ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

3Dプリンターで成形された製品への新規メッキ方法の開発と実用化

中嶋金属株式会社

成果微細孔内部より2nm程度の平滑なメッキ皮膜を形成させる

この事例のポイント

  • 3Dプリンターで成形された製品は表面が粗く凹凸が激しいため、従来の方法では平滑なメッキができなかった。
  • 従来のメッキラインより微細なメッキ処理ができる新設ラインを設備投資で整備し、3Dプリンター成形品に平滑なメッキ皮膜を作れるようにした。
  • 微細孔内部より2nm程度の平滑なメッキ皮膜を形成させる。3Dプリンター成形品に平滑で耐食性の高いメッキが可能となり、ピンホールのない薄膜の世界初の皮膜作製に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名中嶋金属株式会社
所在地京都府 京都市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数15人
資本金1億円
設立1965年

事業の背景

当社は貴金属メッキを中心に高度な表面処理技術を持ち、研究機関、自動車メーカー、通信機器メーカー、半導体製造装置メーカー、JAXAなど多岐分野に取引先を持つ。3Dプリンターによる造形技術の向上や成形サイクルの短縮を背景に、金型製造など量産への適用を検討する企業が増え、3Dプリンター成形品へのメッキ依頼が数多く寄せられている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度3Dプリンターで成形された製品は表面が粗く凹凸が激しいため、従来の方法では平滑なメッキができなかった。
  • 品質・精度表面が粗く微細孔が無数に存在し、材質成分や含有量も一般的な既定値ではないため、メッキ液が入りづらく平滑に析出しなかった。
  • 新製品・新技術3Dプリンター成形品で自動車・半導体・医療分野への受注を広げるには、平滑なメッキを実用化できる新設備と事業体制の確立が必要だった。

やったこと

従来のメッキラインより微細なメッキ処理ができる新設ラインを設備投資で整備し、3Dプリンター成形品に平滑なメッキ皮膜を作れるようにした。新規メッキ液に複数の添加剤を加え、微細孔内部での水素ガス発生を抑制する特殊処理を組み合わせ、ピンホールのないメッキを微細孔内部から形成させる方式を実用化した。研究開発部・製造部の人員と新規雇用者で事業体制を整えた。

加工機新設メッキライン(新規メッキ方法用の新設設備)

新しい製品・サービス:3Dプリンター成形品への新規メッキ方法(ピンホールレスメッキ技術)

事業の効果

  • 微細孔内部より2nm程度の平滑なメッキ皮膜を形成させる

3Dプリンター成形品に平滑で耐食性の高いメッキが可能となり、ピンホールのない薄膜の世界初の皮膜作製に成功した。社員一丸で最高品質にこだわる体制により技術力も向上した。医療機器、半導体、自動車など新たな業種からの引き合いが増え、受注拡大が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の金属表面処理事業を拡張し、3Dプリンター成形品への新規メッキを新事業と位置付けている点は読み取れるが、過去の取組との一貫性の具体説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ピンホールレスメッキの独自技術と、自動車・半導体・医療分野の市場拡大の見込みを具体的に述べており、強みと外部環境の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    3Dプリンター成形品の表面粗さという課題と新設ラインでの解決策は示されているが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注増加の見込みは書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、数値も見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    研究開発部・製造部の人員と新規雇用者で事業体制を整えると書かれているが、人数などの具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    表面粗さ課題や医療・半導体・自動車など顧客ターゲットが示され、引き合いの手応えも記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    新設ラインの設備投資と体制整備の方針は書かれているが、スケジュールや検証の具体的な手順は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    メッキ業界では製作不可能とされたピンホールレス技術で、3Dプリンター成形品への平滑メッキは他社未実施と記載されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    自動車・医療・半導体分野の新市場形成や技術の認知拡大が書かれているが、雇用や波及効果の定量的記述は少ない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    新規メッキ技術による新規市場の掘り起こしが述べられているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    3Dプリンター製造業の拡大という成長分野への進出が述べられているが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    京都の金属表面処理事業者である点はうかがえるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

オンリーワンメッキ技術の市場浸透が進めば、医療機器メーカー、半導体メーカー、自動車メーカーなど新たな業種との取引が展開でき、受注拡大も見込める。JAXA、半導体メーカー、医療機器メーカーなどから新規取引の見込みがあり、医療用部品や自動車エンジン部品などの引き合いが増えつつある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。