ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

独自の技術で顧客を開拓

三元ラセン管工業 株式会社

成果使用可能温度 600℃→700℃

この事例のポイント

  • 耐熱用ベローズに使われるインコネル製は材料が高価で納期も長く、幅広い需要に対応するには問題があった。
  • インコネルに代わる安価なステンレス鋼「SUS310S」を材料に、高温仕様の薄肉成形ベローズの開発に取り組んだ。
  • 使用可能温度 600℃→700℃。SUS310S材の採用により、インコネル製が必要だった高温領域の一部をステンレス材で置き換えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名三元ラセン管工業 株式会社
所在地大阪府 大阪市城東区
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装,測定計測
従業員数23人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

昭和49年に創業し、フレキシブルチューブの製造卸から始めた。平成8年からは展示会とネットを活用し、伸縮可能な金属製配管のベローズについて製造・直販体制を確立した。近年は環境意識の高まりから、自動車や発電装置などで耐熱性の高いベローズの要求が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算耐熱用ベローズに使われるインコネル製は材料が高価で納期も長く、幅広い需要に対応するには問題があった。

やったこと

インコネルに代わる安価なステンレス鋼「SUS310S」を材料に、高温仕様の薄肉成形ベローズの開発に取り組んだ。補助事業で荷重試験機を導入し、バネ定数の測定と、漏れ試験・耐久試験を合わせた試作品の評価試験体制を整えた。成形と組立の試作を繰り返して溶接や深絞り加工の条件を確立し、成形後の山高は目標の7mmを達成した。繰り返し耐久試験では平均6万6,300回と、目標5万回を大きく超える結果を得た。金属組織写真で加工前後の組織に変化がなく硬度も大きく上がらないことを確認し、バネ定数の管理もできるようにした。

検査測定荷重試験機

新しい製品・サービス:SUS310S製の高温仕様薄肉成形ベローズ

事業の効果

  • 使用可能温度 600℃→700℃

SUS310S材の採用により、インコネル製が必要だった高温領域の一部をステンレス材で置き換えられるようになった。溶接と成形の条件が確立され、山高7mmの加工や耐久試験での高い数値も確認された。荷重試験機の導入によりバネ定数を重視する既存の納入先にも管理して応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成8年からベローズの製造・直販体制を確立したと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    インコネル製は高価で納期が長いという市場課題に対し、安価なSUS310Sで代替する点が示され、独自製法と短納期対応という強みも記載されている。

  • 課題の認識と解決3

    ステンレスで600℃限度だった耐熱性を700℃程度まで置き換え可能と書かれ、課題認識と高付加価値化の方向性は読み取れるが、財務的な効果は示されていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    繰り返し耐久試験で平均66,300回と目標5万回を大きく超えた数値が示され、山高7mmの加工達成も記載されており、目標に対する実績は具体的。

  • 事業を進める体制3

    従業員23名で、試作・評価試験の体制整備や20代から70代の従業員が技術継承に取り組むと書かれているが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    0.1mmの極薄板材や直径32〜850mmの成形、少量特注品への短納期対応など、製品の価値と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    溶接・成形・評価試験の試作を繰り返し条件を確立したと書かれ、展示会やSNS活用の方針もあるが、中長期のスケジュールは明確ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    高価なインコネルの代替として安価なSUS310Sを使い耐熱性を高めた点は、同分野で高水準の高付加価値化を図るものと読める。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車、発電装置、産業機器での耐熱ベローズ需要の高まりは書かれているが、経済波及や雇用創出の国の積極的理由までは示されていない。

  • 費用対効果3

    材料を安価なステンレスに置き換え、代替によって用途が広がると書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    工業炉、自動車、エンジン分野への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとまでは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    大阪市城東区の本社で従業員23名と書かれているが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工業炉メーカー、エンジンメーカー、製鉄メーカーなど既存取引先の需要を起点に、展示会やSNSを活用して新規市場の開拓を進める考えである。自動車メーカーや工業炉メーカーからはすでに引き合いが来ている。

事業者の声

高価な材料を使わなくても身近な材料で置き換えることができれば用途は限りなく広がるはずと考えています。これからも展示会やインターネットを使って情報を積極的に発信し続けるつもりです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。