ものづくり補助金平成26年度製造業岐阜県

極薄置き畳の製造による自社ブランドの確立及びちょこっと和室の需要獲得事業

有限会社たかぎ

成果重量(半畳サイズ) 3kg→2kg

この事例のポイント

  • 薄い置き畳は従来の畳機械では芯材と畳表を縫うことが難しく、ホチキス針を使う一般的な置き畳は針が飛び出る危険があり、クッション性も乏しかった。
  • 畳と芯材を縫うのではなく貼り付けて作る東海機器工業㈱の「ヒートプレス」を導入し、接着剤には「ホットメルト」という樹脂を使用した。
  • 重量(半畳サイズ) 3kg→2kg。置き畳を縫着ではなく接着で製造する技術を確立し、製造プロセスの効率化も果たした。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社たかぎ
所在地岐阜県 不破郡垂井町
業種その他の製造業
従業員数26人
資本金500万円
設立1957年

事業の背景

畳屋として60年以上前に創業し、全国生産量の約95%を生産する熊本県八代市の契約農場の国産いぐさを使った畳表を仕入れている。畳の製造のほか、襖の張り替えや障子・網戸の交換などのリフォーム事業も行っている。「気軽に和の空間を楽しみたい」というニーズから薄手の置き畳の需要が伸びており、従来30mmほどの畳が薄手とされていたが、バリアフリーの観点から車椅子でも乗り越えやすい15mm程度の厚さが求められるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術薄い置き畳は従来の畳機械では芯材と畳表を縫うことが難しく、ホチキス針を使う一般的な置き畳は針が飛び出る危険があり、クッション性も乏しかった。
  • 品質・精度3mmほどのクッション材を入れたり合成繊維の畳表を使ったりしても品質が落ち、芯材の木質繊維ボードは重くて硬く持ち運びが難しかった。
  • 新製品・新技術ホチキス針を使わず、高品質で軽く柔らかい薄手の置き畳を作る新たな製作方法を検討する必要があった。

やったこと

畳と芯材を縫うのではなく貼り付けて作る東海機器工業㈱の「ヒートプレス」を導入し、接着剤には「ホットメルト」という樹脂を使用した。ホットメルトはパウダー状で、上にまいてヒートプレス機で圧着し、無臭で健康被害もない。強度と柔らかさを両立する相性の良い芯材を見つけるため9種類の試作品を作り検証した。畳の角を織り込む「縁無表折曲機」と、いぐさの縁を裁断する「自動畳表裁断機」も導入し、従来は包丁で手裁断していた工程を効率化した。現在は8mmのフェルト2枚を圧着して12mmほどの厚さにする工法に至り、半畳(820mm角)で従来3.0kgあった重さを2.0kgまで減らした。

加工機ヒートプレス(東海機器工業㈱)
加工機縁無畳表折曲機(東海機器工業㈱)
加工機自動畳表裁断機(東海機器工業㈱)

新しい製品・サービス:薄さ、軽さ、最適なクッション性を兼ね備えた高品質の置き畳「ふわっと畳」

事業の効果

  • 重量(半畳サイズ) 3kg→2kg
  • 厚さ 30mm→12mm

置き畳を縫着ではなく接着で製造する技術を確立し、製造プロセスの効率化も果たした。適度なクッション性と耐久性を兼ね備えた極薄置き畳を提供できる体制を構築した。薄い畳の張り替えや高級畳表にも対応できるようになった。薄手で軽く保管にも場所を取らないことから、ホテルへの納入を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業60年以上の畳屋で、国産いぐさ調達や襖・障子のリフォームを手がけてきたとあり、置き畳事業との関係は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    置き畳の需要伸び、薄手の要求、茶道団体や保育園での購入実績が300枚、住宅納入400枚超と、市場と自社強みの関係が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    車椅子でも越えやすい15mm程度の厚さ需要に対し、重さ3.0kgから2.0kgへの減量など、課題と解決策が数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値の創出や賃上げを実現する目標値は書かれておらず、ホテル納入を目指すとの記述のみで数値目標は確認できない。

  • 事業を進める体制3

    9種類の試作品を作り検証したことや縁無表折曲機・自動畳表裁断機の導入から、遂行体制の一端はうかがえるが、人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットが茶道団体、幼稚園・保育園、外国人宿泊施設などと明確で、軽さや持ち運びやすさという選ばれる理由も具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    補助事業後も芯材改良を続け、8mmフェルト2枚で12mmの工法にたどり着いたと経緯は示されるが、中長期のスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    薄手の置き畳は従来の30mm程度が主流だった中で、12mm程度の極薄タイプを自社ブランドとして高付加価値化しており、新市場性が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    バリアフリーや災害時の避難者への寄贈など社会的配慮はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は見当たらない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    接着による製造技術の確立や製造効率化は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    国産いぐさや八代市の契約農場を活用しており地域資源との結びつきはうかがえるが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ホテルへの納入を目指し、建築会社や同業の畳屋、宿泊施設などに積極的にPRして取引量の拡大を目指している。

事業者の声

災害時、避難者に体育館などの冷たい床ではなく、畳の上で快適に過ごしてもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

群馬県製造業平成29年度

冷凍マグロ専用刺身醤油の試作開発

鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。