ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

新射出機構ダイカストマシン導入で、高精度製品を実現

株式会社 DCウエムラ

成果余分に射出する個数 500個→50個

この事例のポイント

  • 複雑形状の自動車部品に対応するための射出能力が、所有する機械では不足していた。
  • 平成27年9月に、新射出機構のアルミダイカストマシンを導入した。
  • 余分に射出する個数 500個→50個。射出能力と減速機能を備えた機械の導入により、歩留まりと作業効率が向上し、これまでできなかった複雑形状の加工にも対応でき…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 DCウエムラ
所在地大阪府 八尾市
業種非鉄金属製造業
技術分野立体造形
従業員数8人
資本金500万円
設立1983年

事業の背景

昭和58年創業のアルミダイカスト加工会社で、自動車、家電、エアーガンなどの精密部品を手がけている。平成3年からダイカスト加工を始めた。リーマンショックや東日本大震災で売り上げが落ち込んだ時期もあったが、高い機密性や美しい鋳肌の製品を求める取引先に応えて新規受注を得て乗り切った。現在は売り上げの60%を自動車分野が占め、電動化の流れで車体の軽量化が進み、取引先から複雑形状のダイカスト製品を求める声が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力複雑形状の自動車部品に対応するための射出能力が、所有する機械では不足していた。
  • 品質・精度射出時のショットの切り替え位置の設定にばらつきが大きく、複雑な金型形状に溶湯が沿って流れきれず、湯じわなどの不良が多発していた。
  • 品質・精度充填前後の射出速度がばらつき、バリが発生して除去に手間がかかっていた。
  • その他高速充填時の溶湯と金型の衝突により金型の寿命が縮んでいた。

やったこと

平成27年9月に、新射出機構のアルミダイカストマシンを導入した。十分な射出能力と減速機能を備えた機械で、減速機能を備えた油圧サーボバルブ式を採用し、ショット時の速度調節を可能にした。これにより射出速度が向上し性能も良くなり、湯じわの発生を考慮して1,000個の注文に対し500個余分に射出していたのを50個に抑えられた。ショット時のスピード調節でバリの発生を抑え、部品1つにつき4秒かかっていたバリ取り作業をなくした。溶湯が金型に強く衝突するのを抑えたことで、金型の修正が必要になるまでのショット数は10,000ショットから13,000ショットへ増えた。

加工機新射出機構のアルミダイカストマシン(減速機能を備えた油圧サーボバルブ式)

事業の効果

  • 余分に射出する個数 500個→50個
  • バリ取り作業時間(部品1つあたり) 4秒→0秒
  • 金型の修正が必要になるまでのショット数 10,000ショット→13,000ショット

射出能力と減速機能を備えた機械の導入により、歩留まりと作業効率が向上し、これまでできなかった複雑形状の加工にも対応できるようになった。余分な射出が減って材料の無駄が抑えられ、バリ取り作業もなくなり、コストの低減につながった。金型の寿命が延びて修理にかける費用や期間が短縮されたほか、加工時の温度やショットなどのデータをデータベースに保存できるようになり、不良発生時の原因究明にも役立っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成24年度以降に3回ものづくり補助金へ採択され、金型長寿命化や溶解炉増強など設備投資を継続してきた流れが事例に示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    売上の60%を占める自動車分野で電動化による軽量化と複雑形状需要があり、高い機密性と美しい鋳肌で受注を得てきたと書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    射出能力不足や湯じわ発生を課題に挙げ、バリ取り1個4秒の廃止や1,000個注文に対する余分射出を50個に減らした数字で解決を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    記事は過去の成果数値を示すのみで、今後の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていないため実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制3

    従業員8名で創業34年、3回の補助金採択実績があると書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車や家電の量産部品を月20万個以上手がけ、取引先の複雑形状や高精度の要望に応える点が顧客ニーズとして整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    平成29年10月の設備導入予定と、2017年採択の補修材研究を平成29年5月から奈良高専と共同で進める時期が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度アルミダイカストで他社にできない加工を目指すと述べられているが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    社会に貢献する会社を目指すという一般的な言及はあるが、雇用創出や地域波及効果を示す具体的な記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    金型修正が1万ショットから1.3万ショットに延び、修理費用と期間を短縮できたと数字で示されているが、投資額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献3

    加工時の温度やショット条件をデータベースに保存し、不良発生時の原因究明に活用している点が事例に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    自動車の電動化に伴う車体軽量化で複雑形状部品の需要が高まっており、その分野へ対応する投資と読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    大阪府の事業や奈良高専との共同研究が触れられるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は明確ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成28年度の事業は現在進行中で、平成29年10月に設備導入を予定している。社長は導入によって他社のできない加工ができると意気込んでいる。加工事業では取引先からの受注を増やし、会社の成長を目指す。また、ダイカスト金型の補修材の研究開発を進めており、奈良高専との共同研究を経て、国内外のダイカスト加工会社に販売したいとしている。

事業者の声

導入によって他社のできない加工ができる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。