ものづくり補助金平成30年度製造業宮城県

圧着加工の高度化で機能性を高めた新製品の開発

株式会社アステム

成果1枚あたりの加工時間 9分→5分

この事例のポイント

  • 食の安全への意識の高まりから、食品工場で使うフィルターに金属部品を使わない加工が求められていた。
  • 糸を使ったミシンの構造を見直し、超音波で溶着する技術を持つ業者に問い合わせて超音波ミシンを導入した。
  • 1枚あたりの加工時間 9分→5分。超音波ミシンの導入で、ホチキスや糸を使わない構造になり、食品工場や病院のクリーンルームへも安全性をアピールできるように…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アステム
所在地宮城県 蔵王町
業種その他の製造業
技術分野接合・実装,機械制御
設立1963年

事業の背景

1963年に横浜で創業し、2014年に蔵王町の本社工場へ移転した。空調用ダクト付属機器(制気口、ダンパー、フィルター、排煙口)の設計・開発・製造・販売を行っている。商社を通して商業施設などに納品し、商圏は全国に広がり、その約5割が関東地域である。業界では、ろ材とフィルターの圧着にホチキスを使うのが一般的だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度食の安全への意識の高まりから、食品工場で使うフィルターに金属部品を使わない加工が求められていた。
  • 生産能力ろ材とフィルターの圧着でホチキスによる仮止め工程が必要で、作業に手間がかかっていた。
  • 人手・技能糸やレザーシートの余りを切断する手間があり、1枚にかかる時間が長かった。

やったこと

糸を使ったミシンの構造を見直し、超音波で溶着する技術を持つ業者に問い合わせて超音波ミシンを導入した。糸目に似せたアタッチメントを使い、超振動の熱による摩擦熱で溶着するため、金属部品も糸も使わない構造になった。これにより糸やレザーシートの余りを切断する手間が省かれ、フィルター部分の有効寸法も広く取れるようになった。自作した台座やガイドを使い、従業員が誰でも均一に作業できるよう改善した。

加工機超音波ミシン

新しい製品・サービス:ろ材とフィルターを超音波で圧着し、金属部品を使わないフィルター

事業の効果

  • 1枚あたりの加工時間 9分→5分

超音波ミシンの導入で、ホチキスや糸を使わない構造になり、食品工場や病院のクリーンルームへも安全性をアピールできるようになった。1枚あたりの加工時間は9分から5分に短縮され、作業時間が大幅に短くなった。フィルターの有効寸法も広く取れるようになり、お客様のニーズに柔軟に対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    食品工場の金属部品回避という市場の流れに対応して超音波ミシンを導入したと書かれているが、過去の取組との連続性は記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業者が1~2週間かかる製品を3日で納品できる業界No.1の短納期や、関東が約5割という商圏の数字が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ホチキスに由来する金属混入リスクを課題として認識し、1枚9分が5分に短縮される効果を数字で示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の短縮(9分から5分)は示されるが、付加価値額や賃上げに関する目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制4

    年2回の小集団活動や毎月40~50件の改善提案、多能工を育てる体制など、人材面の具体的な記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金属を使わない構造で異物が入らない点を強みとし、食品工場や病院のクリーンルームへの訴求先を具体的に挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    2枚重ねのろ材加工に挑戦し可能なら商品化する方針は示されるが、時期や遂行スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界ではホチキスや糸を使う方式が一般的だった中、超音波溶着で金属部品も糸も使わない加工方法を導入したと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域未来牽引企業としての矜持や蔵王町の本社工場が示されるが、雇用創出や経済波及の具体的な数字はない。

  • 費用対効果3

    1枚あたり時間が9分から5分へ短縮されフィルターの有効寸法も広がったとあるが、投資額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超音波溶着という新技術の導入は書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    蔵王町の本社工場や地域に根ざした取組、地域未来牽引企業としての姿勢が書かれているが、地域経済への効果は数字で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2枚重ねのフィルターや種類の異なるろ材を重ねて加工することに挑戦し、可能になれば衛生面での信頼を得て新たな商品ラインナップに加えたいと考えている。インドネシアの子会社への技術提供など海外進出も目指している。

  • 目標:同業者が早くても1週間、普通なら2週間程度かかる製品を、3日で納品できる

事業者の声

糸を使ったミシンから抜本的に構造を見直したいと思い、超音波で溶着する技術があると聞いて業者に問い合わせました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。