ものづくり補助金平成24年度京都府

高硬度・高耐摩耗性 陽極酸化皮膜の開発と現場導入

株式会社中金

この事例のポイント

  • 繊維業界から高硬度・高耐摩耗性の陽極酸化皮膜の需要があったが、自社では対応できない状態だった。
  • 国産の特殊波形が出る装置を購入し、最先端のドイツ技術を超える皮膜の形成に成功した。
  • 試作品を顧客に提示したところ非常に良い印象を持たれ、業界技術雑誌などでの紹介を通じて当社の認知度向上にも寄与した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中金
所在地京都府 久御山町
業種金属製品製造業
技術分野動力伝達
従業員数66人
資本金4.7億円
設立1950年

事業の背景

当社はアルマイトなどの表面処理を主力とする金属製品製造業者である。繊維業界で高硬度・高耐摩耗性の皮膜技術へのニーズがあり、ものづくり補助金の活用を検討した。その過程で航空機・自動車など他業界への応用も視野に入れることとした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力繊維業界から高硬度・高耐摩耗性の陽極酸化皮膜の需要があったが、自社では対応できない状態だった。
  • 新製品・新技術既存のアルミニウムPEO技術を改良し、現状より高硬度・高耐摩耗性の皮膜技術を開発する必要があった。
  • 新製品・新技術既存技術を工場生産につなげ、顧客ニーズに応える必要があった。

やったこと

国産の特殊波形が出る装置を購入し、最先端のドイツ技術を超える皮膜の形成に成功した。試作を通じて陽極酸化処理液の成分の改良も実施した。その結果、白色(高硬度・高耐摩耗性向け)と黒色(艶消し意匠性、光学機器向け)の2種類の皮膜の試作に成功した。

  • 加工機国産の特殊波形が出る装置陽極酸化処理装置

新しい製品・サービス:高硬度・高耐摩耗性の陽極酸化皮膜(白色・黒色の2種類)

事業の効果

試作品を顧客に提示したところ非常に良い印象を持たれ、業界技術雑誌などでの紹介を通じて当社の認知度向上にも寄与した。競合の技術は機密情報で推測するしかないが、厳しい顧客要求を満たせた点で一歩先んじている。ベンチマークのドイツ製品と比べて有色がなく、特定の指標でより優れた機能を達成した。今後は試作品を生産ラインに載せ、価格面で顧客ニーズに応える体制を整える。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    繊維業界のニーズを起点に既存のPEO技術を改良した経緯は読めるが、過去の取組との位置づけや経営戦略上の明記は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ドイツ製品をベンチマークに有色がなく一部指標で優れると記載され、競争優位性と差別化の根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    顧客要求への対応と生産ライン化が挙げられているが、課題認識と高付加価値化の具体的な数値的裏付けは限定的。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    30年度までに投資回収との目標と年度別計画(1,000千円、2,000千円、3,000千円)はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    体制に関する記載は「価格面で顧客ニーズに応える体制を整える」程度で、人材や事務処理能力の具体的情報はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    白色(高硬度・耐摩耗性)と黒色(艶消し意匠性)の用途別と顧客からの好印象が書かれ、ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作から生産ライン、アルミ以外への応用へと段階が示されるが、課題解決方法や詳細なスケジュールは具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ニッチ分野特化と記載され、ドイツ技術を超える高水準の高付加価値皮膜の開発が具体的に示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    繊維・航空機・自動車など他業界への波及がうかがえるが、経済波及や雇用創出の具体的記述はない。

  • 費用対効果2

    投資額に対する回収目標は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    PEO技術の改良による新皮膜の開発はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記載は乏しい。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    航空機・自動車・産業機械など成長分野への展開が示唆されるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

今後は試作品を生産ラインにのせ、30年度までに投資額を回収する。さらなる品質改良やアルミニウム以外の素材への皮膜技術の応用により、新たな市場開拓への道筋を確かなものとする。

  • 目標:30年度までに投資額を回収する計画。
  • 目標:経過年数3年目(28年度)1,000千円、4年目(29年度)2,000千円、5年目(30年度)3,000千円の計画。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。