ものづくり補助金平成26年度製造業石川県

手術器具の標準化と減菌時間短縮等を実現する精密加工技術の確立

株式会社原田鉄工所

この事例のポイント

  • 現状の手術器具では不都合が多く、増え続ける透析医療手術のニーズに応えられていなかった。
  • 執刀医から器具のニーズを聞き取り、人工血管やカテーテルを皮下に埋設する手術で必要となる機能を併せ持つトンネラセットを開発した。
  • 医師と患者双方の安全性を向上させ、手術時間の短縮を目指す器具の試作開発を行った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社原田鉄工所
所在地石川県 石川県能美市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

同社は精密小物機械加工部品の製造・組立・検査を得意とする。平成27年1月に取引先から多機能な腎・透析手術器具の製作相談を受けた。当時の手術器具は不都合が多く、増え続ける透析医療手術のニーズに応えられない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現状の手術器具では不都合が多く、増え続ける透析医療手術のニーズに応えられていなかった。
  • 新製品・新技術取引先から多機能な腎・透析手術器具の製作相談を受けたが、既存の器具では対応が難しかった。

やったこと

執刀医から器具のニーズを聞き取り、人工血管やカテーテルを皮下に埋設する手術で必要となる機能を併せ持つトンネラセットを開発した。各トンネラ共通のグリップを作成して操作性を高め、部品表面の加工傷や凹凸を最小限に抑えて高衛生化した。器具の構成を標準化して部品点数を最小限にし、必要な器具を都度買い足せるようにした。術後の洗浄を考慮したグリップ表面の滑り止めなどを工夫し、トンネラを簡易固定できる多機能トンネラ・グリップの試作開発を行った。日本透析医学会学術集会に展示し、来場した医師に実際に操作してもらい感想や要望を聞いた。石川県工業試験場で各種試験を行い、要望項目も満たすオプションを設定した。

新しい製品・サービス:多機能トンネラ・グリップ(皮下埋設手術器具「トンネラ」)

事業の効果

医師と患者双方の安全性を向上させ、手術時間の短縮を目指す器具の試作開発を行った。グリップは術後洗浄を考慮した滑り止めなどで操作性を改善し、トンネラを簡易固定できるようにした。器具の構成を標準化したことで部品点数を抑え、必要な器具を都度買い足せるようになった。学会での医師の評価と工業試験場での試験を経て、要望項目を満たすオプションも設定した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成27年の取引先からの相談をきっかけに手術器具の開発に取り組んだと書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは記載が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    増え続ける透析医療手術のニーズに応えられない現状とあるが、市場規模や自社の強み・弱みの記述はなく、競争優位性はわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決3

    現状器具の不都合と手術ニーズへの対応という課題認識は書かれているが、高付加価値化や成長につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    手術時間の短縮を目指すとあるが、数値の目標や付加価値額・賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性はわずかにうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    執刀医との連携、学会展示、石川県工業試験場での各種試験など取組の進め方は読み取れるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    執刀医からニーズを聞き、標準化で部品点数を抑え必要な器具を買い足せる点や、学会で医師の感想を得た点など、ターゲットと選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    学会での意見聴取から試験でオプションを設定した流れは書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの記述は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジャンルの普及度は書かれていないが、トンネラを人工血管やカテーテル埋設手術の機能を併せ持つセットとして開発した点は、高付加価値の独自性を示す。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    増え続ける透析医療手術のニーズに応える医療機器という社会的意義は読み取れるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    部品表面の加工傷や凹凸を抑えて高衛生にした工夫はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    石川県の工業試験場を活用した点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。