ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業兵庫県

天然素材の効用をフルに生かし、ユーザーの熱望に応える皮膚用化粧品を開発試作、他社と差別化し、売上・利益を拡大

株式会社ディバイン

この事例のポイント

  • 美容院顧客へのアンケートで皮膚トラブルを解消する肌用化粧品への要望が多かったが、それに応える製品がなかった。
  • 東南アジアの天然木「タナカ」の木を取り寄せ、乾燥した木の皮のみを使用して煎液の抽出に取り組んだ。
  • 「タナカ」を原料とした化粧水は販売開始から約1年が経過し、販売量は増えつつあるものの目標には届いておらず、普及が課題となっている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ディバイン
所在地兵庫県 伊丹市
業種各種商品卸売業
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は天然由来の成分を活かしたオリジナルのシャンプー・リンスをOEMで製造し、主に全国の美容院へ卸している。美容院の顧客アンケートでは、乾燥肌やしみ、くすみ、しわなどの皮膚トラブルを解消する肌用化粧品を求める声が多かった。ミャンマーの知人から伝統化粧品「タナカ」の話を聞き、白くならない透明なローションにできないかと考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術美容院顧客へのアンケートで皮膚トラブルを解消する肌用化粧品への要望が多かったが、それに応える製品がなかった。
  • 新製品・新技術「タナカ」の木は乾燥品で流通しており、化粧品の成分となる皮だけを剥ぐことが難しかった。
  • 新製品・新技術煎液の抽出には皮を煎じて濾す作業を繰り返す必要があり、簡単に全成分を抽出する方法が確立していなかった。
  • 新製品・新技術煎液を化粧品にするための配合が定まらず、防腐剤を使わずに天然成分を活かす配合を確立する必要があった。

やったこと

東南アジアの天然木「タナカ」の木を取り寄せ、乾燥した木の皮のみを使用して煎液の抽出に取り組んだ。独自の手法で皮を剥ぎ、煎じて濾す作業を簡略化する方法を考案し、「タナカ」の全成分を抽出した煎液を量産できるようにした。煎液を原料とした配合を試行錯誤して独自に確立し、防腐剤を使わず口に入れても無害な化粧水と水白粉を完成させた。完成品を小容量のサンプル容器で各3,000個制作し、取引先美容院から選んだ150社を通じて顧客約3,000人に試供品とアンケートを配布し、回答を集計した。

新しい製品・サービス:「タナカ」の天然成分を活かした化粧水(透明なローション)と水白粉

事業の効果

「タナカ」を原料とした化粧水は販売開始から約1年が経過し、販売量は増えつつあるものの目標には届いておらず、普及が課題となっている。アンケートでは化粧水と水白粉ともに肌のしっとり感やすべすべ感などの高評価が得られ、全体の約3分の2が継続して使用したいと回答した。商品自体の評価は高いため、今後は販売先を見直して販路を拡大する予定である。ミャンマーでも現地の知人を通じて好評を得ており、現地での販売を開始した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の漢方製法・天然成分へのこだわりから化粧品開発へ続く流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    美容院顧客へのアンケートで肌トラブルへの要望が多かったことや、独自の抽出製法・配合が強みとして書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    ミャンマーでの白くならない透明ローション需要を課題と捉え、現地販売を計画しているが、高付加価値化の定量的計画は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売量は目標に届いていないと記載があり、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    現地ビジネスパートナーの存在は触れられているが、社内の人材や事務処理体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    アンケートで約65.4%が継続使用したいと回答し、白くならない天然成分の特徴が選ばれる理由として具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は販売先を再考し、新製品を作り、現地工場を造る予定と書かれているが、スケジュールや解決方法は不明確。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    タナカを化粧品原料とする新規性が示され、白くならない透明ローションという独自性が具体的に書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    ミャンマーの伝統化粧品の現地展開に触れるが、雇用や波及効果など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    サンプル3,000個の配布やアンケート回答数は記載があるが、補助金投入額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外の伝統素材を活かした化粧品の展開は触れられているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    ミャンマー原産のタナカを活用する地域資源の利用は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への言及は薄い。

今後の展望

ミャンマーでの販売拡大を目指し、現地のビジネスパートナーも得ている。新製品を加えて「タナカ」シリーズのラインナップを充実させる予定である。ゆくゆくは現地で工場を造り、煎液を日本へ輸入する形で生産体制を整えたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。