ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

超親水性塗料のコーティンングによる塗装治具の無溶剤洗浄技術の開発

有限会社エスエス商会

この事例のポイント

  • 冶具製作は単品加工のため機械化が難しく、熟練工によるアナログ作業に頼っている。
  • 従来シンナーや薬品を用いていた洗浄工程を水のみで洗浄できるようにするため、超親水性塗料コーティングに必要な設備として純水製造装置と水切り乾燥機等を導入した。
  • 超親水性塗料のコーティングにより、水で洗浄する無溶剤洗浄技術を確立し、塗装冶具の治具洗浄作業環境を改善できる。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エスエス商会
所在地静岡県 袋井市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境,表面処理,複合・新機能材料
資本金300万円
設立1997年

事業の背景

当社は平成9年7月に資本金300万円で創業し、金属・非鉄金属の塗装工程で発生した不良品の剥離洗浄と、その生産工程に用いる冶具の製作を中心に事業を展開している。冶具製作では大手部品メーカーとの取引が多い。主要顧客の自動車部品業界では原価低減の一環として冶具洗浄の内製化が進む傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能冶具製作は単品加工のため機械化が難しく、熟練工によるアナログ作業に頼っている。
  • 人手・技能プラスチック部品の冶具はばらつきが多く、合わせ技術の習得に入社後3年〜5年を要している。
  • 品質・精度剥離作業は素材の多様化で塗料も多種にわたり、剥離剤を常に新しく開発する必要があり、終了後も人の手と目による検品が必要である。
  • 生産能力薬品の臭気や人体への影響などの課題があり、洗浄作業の内製化が進まない。

やったこと

従来シンナーや薬品を用いていた洗浄工程を水のみで洗浄できるようにするため、超親水性塗料コーティングに必要な設備として純水製造装置と水切り乾燥機等を導入した。条件出しとして、完全無機塗料の特性把握(塗装膜厚確保のための条件、セッティング、焼き付け温度、前処理薬品の選定)を行った。水による剥離洗浄効果の検証として、冶具表面の研掃、油分除去、脱脂剤洗浄、水分完全除去、超親水性無機塗料のコーティング、焼き付け乾燥、水洗浄による拭き取り検査という一連の工程を実施した。補助事業用に実験棟を新たに建設した。

その他純水製造装置
加工機水切り乾燥機

新しい製品・サービス:100%無機塗料の超親水性特性を活かした無溶剤洗浄技術

事業の効果

超親水性塗料のコーティングにより、水で洗浄する無溶剤洗浄技術を確立し、塗装冶具の治具洗浄作業環境を改善できる。従来のシンナーや薬品を使う洗浄と比べて廃棄物を減量できる。塗装剥離作業が女性や高齢者でも容易に行えるようになる。今後は自社製作冶具にコーティングを施して納入し、自社ブランドの確立を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    剥離洗浄事業と冶具製作を既存事業として展開し、冶具製作の仕様を一任される評価がある。洗浄の内製化傾向への対応として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車部品業界の原価低減で冶具洗浄の内製化が進む市場動向と、微細な汚れを除去し素材を傷めない剥離技術の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    薬品臭気や人体への影響といった課題を挙げ、超親水性塗料による水のみの洗浄で解決する方向が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれていない。廃棄物減量や作業環境改善の方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    冶具製作の実績と取引先の評価は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超親水性無機塗料で水洗浄できる点、女性や高齢者でも作業可能になる点など、価値と選ばれる理由が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    研究の段階や一連の工程は書かれているが、遂行スケジュールや中長期の検証計画は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来のシンナーや薬品を使う洗浄に対し、水のみで洗浄する無溶剤洗浄技術を開発した点が、同分野での高付加価値化として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    作業環境改善、廃棄物減量、女性や高齢者の就労可能性など波及効果はうかがえるが、国が補助する積極的理由としての記述は薄い。

  • 費用対効果2

    廃棄物減量への貢献はうかがえるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超親水性無機塗料による無溶剤洗浄の技術開発は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品業界の内製化傾向に対応する技術開発とうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    袋井市の所在地と東北・関東・関西への顧客展開は書かれるが、地域特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自社で製作した冶具にコーティングを施して納入することを最終目標とし、将来は自社ブランド化を目指す。

事業者の声

ユーザーには、当社の技術で作業環境の改善を進めてもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。