ものづくり補助金平成26年度建設業滋賀県

騒音低減と工事の効率化を図る日本初の新たな削孔工法の実現

株式会社大翔

この事例のポイント

  • 特許権の存続期間が終了し、SD工法と類似の施工を行う企業が増えたため価格競争が激しくなり、取引先から低価格化の要請を受けている。
  • SD工法で使用する小型軽量削孔機を2台導入した。
  • 導入した設備により受注工事の施工を実施し、騒音軽減と作業の効率化を一定程度実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大翔
所在地滋賀県 長浜市
業種総合工事業
従業員数22人
資本金3,500万円
設立2002年

事業の背景

当社は法面保護工事を中心に事業を展開しており、SD工法による施工を10年以上継続して実施してきた。SD工法の特許権の存続期間が終了したことで、類似の施工を行う企業が増加した。そのため価格競争が激しくなり、取引先からも低価格化の要請を受けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算特許権の存続期間が終了し、SD工法と類似の施工を行う企業が増えたため価格競争が激しくなり、取引先から低価格化の要請を受けている。
  • 新製品・新技術SD工法には騒音と工事の効率化に課題があり、設備を導入して解決する必要があった。

やったこと

SD工法で使用する小型軽量削孔機を2台導入した。この削孔機は電力を主動力とし、SD工法に使用するために改良したものである。削孔機をワイヤーで固定するための小型ウインチを8台導入した。当社の蓄積した施工ノウハウにより、騒音が少なく軽量な削孔機を改良してSD工法での使用を可能にした。導入した設備で削孔テストを行い、騒音低減と作業効率化を一定程度図った。

加工機小型軽量削孔機
その他小型ウインチ

新しい製品・サービス:SD工法用に改良した、小型軽量で静粛な削孔機のラインナップ

事業の効果

導入した設備により受注工事の施工を実施し、騒音軽減と作業の効率化を一定程度実現した。騒音軽減は顧客の価値を高め、作業の効率化は当社の競争力を一定程度向上させたと考えている。実証実験や結果の検証を全社一丸で行った結果、従業員の参加意欲とモチベーションが高まり、組織力も向上したと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    SD工法の施工を10年以上継続し研究会をリードしてきたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許存続期間終了で類似企業が増え価格競争が激化したという外部環境と、施工ノウハウの蓄積という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    低価格化要請という課題認識はあるが、高付加価値化や成長につながる具体的な事業計画の数値や段階は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    数年後の新規工法確立や売上増加を目指すとあるが、高付加価値や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    施工ノウハウの蓄積や従業員22人、全社一丸での実証実験が書かれ、体制の一端はうかがえるが人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    騒音低減と工事効率化という価値、公共工事や建設コンサルへの周知など顧客ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    小型・軽量・自動化の継続開発や特許取得の視野、数年後の新工法確立という段階は示されるが、遂行スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既存のSD工法が施工数で6件、売上15百万円と示され、騒音低減により高付加価値化を図る独自の工法であることが読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    法面崩壊の抑制や公共工事での採用可能性は触れられるが、国が補助する経済波及や雇用創出の理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    工事6件・売上15百万円の成果は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    軽量・静粛な削孔機の改良は読み取れるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記載はない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県長浜市の地域企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発・改良を重ね、数年後には新規工法として確立することを目指している。特許取得を視野に入れ、工法の優位性が確立された後に販売促進活動を展開する予定である。全国展開する法面工事会社との関係強化と新規取引先の開拓により、今後の売上高の増加につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。