ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

少量・個食対応可能なカップシーラ式包装機の導入

木村水産株式会社

成果小あゆ煮の製品品目数 15種類→2種類

この事例のポイント

  • 従来のパウチ法による真空包装は、少量・個食の需要に対応した容器になっておらず、開封しやすさや食べきれない分の保管に課題があった。
  • 従来のパウチ法による真空包装から、少量・個食に対応した開封しやすいイージーオープンタイプの容器包装へ変更するため、カップシール機を導入した。
  • 小あゆ煮の製品品目数 15種類→2種類。工程を1つに統合し品目を絞り込んだことで、少品種での生産が可能になり生産計画が立てやすくなった。

事業者のプロフィール

事業者名木村水産株式会社
所在地滋賀県 彦根市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数40人
資本金1,200万円
設立1970年

事業の背景

当社は鮎の養殖に始まり、鮎及び淡水魚介類の製造販売や飲食店事業など広範囲な事業を展開している。主力製品は鮎および淡水魚介類の佃煮である。近年の食の志向として少量・個食に対応した商品が求められていた。琵琶湖産小鮎の漁獲量は減少傾向が続いている。主要な顧客は個人顧客で、中元・歳暮期に約15,000通のDM販売と直営店・ウェブ等での直販が売上の60%を占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来のパウチ法による真空包装は、少量・個食の需要に対応した容器になっておらず、開封しやすさや食べきれない分の保管に課題があった。
  • 生産能力ギフト用と家庭用を別工程で製造・包装しており、小あゆ煮(主要商品)は15種類もの品目を生産していて工程が煩雑だった。
  • 品質・精度真空パックでは商品が容易にほぐれず、一部の無殺菌商品は賞味期限が15日と短かった。

やったこと

従来のパウチ法による真空包装から、少量・個食に対応した開封しやすいイージーオープンタイプの容器包装へ変更するため、カップシール機を導入した。容器は佃煮を入れる箱(底材)、窒素置換で密閉するための底材とのシール材、フタ材の3つのパーツで構成している。ギフト用と家庭用の別工程を1工程に統合し、ギフト用は最終工程で箱詰めする形に改め、作業動線を整流化した。包装容器の変更に合わせてパッケージデザインを一新し、滋賀県立大学の南先生に依頼して帯巻きのシールと化粧箱を製作し、透かし模様で高級感を出した。

加工機カップシール機(カップシーラ式包装機)

新しい製品・サービス:少量・個食に対応したカップシール式容器入りの佃煮(小あゆ煮、山椒入り小あゆ煮、うなぎ山椒煮など)とそのギフト用詰め合わせ

事業の効果

  • 小あゆ煮の製品品目数 15種類→2種類
  • 賞味期限 15日→120日

工程を1つに統合し品目を絞り込んだことで、少品種での生産が可能になり生産計画が立てやすくなった。作業動線の整流化により作業効率も改善された。カップシール式容器により、お皿への移し替えや食べきれない分の再封が可能になり、保管の利便性が向上し、ほぐれにくさの欠点も解消された。賞味期限の拡大により安全性も向上し、新パッケージの評判は良く顧客満足度は高いと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鮎の養殖から製造販売・飲食店まで展開し、パウチから容器包装へ変更した経緯が書かれるが、経営戦略上の位置付けは具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    琵琶湖産湖魚の専門店ブランドや直営店・百貨店催事など強みは読み取れるが、市場動向との対比による優位性の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    製品品目を小あゆ煮15種類から2種類に集約、賞味期限15日から120日に拡大するなど課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量約500パック/日、計画どおりと記載があるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員40人や補助事業の推進体制に触れるが、事務処理能力や担当の役割分担についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は個人中心でDM約15,000通、直販が売上60%と顧客ターゲットが明確で、アンケートで評判が良いと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の課題としてパウチとカップシールの組み合わせを探る必要があると課題を挙げ、商品開発の計画も示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    佃煮の新パッケージで高級感を演出し、同分野で高付加価値化を図る方向性が書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    琵琶湖産小鮎の漁獲量減少に触れるが、地域経済への波及や雇用創出の具体的な記述はわずかである。

  • 費用対効果3

    品目集約や賞味期限延長による効果は示されるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    琵琶湖産湖魚を活かし、彦根・長浜・近江八幡の観光地に直営店を展開する地域性は読み取れるが、雇用創出の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成25年度に導入したレトルト殺菌装置との併用により、長期間常温流通できる新たな商品開発の可能性が広がる。主力の佃煮関連に加えて魚を使ったお惣菜や米飯関連の商品開発を進め、少量・個食の消費者の需要にさらに対応していく計画である。琵琶湖産小鮎の漁獲量が減少する中で、事業領域の強みを活かし付加価値の高い製品づくりと販売強化を図り、ブランドイメージの向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。