ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業広島県

利用者指向型の環境遠隔常時監視システムの試作開発

中外テクノス株式会社

この事例のポイント

  • CO₂センサが寒冷地で使えるように、極低温に耐えるセンサユニットが必要だった。
  • 極低温に耐えるセンサを購入し、センサの検査機や回路も購入して耐低温センサユニットを開発した。
  • カナダの実フィールドでの実証実験により、極低温(-40℃)でも正常に動作することが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名中外テクノス株式会社
所在地広島県 広島市
業種技術サービス業
技術分野情報処理,測定計測
従業員数983人
資本金4,700万円
設立1953年

事業の背景

大気中のCO₂濃度が400ppmを超えるなど増加傾向にあり、地球温暖化が懸念されている。CO₂を分離回収・貯蔵するCCSは排出量削減の切り札とされ、その普及のために地上漏洩を常時監視する技術が求められている。従来の環境モニタリングは多くの人手と労力を要し費用も大きいため、カナダのサクスパワー社と協力し、遠隔で長期的に安価にモニタリングできる製品の開発を進めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度CO₂センサが寒冷地で使えるように、極低温に耐えるセンサユニットが必要だった。
  • 品質・精度寒暖差で結露が発生する環境に対して、保温構造や測定の安定性を確保する対策が必要だった。
  • 品質・精度無線通信に不具合が生じるため、信頼性の高い無線通信方法を確立する必要があった。
  • 新製品・新技術多用途展開のためにコントロールボックスの機能とデザインを改良する必要があった。

やったこと

極低温に耐えるセンサを購入し、センサの検査機や回路も購入して耐低温センサユニットを開発した。結露対策として保温構造を改良し、安定した測定と外気の交換を両立させるシステムを開発した。無線通信プログラムを見直し、信頼性の高い独自の無線通信方法を開発した。専用データサーバを見直し、バックアップ機器を設置するために必要な機材を購入し、サーバプログラムを開発した。

その他低温に耐えうるCO₂センサ
検査測定センサ検査機
その他回路
その他バックアップ機器

新しい製品・サービス:利用者指向型の環境遠隔常時監視システム(CO₂地上漏洩モニタリングシステム)

事業の効果

カナダの実フィールドでの実証実験により、極低温(-40℃)でも正常に動作することが確認された。寒暖差が激しく結露が発生する環境でも正常に動作し、通信不具合時には自己修復機能により安定性が向上した。既存インフラを使わず太陽光発電と無線ネットワークだけで安定してモニタリングできることも確認され、商業化の目途がついた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として環境モニタリング分野の開発経緯は書かれるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    CCSの普及や地球温暖化という外部環境は書かれるが、自社の経営資源の強み・弱みや競争優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    技術的課題(寒冷地対応、結露、無線通信不具合、サーバ安全性)は具体的に認識されているが、事業計画としての高付加価値化の道筋は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発体制の人材や事務処理能力について、従業員数983名の記載程度でうかがえるのみ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    CO₂を遠隔で長期的に安価に常時監視できる製品価値、カナダ実証で極低温-40℃などの具体的条件が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は騒音や粉塵、ASEAN展開など展望は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    CO₂地上漏洩を常時監視する分野は新しいが、普及度や高付加価値化の水準を具体的に示す記述は少ない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    CCSの普及促進によるCO₂排出量削減への貢献という国が補助する理由が、事例内で具体的に示されている。

  • 費用対効果2

    従来の人手と労力を要する環境モニタリングに比べ安価との記載はあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    小型分散型の無線ネットワークや太陽光発電による監視は新技術だが、サプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    CCSやCO₂削減への言及はあるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    広島市を拠点とする事業者として地域に言及はあるが、地域の特性を活かした経済成長への具体的記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は国内に加えてASEAN(特にベトナム、インドネシア)への市場拡大を目指し、ASEAN市場に販路を持つ企業との連携を進める。サービスメニューも収集データの解析(AIを含む)や画像解析・処理の領域に広げ、CO₂以外の環境・生物指標や物理・化学指標へ展開したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。