ものづくり補助金平成26年度製造業三重県

新たな軸受加工の保持器の受注・拡販

有限会社杉浦鉄工所

成果油穴位置の公差 1mm→0.2mm

この事例のポイント

  • 顧客から本格的な増産と新たな部品の製造を依頼されており、新規設備の導入と製造ラインの追加で製造能力を向上させる必要があった。
  • 外径350〜450mmの製品を加工できるCNC旋盤を導入した。
  • 油穴位置の公差 1mm→0.2mm。油穴位置の公差が±1.0mmから0.2mm以内になり、品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社杉浦鉄工所
所在地三重県 四日市市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数9人
資本金300万円
設立1950年

事業の背景

当社は大手軸受メーカーの協力工場として40年以上の歴史を持ち、風車・鉄道車両等の軸受加工旋削を手がけている。昨年来、顧客から本格的な増産と新たな部品の製造を依頼されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客から本格的な増産と新たな部品の製造を依頼されており、新規設備の導入と製造ラインの追加で製造能力を向上させる必要があった。
  • コスト・採算主力製品のスラスト自動調心ころ軸受の保持器は最終製品の性能に影響するため高度な精密加工が求められる一方、コスト削減も要求されていた。
  • 人手・技能穴あけなどをボール盤で手作業で行っており、作業の軽減と標準化が課題だった。
  • 品質・精度ボール盤での穴あけは穴の位置に±1.0mmの誤差が生じていた。
  • 納期・工程工程が複数に分かれて待機時間が生じ、短納期と量産への対応が課題だった。

やったこと

外径350〜450mmの製品を加工できるCNC旋盤を導入した。ワークサイズは最大φ430×713mm、主軸最高回転速度は3,000min-1、回転工具主軸最高回転速度は10,000min-1、チャックサイズは12インチ、工具取付本数は10本である。刃物・ドリル・エンドミルを取り付けて荒加工、切断、穴あけ、仕上げを一台で行えるようにした。プログラムで工具の動き・回転数・切削量を組み合わせて試作を繰り返し、最適値を見つけた。試作品の穴位置はデジタルノギスで確認し、公差0.2mm以内を目標とした。工程を見直して作業を標準化し、1個あたりの段取り時間と加工時間から生産性を検証した。

事業の効果

  • 油穴位置の公差 1mm→0.2mm
  • 生産性 5個/人・時間→6個/人・時間
  • 納期 3日→2日

油穴位置の公差が±1.0mmから0.2mm以内になり、品質が向上した。工程が一台で完結するため段取りや待機時間が減り、生産性は20%向上した。納期は2〜3日から1〜2日に短縮され、短納期対応が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    大手軸受メーカーの協力工場として40年以上の歴史があり、今回の増設が顧客からの増産依頼に応える流れとして読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大口径軸受(外径350〜450mm)の加工受注業者が少ないことや、高精度加工の実績を強みとして挙げ、市場の状況と自社の強みに触れている。

  • 課題の認識と解決4

    課題として、ボール盤作業や工程の分断、短納期・量産対応を挙げ、CNC旋盤導入で生産性が最大2倍になると具体的に示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性20%向上、油穴位置公差±1.0mmから±0.2mm以内、納期2〜3日から1〜2日という数値目標があり、実現性の根拠も示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名の企業であることは記載されているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・短納期・大口径軸受対応という優位性と、風力発電や鉄道車両など顧客ターゲットを具体的に整理している。

  • 事業化までの道筋3

    試作・検証・運用確認の手順と生産性確認方法は記載されているが、中長期の課題や具体的なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大口径の軸受加工を同分野内で高付加価値化する取組とうかがえるが、ジャンルの普及度を示す記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    航空機・風力発電・EVなどの市場拡大と、軸受が多数の産業に応用されていることに触れており、波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果4

    生産性20%向上、加工時間の短縮、5個/人・時間から6個/人・時間への改善など、投資効果の数値が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NC旋盤による工程集約は示されるが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの活用についての記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機・風力発電・EVなど成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    三重県四日市市の地元企業であることは記載されるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

今後の展望

航空機分野の市場拡大や風力発電の状態監視システム、ロボット関連商品、EV関連の事業本格化を受け、既存分野以外の軸受加工にも取り組む予定である。

  • 目標:工具寿命が最大20倍に延長する見込みと設定された。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。