ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

自動車内装材の加飾技術高度化に向けた最先端曲面印刷機械の導入

有限会社真永

成果ドットの大きさが従来の10分の1となる1〜2μ(ミクロン)まで微小化

この事例のポイント

  • 消費者の高級志向に応えるため、曲面のついた内装材へのグラデーションや木目模様などの加飾技術を高度化する必要があった。
  • 最先端の曲面印刷機械とUV照射装置を導入し、ドットの大きさを従来の10分の1となる1〜2μ(ミクロン)まで微小化した。
  • ドットの大きさが従来の10分の1となる1〜2μ(ミクロン)まで微小化。曲面印刷技術の構築により、滑らかな色彩表現と異なる部材への均一な印刷が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社真永
所在地静岡県 焼津市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野デザイン,表面処理,機械制御
資本金4,000万円
設立2003年

事業の背景

有限会社真永は、自動車内外装樹脂部品の塗装を主に手掛け、自動車照明部品大手企業と直接取引しており、金属製マスク治具によるマスク塗装などの技術力が高く評価されている。国内の自動車メーカーはコスト重視の調達を進め、アジア新興国を中心とした現地生産へのシフトを加速させており、国内の塗装事業者は品質・納期の要求水準の高まりと厳しい価格競争にさらされている。一方、消費者の高級志向を取り込むため、ハイグレードな自動車内装に曲線のついた内装材やグラデーション、木目模様などの加飾技術への需要が拡大していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術消費者の高級志向に応えるため、曲面のついた内装材へのグラデーションや木目模様などの加飾技術を高度化する必要があった。
  • 生産能力滑らかな曲面への安定した印刷と色の濃淡の徐変を実現するには高度な技術が必要で、自社の既存技術だけでは対応が難しかった。

やったこと

最先端の曲面印刷機械とUV照射装置を導入し、ドットの大きさを従来の10分の1となる1〜2μ(ミクロン)まで微小化した。これにより曲面を含むあらゆる形状・模様への精緻で自然なフルカラー印刷(グラデーションを含む)に対応できるようにした。曲面印刷は硬度が低く傷つきやすいため、前工程の下地塗装と後工程の保護塗装が必要だったが、既存の塗装技術を活かして曲面印刷技術を習得した。設備導入前に社員2名をメーカーに派遣して操作研修・実習を受けさせ、印刷技術の問題点を社内にフィードバックした。製品動線を確保した設備レイアウトと作業工程の改善を含む新塗装ラインを検討し、工場、事務所、食堂、外倉庫を新設・改築した。試運転や空調バランス、温湿度コントロールの調整を行い、連続作動による量産試行では品質のバラツキがなく顧客要求を満たす品質を確認した。加工手順書の作成とオペレーターの指導・育成により生産体制を整えた。

加工機最先端曲面印刷機械
加工機UV照射装置

新しい製品・サービス:滑らかな色彩表現ができ、異なる部材に対してもズレなく均一に印刷できる曲面印刷技術

事業の効果

  • ドットの大きさが従来の10分の1となる1〜2μ(ミクロン)まで微小化

曲面印刷技術の構築により、滑らかな色彩表現と異なる部材への均一な印刷が可能になった。連続量産試行で品質のバラツキがなく顧客要求を満たす品質を実現し、製造体制も検証・整備された。事業実施後は国内自動車メーカーの自動車内装品の受注につながり、経営基盤が強化された。近年は曲面印刷技術が自動車の前照灯に採用され、2021年には他の自動車メーカーと住宅メーカーからの受注が決まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の塗装技術を活かし曲面印刷へ展開したと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車照明大手と直接取引し、コスト重視の海外シフトの中で高級内装の需要拡大を捉えたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    曲面印刷の塗装工程で下地・保護塗装が必要だった課題を、既存技術との融合で解決した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    受注拡大や自動車内装品の受注が結果として書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載がない。

  • 事業を進める体制4

    社員2名をメーカーに派遣して研修・実習を受けさせ、オペレーターの指導・育成で生産体制を整えたと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    グラデーションや木目模様など顧客ニーズを裏付けに、ドット1〜2μmで精緻なフルカラー印刷が可能という価値が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試運転、レイアウト改善、量産試行による検証の流れは書かれるが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    1〜2μmのドット微小化により曲面を含むフルカラー印刷を実現し、従来比10分の1の精度で高水準の高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車内装の国内受注維持や住宅メーカーからの受注に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由の記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    受注拡大と経営基盤強化は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    UV照射装置と曲面印刷機の導入は書かれるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献までは読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    次世代車両の前照灯への採用に触れており、自動車分野の高付加価値化への進出はうかがえるが、構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後さらなる飛躍を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。