ものづくり補助金平成26年度製造業大阪府

時代の流れに対応し、創意工夫で挑戦し続ける建材加工会社

株式会社 西尾木材工業所

この事例のポイント

  • 施工現場では丸のこで建材の長さを調節しており、最適な長さに切断できる若手が少ない。
  • 建材を最適な長さに切断できるクロスカット機を自社工場に導入し、建材を事前に幅を揃えて加工するようにした。
  • 施工現場では建材の切断作業が減り、若手や経験の少ない大工でも各戸ごとに梱包された建材を簡単に取り付けられる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 西尾木材工業所
所在地大阪府 大阪府東大阪市
業種木材・木製品製造業
技術分野情報処理,精密加工,立体造形
従業員数45人
資本金2,016万円
設立1926年

事業の背景

同社は昭和元年創業の木材加工会社で、マンションや一戸建て住宅、幼稚園などで使われる建材を手がけている。戦後に住宅分野へ参入し、現在は施工専門会社を介して京阪神一円の需要に応えている。平成19年から太陽光発電の販売代理店事業、平成24年からリフォーム事業を始め、経営の多角化を進めている。会社の売上高は平成26年度から平成28年度にかけて10%以上増えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能施工現場では丸のこで建材の長さを調節しており、最適な長さに切断できる若手が少ない。
  • コスト・採算加工後に発生する端材の処理が現場で問題になっていた。
  • 生産能力小ロットや短納期への対応で製造部門の生産性が低下し、収益は横ばいだった。
  • 納期・工程部材がそろうまで出荷できない「友待ち」が起きる可能性があった。

やったこと

建材を最適な長さに切断できるクロスカット機を自社工場に導入し、建材を事前に幅を揃えて加工するようにした。建材の梱包も各戸ごとに切り替え、現場での切断加工や仕分け作業を減らした。あわせてランニングソー(最適な建材の幅に切断する機械)を導入し、幅加工を内製化した。これにより自社での小ロット生産が可能となり、建材の仕入れから出荷までのリードタイムを半減させ、友待ち期間の短縮と各戸ごとの梱包を実現した。

加工機クロスカット機
加工機ランニングソー

新しい製品・サービス:壁や天井に取り付けられる不燃性建材

事業の効果

施工現場では建材の切断作業が減り、若手や経験の少ない大工でも各戸ごとに梱包された建材を簡単に取り付けられる体制が整った。大量の端材発生も抑えられ、施工現場の人件費や端材処理費用は以前より15%抑えられた。リードタイムの短縮により取引先からの受注が増え、大手ゼネコンの現場所長からも次の現場でも使いたいと評価された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    マンション建設現場の建材加工を自社工場に取り込む方針が示され、過去の木材加工事業との連続性が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    小ロット・短納期対応や建材の仕分けの課題は書かれているが、競合との比較や自社の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決5

    友待ち期間や端材処理費の課題を挙げ、リードタイム半減、端材処理費15%減、売上高35%引き上げ目標など数字つきの計画が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    リードタイム半減、人件費・端材処理費15%減、5年後に売上高を平成28年度比35%程度引き上げる目標が数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    若手や経験の少ない大工でも施工できる体制と協力会社の利用は書かれているが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    現場の大工や大手ゼネコン所長から再利用の声があり、顧客のニーズと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    平成29年度中にモルダー加工機を導入する時期と、不燃性建材の試作を京都の大学と平成29年度中に完成させる計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木材の建材加工は一般的な分野で、同分野の高付加価値化や高価格化を図る内容は、事例の範囲では読み取りにくい。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地元の施工現場や建築業界の人手不足への対応がうかがえるが、波及効果や雇用創出を国が補助する理由としては書かれていない。

  • 費用対効果4

    施工現場の人件費と端材処理費を15%抑えた成果や、リードタイム半減の数字が示され、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    プレカット機やラーニングソーによる内製化は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大阪府東大阪市の地域拠点で京阪神の需要に応えている点は読み取れるが、地域の特性を活かした成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年後には売上高を平成28年度よりも35%程度引き上げたいとしている。壁や天井に取り付けられる不燃性建材の試作品を京都の大学と開発しており、平成29年度中に完成させる計画である。

事業者の声

試作品は、防火規制に対応し製品化できれば多くの人に木の良さをもっと伝えられる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。