ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

金属材料の精密加工と建築鉄構の2本柱の効率化を進める

扶桑機工 株式会社

この事例のポイント

  • 従来の設備は昭和50年代に導入したもので、加工能力に限界があった。
  • 平成26年度は、シームレスパイプ素材の試験用サンプル片の製作用に、オークマ(株)の縦型マシニングセンター(MC)を導入した。
  • 新しい門型MCと縦型MCの導入により、高速で正確な加工が可能になり、技術の伝承が容易に進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名扶桑機工 株式会社
所在地大阪府 大阪府堺市
業種金属製品製造業
技術分野材料製造プロセス,精密加工
従業員数160人
資本金4,900万円
設立1969年

事業の背景

同社は昭和44年に設立され、住友金属工業(現新日鐵住金)の独自製品である石油掘削用シームレスパイプの二次加工を長年手がけている。石油関連だけでは受注の浮き沈みが激しいため、約30年前から建築分野に進出し、NSトラスなどの製造を始めた。10年前の年間売上高は約25億円だったが、平成28年度は約43億円となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備は昭和50年代に導入したもので、加工能力に限界があった。
  • 人手・技能高精度の切削と研磨の加工が求められるが、60〜70代のベテラン社員に業務が集中していた。

やったこと

平成26年度は、シームレスパイプ素材の試験用サンプル片の製作用に、オークマ(株)の縦型マシニングセンター(MC)を導入した。試験用サンプル片は極寒や高温高圧、腐食などの使用環境に応じた材料かを確認するためのもので、同社が長年製作を担っている。試験の条件を満たすため高精度の切削と研磨の加工が求められるが、新装置は高速で正確な加工が行え、位置決めの自動化などにより段取りを含めて作業が短時間で行えるようになった。平成27年度は、新日鉄住金エンジニアリング(株)のゴムを使わない最新免震装置「NS‐SSB」製造のために、オークマ(株)の門型MCを設置した。機械加工から組立・塗装まで一貫製造体制で引き受けられるよう、加工の角度を細かく制御できるユニバーサルヘッド付きの門型MCを導入し、月間250台を製造できるよう事前に生産体制を整えた。

加工機縦型マシニングセンター(MC)
加工機門型マシニングセンター(MC)

新しい製品・サービス:ゴムを使わない金属製の免震装置「NS‐SSB」

事業の効果

新しい門型MCと縦型MCの導入により、高速で正確な加工が可能になり、技術の伝承が容易に進んだ。段取りを含めて作業が短時間で行えるようになり、機械加工から組立・塗装までの一貫製造体制を整えた。今後の需要増加に備えて生産体制を整えたことで、効率的な生産とエネルギーコストの抑制にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    石油掘削用シームレスパイプの二次加工を長年手がけ、約30年前から建築分野へ進出した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    石油関連の受注の浮き沈みを背景に建築分野へ進出し、高精度加工が評価されたとあるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    従来設備の加工能力限界や60~70代ベテランへの業務集中という課題を挙げ、新装置導入で解決する流れは読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間売上高が約25億円から平成28年度約43億円へ増え、5年以内に50億円超えを見込むという目標が具体的に書かれている。

  • 事業を進める体制2

    ベテラン社員への業務集中や技術伝承の容易化は触れられているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    免震装置「NS-SSB」は振り子原理で重量変化に強いという特徴と、大型倉庫や病院への需要先が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    平成30年度めどに関東進出の工場建設、月間250台製造体制、複数拠点での生産によるリスク分散など時期と方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    免震装置はゴムを使わない独自構造と書かれ、高精度部材の需要増も述べられているが、市場での普及度に関する数字はない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    国内の大型倉庫の建て替えや病院などの安全性需要に触れているが、波及効果や雇用創出の具体的な数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金により新設備を導入できた点は述べられるが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    免震装置の需要拡大や建て替え需要がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及2

    大阪府堺市の拠点と関東進出計画は示されているが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年以内に年間売上高50億円超えを達成できると見込んでいる。平成30年度中をめどに関東地方に進出し、工場を建設予定で、複数拠点での製造によりリスクを分散する計画である。

  • 目標:年間売上高 25億円→43億円

事業者の声

設備投資の有効性がわかっていても手が出にくいが、補助金があって積極的に新設備を導入できた

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。