメージを確認するためのサンプル加工も速やかに行えるようになった。加工データが残るため変更への対応も容易になった。作業データ入力や制御画面の操作性が高まり、専任オペレーター以外の工場作業者でも操作が可能になり、量産・再生産にも対応できるようになった。

加工機5軸制御CNCマシニングセンター

新しい製品・サービス:木製のサラダボウルをはじめとするインテリア小物、ホテルやレストラン向けの業務用大型食器

事業の効果

5軸加工機の導入により、複雑な3次元加工を高精度かつ迅速に行える体制が整い、アール加工なども短時間で可能になった。加工データの活用で変更対応や試作が効率化し、操作性の向上により専任オペレーター以外でも操作できるようになった。省力化で生まれた時間をベテランから若手への技術継承や熟練技術の数値化に充てている。県内で初めて5軸加工機を導入したことで同業者からの加工依頼も増え、新製品開発の可能性も広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のオーダー家具事業と、CADやNCルーターを早期導入してきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    オフィス造作家具の需要増加や複雑化するオーダー要望を踏まえ、県内業界で初めて5軸加工機を導入し同業者からも加工依頼が増えたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    受注を断念していた複雑加工の課題に対し、5軸CNCマシニングセンターで迅速かつ正確な生産体制を整えたと、課題と解決策が対応して書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は書かれておらず、新規顧客獲得や知名度向上という定性的な方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制4

    一級技能士や二級建築施工管理技士を有し、家具の制作設計図に高いレベルで対応できる人材が5人在籍すると人数つきで書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    デザイン性・機能性の高い製品と、オフィスや美術館向けなど顧客層は示されているが、選ばれる理由の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    データ化による技術継承やベテランの技術の数値化を進めると書かれ、遂行方法の方向性は示されるがスケジュールは記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    複雑形状や球面加工を高精度に行う5軸加工を県内で初めて導入し、高付加価値の独自製品を志向している点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    県内業界の活性化や分業による業界への波及がわずかにうかがえるが、国が補助する積極的理由としての経済波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    コストを抑えた生産や従来断念していた顧客の掘り起こしは書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    CADやCNCによる加工データの活用で効率化する点は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    オーダー家具の需要が今後も高まるとの見通しは示されるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    富山県産木材の活用や県内業界の活性化に触れており、地域特性を活かす事業であることがうかがえるが、雇用創出の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

オーダー家具の需要を着実に取り込み、新規顧客の獲得と知名度向上につなげる。木製小物など新製品の開発も進め、品質・衛生面の課題をクリアできれば製品化・量産化も検討する。また、県内業界の分業による活性化も模索する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。