ものづくり補助金平成26年度製造業奈良県

旋削加工による薄肉円板の超精密加工技術の確立とその試作

有限会社山恵製作所

成果板厚を指定値から誤差3/100mm以内に仕上げた

この事例のポイント

  • 人為的要因により品質にばらつきがあった。
  • 専門家の助言を受けながら、切削工具(機械設備・刃物)、切削条件(周速、送り速度など)、治工具(チャッキング方法)の3因子の相関性を検討し、試行錯誤を繰り返した。
  • 板厚を指定値から誤差3/100mm以内に仕上げた。試作品に要求された精度を実現し、アルミ合金の旋削加工技術を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山恵製作所
所在地奈良県 奈良県磯城郡川西町
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測
従業員数18人
資本金300万円
設立2005年

事業の背景

当社は平成9年7月創業、平成17年に有限会社化し、リーマンショック以降も売上高を毎年増加させてきた。当社の年間売上の約3割強を占める企業から、マニアや競技者専用の高付加価値製品の試作加工について打診・依頼を受けた。その製品は多彩で複雑な模様穴を持ち、板厚を指定値から誤差3/100mm以内に仕上げる精密さが必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度人為的要因により品質にばらつきがあった。
  • 生産能力取引先の高付加価値製品の試作依頼に対し、非常に高い精度が求められた。
  • 新製品・新技術切削時の振動による切削傷や鱗状の光沢ムラを防ぐ切削条件、治工具が確立されていなかった。

やったこと

専門家の助言を受けながら、切削工具(機械設備・刃物)、切削条件(周速、送り速度など)、治工具(チャッキング方法)の3因子の相関性を検討し、試行錯誤を繰り返した。治工具は油圧式3爪からスクロール式4爪に変更し、拘束・堅持する方法を改善した。切削条件を固定・確立し、刃物工具の最適化を行った。アルミ合金(A7075材)を用い、切削・旋削加工のみで加工技術を確立した。4爪治具への取り付け方法を考案し、作業者の締め付ける力を均一にして生産体制の見直しを図った。

加工機門型マシニングセンタ
加工機NC旋盤
検査測定三次元測定機
金型スクロール式4爪治具

新しい製品・サービス:旋削加工による薄肉円板の超精密加工技術の確立とその試作。

事業の効果

  • 板厚を指定値から誤差3/100mm以内に仕上げた
  • 取引先が発注していた他社の約5倍の生産量を確保できる見込みとなった

試作品に要求された精度を実現し、アルミ合金の旋削加工技術を確立した。治工具の変更により加工品の誤差のばらつきが減少し、より安全と安心が得られる製品となった。他社の約5倍の生産量を確保できる見込みとなり、新規顧客の獲得や受注増につながる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業から売上を毎年増加させてきたと書かれるが、今回の技術と経営戦略の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    ブランド化・高付加価値化の一つになったとあるが、市場動向や自社の強み・弱みへの言及は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    生産体制の見直しで取引先の他社約5倍の生産量を確保できる見込みとあり、課題と対策の対応は読み取れるが数字の根拠は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    誤差3/100mm以内、他社の約5倍の生産量見込みと数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    専門家の助言を受け、従業員一丸で進めるとあるが、体制や人材の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    マニアや競技者専用の高付加価値製品という顧客像と試作依頼の背景はあるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    2025年度までの5年目に約10種類のアルミ材加工技術確立を目標とし、広報活動の内容も示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アルミ合金の旋削で板厚誤差3/100mm以内を実現し、切削のみで制作する技術とあり、高水準の加工を示す。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    取引先や当社のブランド化に言及するが、地域経済や雇用創出など国が補助する理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    生産量やバラツキ減少の記述はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県の地域企業として技術データを蓄積する方針はあるが、地域の特性や経済成長への寄与は具体的に読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新機械設備導入により拡大した対応可能な仕様(サイズ・精度)や確立したアルミ合金加工技術を自社サイトや技術資料で広報し、新規顧客、新規受注の獲得を目指す。5年目までにアルミ材約10種類の加工技術確立とデータ蓄積を目標とする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。