ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

破断開封パックの破断シート加工機の試作開発

株式会社開伸

この事例のポイント

  • 高齢化により食品包装の開封しにくさが社会問題となっており、片手で弱い力でも開封できる包装が求められていた。
  • 片手で弱い力でもV状に曲げれば簡単に開封できるVパックの加工機を試作開発した。
  • 加工機は機械メーカーで製造・販売されることになり、内容物を充填する充填機メーカーと契約して食品メーカーへ供給する体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社開伸
所在地滋賀県 長浜市
業種プラスチック製品製造業
技術分野デザイン,複合・新機能材料
従業員数45人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

当社はプラスチックシートの折り曲げ・抜き・特殊成形加工の商品を独自技術で製造販売しており、主要製品は透明ケースである。現在、食品・化粧品・医薬品などで使われるプラスチック製個包装体は推定7,000万個/日が消費されている。高齢化の進展により、食品包装を使う3人に1人が視力・握力・体力の低下した高齢者になると見込まれ、開封しにくさが大きな社会問題となりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術高齢化により食品包装の開封しにくさが社会問題となっており、片手で弱い力でも開封できる包装が求められていた。
  • 生産能力Vパックの製品化には、破断開封シートを量産するための加工機が必要だった。
  • 品質・精度封止材であるアルミニウム箔の圧着部に技術的な課題があった。

やったこと

片手で弱い力でもV状に曲げれば簡単に開封できるVパックの加工機を試作開発した。Vパックの上材である破断開封シートの加工機を開発し、特許を有するVパックの構造と製造方法を製品化するために取り組んだ。加工工程は、原反巻出し装置でシートを送り出し、加熱室でシートの癖を伸ばし、定尺送り装置で一定間隔に送り、加熱加圧外周打ち抜き装置で折曲げ罫線・切込み部・封止材の加熱圧着・外周切取りを行い、巻上げ装置で複合シートを巻き上げる流れである。永年の知見と開発力により、最大の課題であったアルミニウム箔の圧着部の技術的課題も解決した。その結果、破断開封シート加工試作機が完成し、破断開封シートの量産が可能となった。

加工機破断開封シート加工機(試作機)

新しい製品・サービス:片手で簡単に開封できるVパック(破断開封シートを用いた包装形態)

事業の効果

加工機は機械メーカーで製造・販売されることになり、内容物を充填する充填機メーカーと契約して食品メーカーへ供給する体制が整った。特許保守、技術ノウハウ提供、資材供給、広告宣伝など複数企業との連携も進み、大手食品メーカーでの生産体制が整った。展示会では100社を超える引き合いを得て、3,000名以上が開封体験を行った。Vパックの小売販売時には当社の透明ケースを優先採用し、透明ケース事業の拡大を図る計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    透明ケース製造の強みを活かし、プラスチックシート加工の知見と特許を製品化する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高齢化で食品包装の開封しにくさが課題と示され、外部環境の認識はあるが、市場規模や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    開封しにくさという課題と片手で開封できるVパックの解決策は示されているが、高付加価値化・成長の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    量産可能になったと記載があるのみで、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、数値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    機械メーカー・充填機メーカー・商社など連携体制が整ったと書かれているが、社内の人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    片手で簡単に開封、密封性、印刷しやすい等の特長と、食品・化粧品・医療等の顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成30年秋の生産体制整備、平成31年初めの販売開始とスケジュールが示されているが、課題解決の方法は技術面に限られ中長期の検証は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    Vパックは新しい包装形態と位置付けられ、特許14件申請済み、海外特許2件を含むと具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    新たな包装形態による開封しやすさや、日本市場と海外15か国への展開など社会的意義は示されるが、雇用や波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果2

    来場者3,000名超の開封体験や100社超の引き合いはあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高齢者の開封しにくさ解決や食品メーカーとの連携による新しい包装の供給体制が示され、一定の貢献が読み取れる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    新しい包装形態で市場を広げる方向はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

Vパックは食品にとどまらず化粧品・医療・日常生活用品など幅広い分野での利用を見込み、ラインナップとして第2弾のカードタイプと第3弾の袋タイプを開発中である。関連特許は海外特許2件を含む計14件を申請済みである。日本市場と世界15か国合計で約40億人への販売展開を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。