「農家の直売所」事業でITを活用した効率的な出荷配送システムの確立

株式会社農業総合研究所

この事例のポイント

  • 集荷量の確保が課題となっていた。
  • ITを活用した「出荷配送システム」を開発・導入した。
  • 生産者は自宅や所在地からどこからでも好きな時間に出荷準備ができ、集荷場での作業時間が大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社農業総合研究所
所在地和歌山県 和歌山市
業種その他の事業サービス業
従業員数165人
資本金2.12億円
設立2007年

事業の背景

株式会社農業総合研究所は、農産物の流通を通じて農業が継続する仕組みを構築しており、その一つとして「農家の直売所」事業を展開している。生産者と提携し、同社集荷場に集まった農産物を大阪や東京などの都市部のスーパーマーケットにインショップ形式の直売所を設けて委託販売するプラットフォームを提供している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑集荷量の確保が課題となっていた。
  • 生産能力集荷場への生産者の直接持ち込みが必要で、手間や時間、コストがかかっていた。
  • 人手・技能相場情報や在庫状況の確認、バーコードの打ち出しが集荷場でしかできず、利便性や満足度が高くなかった。

やったこと

ITを活用した「出荷配送システム」を開発・導入した。生産者は自宅のタブレット端末やパソコン等から、自身の売上データや販売先・商品相場などの出荷に関する情報を取得できる。バーコード発券機を購入すれば、集荷場に持ち込めない生産者でもバーコードを商品に貼付し、全国のスーパーに出荷できる。テスト運用を経て2017年夏頃から本格始動し、毎日蓄積される販売データを売上高や出荷額の“見える化”に活用できるようにした。さらに、登録生産者専用の農業資材販売サイトや、外食向け会員制青果物EC「彩直」(2018年秋頃開始)を構築し、トレーサビリティ機能も開発・提供している。

新しい製品・サービス:ITを活用した出荷配送システム、外食向け会員制青果物EC「彩直」、トレーサビリティ機能。

事業の効果

生産者は自宅や所在地からどこからでも好きな時間に出荷準備ができ、集荷場での作業時間が大幅に削減された。時間やコストが削減され、集荷量の拡大につながった。毎日蓄積される販売データを活用して計画的な農業経営を促進できるようになった。生産者にとっては新たな所得、小売店や消費者にとっては市場に乗らなかった農産物を選ぶ楽しみが生まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    集荷場での手間や時間の課題を解決するため出荷配送システムを開発したと書かれ、事業の延長線上にある取組とうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    生産者の直接持ち込みによる不便さは述べられるが、市場や競合に対する自社の強み分析は記載されていない。

  • 課題の認識と解決4

    集荷量確保という課題を明示し、バーコード発券機で全国スーパーへ出荷できる仕組みで解決すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    集荷量の拡大につなげたとあるが、付加価値額や賃上げの目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    会社概要に従業員165名とあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    生産者が規格にとらわれず販売価格を決められる点や、こだわり農産物を顔の見える形で届ける点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    2017年夏の本格始動や2018年秋の外食向けEC開始など時系列の展開が書かれ、段階的な計画がうかがえる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    規格外農産物を消費者へ届ける取組として、市場に乗らなかった農産物を扱う点が特徴として書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    生産者の所得拡大や新たな所得の創出が書かれ、地域農業への波及が示唆されている。

  • 費用対効果2

    時間やコストの削減と述べられるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    ITを活用した出荷配送システムや売上データの見える化、トレーサビリティ機能など、デジタル技術による業界への貢献が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    農産物流通のIT化により効率的な農業経営を後押しするとあり、構造転換にわずかにつながる記述がある。

  • 地域経済への波及3

    和歌山市を拠点に、地域の生産者と都市部スーパーをつなぐ事業として書かれており、地域特性の活用がうかがえる。

今後の展望

食の安全・安心につながるトレーサビリティ機能などにより、今後さらに新たな付加価値が期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

広島県サービス業(他に分類されないもの)平成27年度

自動車整備のプロセス改善と高度化計画

支柱の間隔が広い門型2柱リフトワイドを2式と低床式エアーガレージジャッキを1台導入し、旧型リフト2台と入れ替えた。

効果:タイヤ脱着工程の順番待ち時間 100分/日→15分/日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。