ものづくり補助金平成26年度製造業愛知県

ファイバーレーザー彫刻システム導入による金属の精密彫刻技術の高度化及び微細深彫り加工技術の開拓

株式会社磯部彫金所

この事例のポイント

  • 主要取引先である金型業界の海外シフトなどを背景に、市場が縮小している。
  • 補助金を活用し、独自仕様のファイバーレーザー彫刻機を導入した。
  • 深彫りしても粗くならず、細かい文字もきれいに仕上がるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社磯部彫金所
所在地愛知県 豊橋市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1977年

事業の背景

磯部彫金所は昭和21年の創業以来、75年にわたり彫刻技術と実績を積み上げてきた。タンスの引手や蝶番などの手彫りから始まり、汎用彫刻機、倣い彫刻機、目盛り加工機、数値制御彫刻機へと変遷してきた。主力は工作機械の目盛加工、樹脂金型やダイカスト金型への文字・マーク入れ、電極などへの金型彫刻で、金型の海外シフトなど業界環境の変化を背景に、約10年前にオリジナル焼き印の注文を受けるネットサービス「焼印職人」を立ち上げた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信主要取引先である金型業界の海外シフトなどを背景に、市場が縮小している。
  • 品質・精度深彫りをNC彫刻機やマシニングセンターで行うと刃が欠けて長時間かけた製品をやり直すことになり、刃物で回転させて彫るため文字のコーナー部が丸くなってしまう。
  • 新製品・新技術精密彫刻技術を高度化し、微細深彫り加工技術を開拓して他社と差別化する必要があった。

やったこと

補助金を活用し、独自仕様のファイバーレーザー彫刻機を導入した。展示会やネットで装置を探し、最終的に1社に絞って磯部社長の要望を取り入れた特注品を選んだ。レーザービームは100分の4mm径で、NC彫刻機やマシニングセンターの約5分の1の細さがあり、0.3mm―0.5mm程度の深彫りがきれいにできる仕様は国内で初めてとされる。0.5mm角の精細な文字も彫ることができる。工作機械のダイヤル加工では、従来は専用機と彫刻機で別々に彫っていたメモリと数字を、この1台で同時に彫刻できるようになった。

加工機ファイバーレーザー彫刻機

事業の効果

深彫りしても粗くならず、細かい文字もきれいに仕上がるようになった。顧客からは「こんなに細かく彫れるのか」と好評を得ている。ダイヤル加工では想定以上の引き合いが来ており、新たな市場を切り拓く成果が出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来75年の彫刻技術の変遷を述べ、焼印ネットサービス立ち上げなど過去の取組との一貫性が具体的に読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    金型の海外シフトで市場縮小と記載があり外部環境は読めるが、強みの優位性を定量的に示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決3

    市場縮小という課題と深彫り技術の高度化による新市場開拓は読み取れるが、売上や付加価値の目標は書かれていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員数4人と記載があり、長男の専務が3D加工に力を入れている程度しか体制はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    0.5mm角の精細な文字彫刻や0.3〜0.5mm深彫りなど製品の特徴と、顧客からの好評・想定以上の引き合いが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    導入の経緯は述べられるが、遂行方法やスケジュールに関する記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    レーザーマーキングによる深彫りは業界でも珍しく、国内初の仕様で同分野の高水準の差別化を図ると明記されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    焼印のネット受注で北海道から沖縄まで全国から注文があると記載があり、地域波及は一部うかがえるが国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果3

    投資後の引き合い増加は記載されるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ファイバーレーザー彫刻機で複数工程を1台に集約する点や3D加工への挑戦は読めるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    金型の海外シフトで市場が縮小する中、新市場を開拓する方向性がわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及2

    豊橋市の企業という所在は分かるが、地域の特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

0.5mm角の精細な文字彫刻により新たな市場を切り拓くとともに、長男の専務が入社後は3D加工にも力を入れ、一歩先の挑戦を続ける方針である。

事業者の声

人のやらないことを先にやりたいという思いは強い

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

群馬県製造業平成29年度

冷凍マグロ専用刺身醤油の試作開発

鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。