ものづくり補助金平成26年度製造業山梨県

NC自動旋盤と特殊ガンドリルの融合による業界初の1工程での超深穴加工の実現

株式会社ミクニ

成果加工工程数 3工程→1工程

この事例のポイント

  • ステンレス鋼に直径1mm・深さ90mmの超深穴をあける加工は、従来メーカー側で2工程を要していた。
  • ステンレス鋼材の丸棒に対し、NC自動旋盤と特殊ガンドリルを融合させ、丸棒からの切削加工と超深穴あけ加工を1工程で行えるようにした。
  • 加工工程数 3工程→1工程。ステンレス鋼の小径部品に対して、丸棒からの切削加工と超深穴あけを1工程で行えるようになり、直進性、面精度、穴径の保持、…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミクニ
所在地山梨県 上野原市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金500万円
設立1990年

事業の背景

ミクニは昭和56年に創業した精密機械加工業者で、小径の丸物の切削加工を得意とし、半導体・光通信部品やスパコン部品などの加工を手掛けている。20年ほど前はハードディスクのドライブのモーター部品など超大量品を生産していたが、価格競争の激化により方針転換を決断した。大手精密部品メーカーからの依頼を長年受けており、同メーカーから高い信頼を得ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ステンレス鋼に直径1mm・深さ90mmの超深穴をあける加工は、従来メーカー側で2工程を要していた。
  • コスト・採算量産品は価格競争が激しく、海外へ生産拠点を移す企業も多いため、従来の量産技術だけでは事業を続けていけない状況だった。

やったこと

ステンレス鋼材の丸棒に対し、NC自動旋盤と特殊ガンドリルを融合させ、丸棒からの切削加工と超深穴あけ加工を1工程で行えるようにした。特注の小径ロングガンドリルは専門メーカーの協力を得て制作し、ドリルの回転数、切削油の噴射圧、送り量の3条件をトライ&エラーで組み合わせて最適条件を導いた。その結果、直進性、面精度、穴径の保持、真円度精度の向上に成功し、加工時間を大幅に短縮した。

加工機NC自動旋盤
加工機特殊ガンドリル

新しい製品・サービス:ステンレス鋼の小径部品に対する1工程での超深穴加工技術

事業の効果

  • 加工工程数 3工程→1工程

ステンレス鋼の小径部品に対して、丸棒からの切削加工と超深穴あけを1工程で行えるようになり、直進性、面精度、穴径の保持、真円度精度が向上した。加工時間の大幅な短縮によりコストを削減し、競争力を強化できた。メーカーのニーズに応えたことで他社からも相談が寄せられ、新たな需要の把握にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業当時から加工を手掛け技術・ノウハウを蓄積し、量産からの転換を決断したとあり、一貫性はうかがえるが経営戦略としての明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外価格競争を受けて差別化を狙い、他社が到達できない小径深穴加工に絞ったと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    3工程を1工程に減らしリードタイムとコストを削減し競争力強化につなげたと記載があり、課題と解決策の対応が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間の大幅短縮やコスト削減とあるが、数値目標や付加価値額・賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    若手社員に任せ、交代で展示会に参加させるなど人材活用は読めるが、体制や事務処理能力の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体製造装置の直動装置の小径部品に使われる1mm・90mm穴加工という顧客ニーズと、メーカーからの信頼が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    超深穴加工の径150倍への拡大や展示会出展など今後の計画は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳細でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス鋼への径1mm・深さ90mmの1工程超深穴加工は業界初とされ、同分野で高付加価値化を図る内容である。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    半導体製造装置の基幹部品に関わる技術とあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    加工時間の大幅短縮とコスト削減が書かれているが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    NC自動旋盤と特殊ガンドリルの融合による技術革新はうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    半導体製造装置向けの高精度部品を手掛けるとあり、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関連は明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県上野原市の町工場とあるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今年創業以来初めて展示会に出展し、確立した技術で新たな市場に挑む予定である。径150倍の超深穴あけ加工の確立に向けた取り組みも続けられている。

  • 目標:超深穴あけ加工の深さ(径比) 30倍→150倍

事業者の声

同業社には立派なところもたくさんありますが、ステンレス鋼材に直径1mm、長さ 90 mmの穴を空けられるかと聞いて 2 つ返事でできるというところはまずないと思いますね。決して簡単な取り組みではなく、時間も費用も膨大にかかりましたが、挑戦して良かったです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。