ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

3D作業用クランピングテーブルシステムによる溶接品質・生産性の向上

株式会社雑賀製作所

この事例のポイント

  • 得意先件数の増加とユーザーニーズの多様化に伴い、製造する製品が多品種少量生産化の傾向にあった。
  • 同補助事業で「3D作業用クランピングテーブルシステム」(デメラー/PE2801056-001型)を導入した。
  • 新設備により組立や溶接の精度が向上し、複雑な形状や角度の付いた製品でも品質が格段に上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社雑賀製作所
所在地和歌山県 日高郡日高町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装,表面処理,立体造形
従業員数12人
資本金500万円
設立1987年

事業の背景

1977年(昭和52年)の創業以来、金属加工に取り組み、ステンレスの加工に特化した事業を展開してきた。平成27年に法人化し、株式会社雑賀製作所として新たにスタートした。主力製品はステンレス製のタンクや配管、架台などで、製薬、化学、造船、食品、水処理、機械装置、建築など多岐にわたる分野で活用されている。水処理産業での需要は今後ますます広がると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力得意先件数の増加とユーザーニーズの多様化に伴い、製造する製品が多品種少量生産化の傾向にあった。
  • 納期・工程複雑な立体形状の製品を製作するには組立・溶接用の治具が必要だった。
  • 人手・技能多品種少量生産に合わせて治具を設計製作するには、多大な時間と熟練した職人技術が必要だった。

やったこと

同補助事業で「3D作業用クランピングテーブルシステム」(デメラー/PE2801056-001型)を導入した。組立式で汎用性が高く、製品ごとに専用治具を作る必要がなくなった。これにより、複雑な立体形状や角度の付いた製品の組立や溶接を、新設備を使って行えるようになった。作業員や条件による品質のばらつきを一定化させることも可能になった。

その他3D作業用クランピングテーブルシステム(デメラー/PE2801056-001型)

事業の効果

新設備により組立や溶接の精度が向上し、複雑な形状や角度の付いた製品でも品質が格段に上がった。専用治具の製作時間を製品の加工時間に充てられるようになり、年間約120万円の生産性向上につながった。専用治具の製作に掛かっていた原材料費(年間45万円)と治具の廃棄処分費(約10万円)も不要になり、コストが削減された。高品質な製品を低コストで市場に供給できるようになり、一部上場企業との取引にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和52年の創業以来の金属加工とステンレス特化の事業を背景に、ステンレス一貫生産体制を強化する装置として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ステンレス一貫主義という自社の強みを挙げ、水処理産業での需要拡大を見込んで販路を広げる方向性が示されている。

  • 課題の認識と解決5

    治具の設計製作に多大な時間と熟練を要する課題を認識し、年間約120万円の生産性向上や45万円の原材料費削減という数字で解決効果を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性向上の年間約120万円は示されているが、補助事業としての目標値や達成時期の設定は読み取れず、具体性が薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名で材料手配から出荷まで社内一貫生産の体制を持つと書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    複雑な立体形状の製品を精度よく作れる点、品質のばらつきを抑えられる点、水処理分野の需要と新規取引が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開として受注拡大と新装置の活用が述べられているが、遂行方法や中長期のスケジュール、課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ステンレス製タンクや配管の分野で、複雑形状の高精度製作により他社との差を出そうとする意図がうかがえるが、高付加価値・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    環境・エネルギー産業や水処理産業への波及として、造船産業からの受注や同業界との新規取引が具体的に挙げられている。

  • 費用対効果3

    生産性向上約120万円、材料費削減45万円、廃棄費約10万円と効果額は示されているが、補助金投入額との比較がなく費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    品質のばらつきを一定化できる点は書かれているが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    環境・エネルギー産業や水処理産業という成長が見込まれる分野への販路拡大が、具体的な取引実績とともに書かれている。

  • 地域経済への波及2

    所在地として和歌山県日高郡が示されているのみで、地域特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新装置を十二分に活用して受注拡大を図る予定である。新しい技術を武器に、環境・エネルギー産業への販路を拡大していく。水処理産業では同業界のメーカーとの新規取引がすでに決まっている。

事業者の声

この新装置の導入で、造船産業からステンレスタンクや配管、架台の受注をもらいました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。