回転装置を活用した溶接ロボットによる生産性向上計画
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
チコーエアーテック 株式会社
| 事業者名 | チコーエアーテック 株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府 大阪府箕面市 |
| 業種 | 電気機械器具製造業 |
| 技術分野 | 製造環境 |
| 従業員数 | 48人 |
| 資本金 | 2,500万円 |
| 設立 | 1998年 |
平成10年に設立された同社は、平成17年頃に自社ブランドの集塵機を発売し、約3分の1に小型化した製品が持ち運びや狭い場所への設置のしやすさで好評を得て販売を伸ばした。主力製品の集塵機は半導体工場のクリーンルームなどで多用され、現在は月600台ペースで販売している。顧客はスマートフォン向け精密電子部品を製造する国内の有力企業や韓国の半導体最大手など多岐にわたり、有機ELパネルや車載用リチウムイオン二次電池などの成長分野でも需要を拡大しつつある。工場の生産設備でもIoT化が進み、センサー情報をもとに故障予測を行う活動が主流となりつつあった。
抱えていた課題
やったこと
生産設備に搭載したセンサー情報をもとに故障予測を行うため、集塵機にモーターの回転数や温度を計測するセンサーと圧力センサーを搭載した。収集したデータをもとにモーターの状況やフィルターの目詰まりを推定し、故障を予測できるようにした。圧力センサーのデータから周辺の配管の空気漏れを推定するなど、装置周辺の状況も把握できるようにした。多数の集塵機をLANケーブルで接続して稼働状況を一元的に把握できるようにし、スマートフォンやタブレット端末から稼働状況を確認できる無線通信機能も搭載した。これらは4回目のバージョンアップにあたり、故障予測の精度が格段に向上した。
| その他 | IoT対応集塵機(故障予測・遠隔診断・無線通信機能搭載) |
|---|---|
| 検査測定 | 回転数・温度計測センサー |
| 検査測定 | 圧力センサー |
新しい製品・サービス:IoT対応の集塵機(センサー搭載による故障予測・遠隔診断、無線通信機能付き)
開発した集塵機は平成29年9月に発売を始め、故障予測の精度が格段に向上した。複数の集塵機の稼働状況を一元的に管理できるため、ある集塵機が停止しそうな場合や集塵能力が低下しそうな場合には別の集塵機を稼働させ、全体の集塵能力を維持できるようになった。小規模な集塵機の導入にとどまる工場でも効果的に運用でき、不具合発生時には蓄積したデータの分析で故障の原因や傾向を把握できるようになった。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
平成10年設立後、平成17年頃に自社ブランド集塵機を発売し、「世の中にないものを作り続ける」を掲げる一貫性がうかがえる。
小型化と持ち運び・狭所設置のしやすさが好評で販売を伸ばし、大規模工場での遠隔一元管理という強みも具体的に書かれている。
大規模工場で人による確認が難しい課題に対し、センサー増設とLAN接続で稼働状況を一元把握する解決策が具体的に示されている。
月600台ペースや既存製品の置換は書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、わずかにうかがえる程度。
従業員48名や熟練作業への言及はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力について具体的な記載は乏しい。
半導体工場や有機ELパネル、車載リチウムイオン電池など需要拡大分野を挙げ、顧客ニーズと選ばれる理由が整理されている。
日本での開発・製造に力を入れる方針と海外生産の失敗経験は書かれるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。
公開されている事例からは読み取れません。
有機ELやEV向け電池の製造分野で高付加価値の集塵機を展開し、小型化とIoT遠隔診断という差別化が具体的に示されている。
スマートフォンや車載電池の成長分野への波及は書かれるが、雇用創出や経済波及の規模は示されておらず、国が補助する理由は読み取りにくい。
補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は示されず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。
センサーデータによる故障予測、遠隔診断、周辺配管の空気漏れ推定などIoTを活用し、工場の予防保全に貢献する点が具体的に書かれている。
有機ELや自動車用リチウムイオン電池など成長分野への進出が書かれ、構造転換への寄与がうかがえるが、政策的な位置づけは薄い。
大阪府箕面市の本社や日本での開発・製造に力を入れる点はあるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は乏しい。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
既存製品を順次新製品に置き換えていくとともに、半導体製造分野以外に有機ELパネルと自動車用リチウムイオン電池の製造分野へ展開しようとしている。有機ELパネルは需要増大が見込まれ、自動車用リチウムイオン電池も米国や中国での大型設備投資計画があり、これらの生産工場での集塵機の大規模な導入が期待される。
課題を解決することでステップアップしていける
公式の事例集より(原文のまま)
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
旋削加工とマシニング加工を一台で行える最新型マシニングセンタ(複合加工機)を導入した。
効果:半導体装置のフッ素樹脂部品20個の加工所要時間 1,310分→950分
制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。
効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった