ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

看板で世の中を活性化し元気に

常磐精工 株式会社

この事例のポイント

  • 防災用具を保管するスペースに企業が頭を悩ませており、救護担架などは保管場所が限られ、日常的に使われないため保管場所を忘れることもあった。
  • 大阪府立大学に依頼して強度算出と強度試験を行い、強度の目安として車いすの品質管理体制と製品試験の基準を定めたJIS T9201を採用した。
  • 「サポートサイン」は身近な看板として機能しながら、緊急時には人の役に立つ防災用具になる点が特徴である。

事業者のプロフィール

事業者名常磐精工 株式会社
所在地大阪府 堺市
業種その他の製造業
従業員数17人
資本金2,000万円
設立1964年

事業の背景

同社は昭和39年にフォークリフト向けベアリング加工業として創業し、金属切削加工技術を生かしてペグや園芸用品、ディスプレイスタンド、看板などを手がけてきた。現在は完全自社製造による自社ブランドの看板を全国に出荷しており、主力製品は仮設看板・販促什器である。防災意識の高まりを受け、商業施設や教育機関、公共施設で常に使われ目に届きやすい看板に防災用途を加える構想が生まれた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他防災用具を保管するスペースに企業が頭を悩ませており、救護担架などは保管場所が限られ、日常的に使われないため保管場所を忘れることもあった。
  • 新製品・新技術少子高齢化や多発する自然災害に対応するため、緊急時の車いすのような防災・介護機能を備えた置き看板を開発する必要があった。

やったこと

大阪府立大学に依頼して強度算出と強度試験を行い、強度の目安として車いすの品質管理体制と製品試験の基準を定めたJIS T9201を採用した。荷重100kgの実験でも問題がなく、その後の実用実験も同大学で行い安全性への自信を深めた。看板のパネル部分を取り外すことで、誰でも簡単に車いすへ変化させられる構造とし、その所要時間は数秒とした。車いすタイプ、リヤカータイプ、ストレッチャータイプなど複数のバリエーションを展開し、展示会でPRを行った。

新しい製品・サービス:防災・介護機能を備えた置き看板「サポートサイン」。看板のパネルを外すと車いすなどに変化し、緊急時に人を安全な場所へ運搬できる。

事業の効果

「サポートサイン」は身近な看板として機能しながら、緊急時には人の役に立つ防災用具になる点が特徴である。展示会でのPRが奏功し、テレビなどでも取り上げられるようになった。駅や学校、イベント会場などでの設置を想定し、大学やスーパー銭湯なども導入を始めている。販売価格帯は10万円前後に設定する予定で、通常のストレッチャーやキャスター付き担架が10〜20万円で販売されていることを踏まえると付加価値のある製品として市場に出せると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和39年創業のベアリング加工から金属切削技術を他分野へ展開し、看板製作へ至るなど、一貫した技術の延長線上の取組が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    AED累計44万台・約78%が公共施設という市場動向をふまえ、自社の金属切削技術と看板製作の強みを活かした商品設計が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    保管場所の確保が課題と整理され、防災看板で解決し、価格を10万円前後に設定予定とする事業構想が読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    AED設置数の約25%を公共施設で目指すという市場シェア目標はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員17名の体制と、大阪府立大学への強度試験依頼、展示会での販路開拓が書かれ、遂行体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け5

    看板から車いすへ数秒で変形する機能、通常の担架10〜20万円に対する価格設定など、顧客と価値が数字つきで整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    市場開拓の方向性は書かれているが、中長期の遂行スケジュールや課題の解決方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金2,000万円の記載はあるが、資金調達の見込みや財務状況の詳細は書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    防災看板という商品は市場に存在しないとされ、新分野での独自性と付加価値性が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    少子高齢化や自然災害への対応、AED設置の公共施設への普及という社会的意義は読み取れるが、経済波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値増加の関係は書かれておらず、費用対効果を数値で判断する材料は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    看板と緊急搬送機能を組み合わせた新しい商品の構想はあるが、デジタル技術の活用は見当たらない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    防災・介護分野への参入を志向しているが、市場成長や日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    堺市での事業展開、大阪府立大学との連携、堺技衆への選出など地域との結びつきがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

AEDの設置数に近い数の公共施設への設置を目指し、AED設置数の約25%を目標に市場を開拓していく考えである。

事業者の声

これらのオリジナル治具は他社では真似できないと自負している

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。