ものづくり補助金平成26年度製造業長野県

温調設備導入に伴う製造期延長と生産増による国内外の需要増への対応

大信州酒造株式会社

成果従来に比べて約1か月製造期間を延長

この事例のポイント

  • 温暖な時期には良質な麹を造りにくく、仕込み時期が限られていたため、製造期間を延ばせずにいた。
  • 温暖期にも良質な麹を造ることができる自動製麹機を導入し、パネルヒーターで室内温度を上げられるようにした。
  • 従来に比べて約1か月製造期間を延長。温暖期にも良質な麹を造れる自動製麹機と冷温管理が可能なサーマルタンクの導入により、仕込み時期を延長できた。

事業者のプロフィール

事業者名大信州酒造株式会社
所在地長野県 松本市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数22人
資本金4,000万円
設立1888年

事業の背景

長野県は豊かな水と寒暖差、低湿度という気候風土から酒造りに適している。大信州酒造は戦後に松本と豊野の蔵を合併し、醸造を豊野蔵に集約して主に東京市場へ出荷していた。1980年代には価格競争に巻き込まれ「安酒」のイメージがついていた。1987年に田中隆一社長が入社して以降、徹底して品質にこだわる酒造りへ転換し、県内農家の契約栽培に切り替えた。現在は契約農家11軒と連携し、2016年には長野県産米「ひとごこち」「金紋錦」100%での醸造が可能になった。製品の大半は純米大吟醸や純米吟醸などの特定名称酒である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力温暖な時期には良質な麹を造りにくく、仕込み時期が限られていたため、製造期間を延ばせずにいた。
  • 生産能力増加する国内外の需要に応えるための生産量を確保できていなかった。

やったこと

温暖期にも良質な麹を造ることができる自動製麹機を導入し、パネルヒーターで室内温度を上げられるようにした。冷温管理が可能なサーマルタンクを導入し、仕込み時期を延長した。パストライザーにより絞った酒を冷たいまま瓶詰めし、加熱殺菌と急冷の工程を素早く効率よく行えるようにした。衛生的かつ効率的に瓶詰めできる新型充填機も導入した。これらの設備投資により、高付加価値・高利益の製品化の環境を整えた。

加工機自動製麹機
加工機サーマルタンク
加工機パストライザー
加工機新型充填機

事業の効果

  • 従来に比べて約1か月製造期間を延長

温暖期にも良質な麹を造れる自動製麹機と冷温管理が可能なサーマルタンクの導入により、仕込み時期を延長できた。製造期間は従来に比べて約1か月延びた。これにより特定名称酒と呼ばれる高級酒の生産量が増え、国内外の増大する需要に対応できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    「『本質』を極める酒造り」と品質重視の方針が述べられ、1980年代の安酒イメージから大転換した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内外の増大する需要と特定名称酒の増産に言及。契約栽培米や井戸水など資源の強みはあるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決2

    温暖期の製造不能という課題は示されるが、課題認識の詳細や高付加価値化の事業計画の具体的内容は読み取れない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社員10人で酒造りを担い、先代杜氏引退後も社員だけで2シーズン目と書かれており、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    特定名称酒を中心に他社との差別化を図り、国際大会の受賞実績にも触れているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    パストライザーや新型充填機の導入など工程改善は書かれているが、スケジュールや課題解決方法の記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    「純米大吟醸」など高級酒の生産量を増やし、高付加価値・高利益の製品化をめざすと書かれているが、市場水準との比較は示されていない。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    地域の自然風土を活かす点や長野県の酒どころとしての位置づけがうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長野県の気候風土を活かした酒造りと県産米の契約栽培により、地域資源を活用していることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

一連の設備投資で高付加価値・高利益の製品化の環境が整うと期待している。手造りの酒造りを続け、実験的な取り組みも継続していく。

事業者の声

酒造りは農業の延長線

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。